平成21年度のお題

「やなこった」(3月1日号)

  • 飲み疲れ 酒を見るのも やなこった (箕郷町下芝 深津 智鶴子)
  • 年取って 夜道の運転 やなこった (萩原町 土田 千恵子)
  • やなこった 花粉飛び交う 春さきは (下佐野町 川崎 和美)
  • やなこった 妻はダンスで おれ留守番 (岩鼻町 高畑 雅彦)
  • やなこった 何をするのも 寒くって (吉井町南陽台 吉村 きみ枝)
  • 使う場所 選ばぬ携帯 やなこった (飯塚町 小野寺 アイ)
  • ひ孫まで 子守りするのは やなこった (飯玉町 中村 チエ)

今月のお題「やなこった」は「嫌なことだ」という意味のおらほうの言葉です。

お便り紹介

「やなこっちゃ」など使った記憶があります。相手を受け入れない、拒否する意味で使ったと思います。声に出して言うには度胸がいります。今は心の中で小声で言う言葉かな。「やなこったデパ地下巡り荷物もち」(中室田町の清水正幸さん)。

「やなこった秘書が秘書がと罪逃がれ」。政治献金問題でニュースを聞くたびに思います。もうやなこった、さんざんだと。ぜひ国民に優しい透明な政治をと願います(我峰町の斉藤文江さん)。

「こっつぁみー(その2)」(2月1日号)

  • こっつぁみー 元気な園児の 赤い頬 (倉賀野町 山崎 清)
  • こっつぁみー 夜は自慢の 鍋料理 (飯塚町 小野寺 アイ)
  • こっつぁみー 心身鍛える 寒稽古 (下佐野町 川崎 英雄)
  • こっつぁみー 陽だまり取りっこ 爺とネコ (倉賀野町 田村 佐和子)
  • こっつあみー 熱燗一本 妻に注ぐ (江木町 茂木 富男)
  • ふところも 季節に負けず こっつぁみー  (萩原町 平井 サカヱ)
  • 晩酌は こっつぁみー夜の お友達 (田町 佐藤 是子)

2月4日は立春。暦の上では春ですが、まだこっつぁみー日が続くのでしょうか。

お便り紹介

「こっつあみー夜なべの父母に甘酒を」。1年中働いていた父母に、よく甘酒を作って持っていきました。寒い夜は湯気がごちそう、おいしそうに飲む姿を思い出します(貝沢町の大塚節子さん)。

「こっつあみー」そんな言葉知らないわと思い、2度3度口ずさんでいたら、あっ、続けて発音すれば覚えがある。今でもたまに聞く言葉、昔亡き父が言っていた言葉。とても懐かしく父の顔を思い出し、こっつあむいネと写真に語りかけました(檜物町の三木たみをさん)。

「こっつぁみー(その1)」(1月1日号)

  • こっつぁみー 赤城榛名も 雪景色 (岩鼻町 門倉 まさる)
  • 公魚は まるで釣れずに こっつぁみー (吉井町長根 三木 今朝雄)
  • 正月は こっつぁみーから こたつ番 (萩原町 土田 千恵子)
  • 鐘を聴き こっつぁみーのに 初詣 (岩鼻町 高畑 雅彦)
  • 福袋 こっつぁみいのに 列つくり (新町 清水 紀子)
  • 見栄はって こっつぁみいのに 薄着する (江木町 笠井 清美)
  • オヤジギャグ 空っ風より こっつぁみぃー (八幡町 矢島 百合子)

明けましておめでとうございます。

今回のお題「こっつぁみー」は「寒い」という意味のおらほうの言葉です。「小」を意味する「こ(こっ)」と「さみー」がくっついたものです。

しかし、寒さの度合いとしては「小寒い=やや寒い」より強いような気がします。

お便り紹介

「こっつぁみな晩は自慢のおっきりこみ」。子どものころは、ご飯の代わりによく寒い日におっきりこみを食べました。自分の家で打ったうどんにいろんな野菜を入れて、ただ煮込んだだけのものですが、食べると体の芯まで温まりました。今でもときどき寒い日には食べます。こういう郷土料理は若い人にも食べてもらいたいですね(倉賀野町の高田喜久雄さん)。

「おさる・おさぁる」(12月1日号)

  • この頃は おさぁるそばから すぐ忘れ (上大類町 新井 京子)
  • おさぁった おぼえもないが 恋を知り (下滝町 天田 勝元)
  • 意味不明 孫におさある 短縮語 (下佐野町 川崎 英雄)
  • ばあちゃんに おせちおさぁる 年の暮れ (倉賀野町 田村 佐和子)
  • ひな鳥が 親からおさる 生きる術 (八幡原町 原田 とよ子)
  • 婆ちゃんに おさるぬか漬 継ぐ秘伝 (倉賀野町 山崎 清)
  • 亡き母に 教った歌を 口ずさむ (中里町 関根 光枝)

今回のお題「おさる・おさぁる」は「教わる=教えてもらう」という意味のおらほうの言葉です。

「後で困ンないように、先生によーくおさぁっときなイね(後で困らないように、先生によく教わっておきなさいね)」のように使います。

お便り紹介

「おさぁるを広報でおさぁり応募する」。最近方言に興味を持ち始め、広報の川柳をとても楽しみにしています。80歳を過ぎている方に聞くことがあるのですが…全然分からなくて。いろいろあるのですね(箕郷町下芝の笠原正子さん)。

「おっかく」(11月1日号)

  • おっかいて 幸せ分ける 千歳飴 (下滝町 天田 勝元)
  • 固焼きの せんべいおっかき 日向ぼこ (棟高町 岸 トヨ子)
  • 落葉焚き 焼芋おっかく もみじの手 (倉賀野町 山崎 清)
  • おっかけた 前歯に出来た 窓二つ (八幡町 須田 美千代)
  • 焼いもを ふうふうおっかき 妻と喰う (上中居町 冨所 弘之)
  • わが主張 妥協の二字で おっかけた (江木町 茂木 暘子)
  • ウメの種 おっかくつもりが 歯が折れた (倉賀野町 松村 好一)

今回のお題「おっかく」は「折る」という意味のおらほうの言葉です。「誰だい、柿の枝おっかいたのは(誰ですか、柿の枝を折ったのは)」のように使います。 「おっかいて半分食いないモロコシを」(中室田町の清水さん)のように、「割る」や「欠く」という意味でも使われます。

お便り紹介

「へっついでくわぜおっかきご飯炊く」。くわぜとは桑の木の幹や枝のことです(八幡原町の原田さん)。くわぜを火にくべて、ご飯を炊いたり風呂を沸かしたりしたのを思い出す人もいるのではないでしょうか。「風呂焚きのくわぜおっかく膝頭」(筑縄町の飯島さん)。

「とくせえ」(10月1日号)

  • 間引き菜が とくせえ入る 秋の汁 (岩鼻町 近藤 政男)
  • きんななあ とくせえ栗い 拾ったでえ (下室田町 新井 充)
  • 山菜が とくせえ並ぶ 山の宿 (飯塚町 小野寺 アイ)
  • とびっくら とくせえカメラが 走りっこ (倉賀野町 田村 勲)
  • 解禁は つり人とくせえ 魚より (江木町 茂木 富男)
  • 新米が とくせえ出来た 秋国会 (江木町 茂木 暘子)
  • ボタモチを とくせえ食って 義母帰る (倉賀野町 山崎 清)

今回のお題「とくせえ」は「たくさん」という意味のおらほうの言葉です。「とくせえナスがなったでー(たくさんナスがなりましたよ)」のように使われます。  食欲の秋。今回は、栗や新米など、食べ物にまつわる句をたくさんいただきました。「裏山の栗の実とくせいはじけてる」(八千代町の上原さん)

お便り紹介

「じぃちゃんちとくしい採れたよかぶとむし」5歳の息子と一緒に倉渕町に帰省したときの光景です。私は「たくさん」は「とくしい」と聞いて育ちました。(菅谷町の大掘さん)

「きんな・きのうな」(9月1日号)

  • 誕生日 きのうなだったと 今気付き (上大類町 新井 京子)
  • きのうなの 負けた試合で 夏終る (下佐野町 川崎 英雄)
  • きのうなの 雛鳥今日は 天空舞 (下室田町 関 芳江)
  • きんなより 伸びた気がする 孫の背 (萩原町 土田 千恵子)
  • きんなより 良くなれ選挙の あとの日が (上中居町 冨所 弘之)
  • 暑気払い きのうなやって 又今日も (飯塚町 中村 豊雄)
  • とぼけるな ちゃんときのうな ゆったんべ (宿大類町 羽鳥 冨美雄)

今回のお題「きんな・きのうな」は「昨日」という意味のおらほうの言葉です。

「きのうな榛名湖に行ったら、先生に行き会ったンさー」のように使われます。

長野や新潟でも使われているようですが、群馬県内でも東毛地区ではあまり使われないようです。

友人とご飯を食べに行ったときの話。「きのうな何食べたン?」と聞かれ、しばらく思い出せなかったことがあります 。皆さんもそんな経験ありませんか。

「きのうなの食事が言えてほっとする」(下滝町の天田さん)。

「めえっかた」(8月1日号)

  • めえっかたに いつも出たがる ガキ大将 (下滝町 天田 勝元)
  • バーゲンで 我先にへと めえっかた (下佐野町 川崎 和美)
  • 遠花火 めえっかたの家 邪魔になり (浜川町 小林 初枝)
  • めえっかた 座って手品の 種さぐる (中室田町 清水 正幸)
  • バス通勤 気になるあの娘は めえっかた (八幡町 須田 美千代)
  • めえっかたへ 陣取る孫の 運動会 (吉井町片山 広田 悦子)
  • めえっかた 成績でなく 席の順 (並榎町 荻原 英幸)

今回のお題「めえっかた」は「前の方」という意味のおらほうの言葉です。「メエッカタンチにお使いに行ってきてクンナイ(前の家にお使いに行ってきてちょうだい)」のように使われます。

お便り紹介

「めえっかた」もこの辺りでは「めっかた」と言います。渋川出身の息子の嫁は知りませんでした。方言って多彩なんですね(冷水町の依田さん)。

そのほか、菊地町の藤田さんからも「前の家」を「メンチ」と言っていたというお便りをいただきました。  「めえ」となったり「め」となったり。おらほうの言葉は、確かに多彩ですね。

「へらへーと」(7月1日号)

  • へらへーと 総理をつつく 兄弟ハト (八幡町 梅村 ヨシ子)
  • 食べ放題 メタボ忘れて へらへーと (乗附町 唐沢 貴美子)
  • へらへーと 詰め込む姿 親ゆずり (倉賀野町 田村 佐和子)
  • へらへーと 物言う人は 格を下げ (萩原町 土田 千恵子)
  • へらへーと 買ってはずれた 宝くじ (下滝町 天田 勝元)
  • へらへーと 欲かき揚句に べそをかく (棟高町 岸 トヨ子)
  • へらへーと 外語みたいと 娘言い (檜物町 三木 たみを)

今回のお題「へらへーと」は、「やたらめったら」という意味のおらほうの言葉です。島根県で話されている出雲弁でも、同じ意味で 使われているようです。

「マァーズうちの子はコマッチャクレテテ、ヘラヘートジュークべェ言うンサ(まったくうちの子はこましゃくれていて、やたらと生意気 なことばかり言うのですよ)」のように使われます。

今回は、食べ放題や詰め放題にまつわる句を多くいただきました。「詰め放題『へらへーと』押し込む主婦の欲(下室田町・関さん )」。○○放題と聞くと、つい欲が出てしまうものですよね。

「ひぼ」(6月1日号)

  • 手品だと ひぼを切ったら 繋がらず (下滝町 天田 勝元)
  • 不景気で 巾着のひぼ ぎゅっと締め (八幡町 梅村 ヨシ子)
  • 赤き糸 金婚過ぎて ひぼとなり (佐野窪町 須川 定良)
  • 靴ひぼを 結べば伸びる 背筋かな (八幡町 須田 美千代)
  • あやとりの ひぼが取り持つ バアと孫 (倉賀野町 田村 佐和子)
  • 孫はしゃぐ ひぼのポッポで 部屋めぐり (倉賀野町 中島 淳)
  • 縁むすぶ ひぼを探しに 合こんえ (江木町 茂木 富男)

今回のお題「ひぼ」は、「紐(ひも)」が転訛したおらほうの言葉です。靴ひぼやおぶいひぼ、目に見えない「赤いひぼ」にも使われます。靴ひぼといえば、子どものころ、うまく結べず苦労した思い出がある人も多いのではないでしょうか。「花結び出来てうれしい靴のひぼ」(聖石町・小林さん)

 

お便り紹介

「紐っこの芯は祖母の着れ端布」今年2月に33回忌の供養をしたのですが、押入れから30本ぐらいの紐が出てきました。祖母が縁側で一針一針縫っていたのでしょう。姿が思い浮かびます。紐は甥や姪に持って行ってもらいました(西国分町・冨澤さん)

「押さまえる」(5月1日号)

  • 押さまえて おけよお前にゃ 過ぎた嫁 (下滝町 天田 勝元)
  • 押さまえて 帰らないでと 孫の声 (上大類町 新井 京子)
  • 春風に 髪押さまえて 花見する (八幡町 梅村 ヨシ子)
  • 本人が あらわれ口を 押さまえる (聖石町 小林 千美)
  • 孫と風呂 肩を押さまえ 数かぞえ (倉賀野町 田村 勲)
  • ころびそう 我身を孫が おさまえる (上中居町 冨所 弘之)
  • 舞い落ちる 花びらそっと 押さまえる (檜物町 三木 たみを)

今回のお題「押さまえる」は、「押さえる」という意味のおらほうの言葉です。北関東では広く使われているようですよ。「そっちの端っこ押さまえててくんナイ」のよう に使われます。「ま」が「め」に変化して「押さメェル」となることが多々あります。

「押さまえる」は、ほかにも「飛び跳ねる生け簀の鯉を押さまえる(八幡町の須田さん)」のように「捕まえる」の意味でも使われます。「押さえる」に「ま」がくっつい ただけで、しっかりと押さまえ、いや「押さえる」感じがするから不思議なものです。

「せわねえ」(4月1日号)

  • せわねえと 言ったばかりに 荷が重い (上大類町 新井 京子)
  • 口ぐせの せわねえせわねえ 頼りねぇ (上中居町 女屋 定俊)
  • せわねえと 言われて呑んだ 前祝い (岩鼻町 門倉 まさる)
  • せわねえよ 一歩踏み出し 勇気沸く (塚沢中二年 高橋 茜)
  • せわないね 旦那をおだてりゃ 家事が済む (中居町 吉井 久美子)
  • せわねえよ 私がいるよと 嫁笑顔 (小八木町 吉田 斗み江)
  • O型の 友の口癖 「せあぁねぇ。」 (塚沢中二年 茂木 茉伊)

今回のお題「せわねえ」は、おらほうの言葉の中でもワリカシよく耳にする言葉ですよね。「せあねえ」「せやねえ」など、発音もさまざまです。

「せわ」を漢字で書くと「世話」となり「せわねえ」は「世話が無い=厄介な事が無い」「簡単だ」「大丈夫だ」といった意味で使われます。似たような言葉に「あんじゃあねえ」や「わっきゃあねえ」などもありますが、微妙に使われ方が違うようです。

また「せわねえ」は「せわねえと言って失敗せわあねえ(下滝町の天田さん)」のように「ヤレヤレ、しょうがないナ」というニュアンスでも使われます。

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