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第80回群馬の森と文化の殿堂

ページID:0005330 更新日:2023年12月18日更新 印刷ページ表示

たかさき100年第80回写真
家族連れなどでにぎわう群馬の森

烏川に注ぐ井野川・粕川の合流点に近い岩鼻に、明治15年(1,882年)11月、陸軍造兵廠の火薬製造所が設けられました。長い間軍の機密の場所であったため、その広さは明らかではありませんでしたが、終戦当時の敷地面積は、相次ぐ拡張により、設置当初の約3倍にあたる32万5千坪もあったと記録されています。

昭和42年(1,967年)、群馬県では「明治百年記念事業」として、岩鼻の広大な旧陸軍用地の約3分の1を「群馬の森公園」として活用することを計画、昭和45年に工事に着工し、西側地区の芝生広場と児童コーナーを昭和49年に一般公開しました。2年後には、大樹が生い茂る東地区を整備し、東西約1キロ、南北250メートルの一大森林公園が誕生しました。この森には一時、埼玉から白サギが多数飛来したこともあり、現在では野鳥の宝庫にもなっていて、多くの人たちが訪れる憩いのエリアとなっています。

こうした自然環境を生かした公園内に、昭和49年10月、県立近代美術館がオープンしました。この美術館は、新鋭建築家磯崎新が設計、直線を強く打ち出した立方体の集合構成が目を引きました。

常設展示室は、群馬出身の湯浅一郎、山口薫、福沢一郎、鶴岡政男、オノサト・トシノブなどの作品を中心に同館収蔵の国内外の作品を展示、日本画の山種展示室では井上房一郎収集の古美術(戸方庵コレクション)を含む収蔵品を展示しています。平成6年には、ハイビジョンシアターやミュージアムショップ、レストランの拡充を行い、平成10年には現代美術棟も増築しました。例年、企画展も開催されるほか、秋には県展の主会場としても利用されています。

美術館の東隣には、富岡市一ノ宮にあった県立博物館(昭和32年設置)を母体にした県立歴史博物館が昭和54年10月に開館しました。群馬の歴史を、原始古代・中世・近世・近現代に分け、回廊式に常設展示し、中央に企画展示室を設け、中庭も有する構想は、大高正人の設計によるものです。昭和62年秋には、群馬県主催の「中国陝西省文物展」が人気を呼び、45万人を超す入館者がありました。

県立近代美術館と歴史博物館は、環境の良さもあって四季を通じて入館者が多く、また、友の会やボランティア活動なども活発に展開されています。

(森田 秀策)