平成12年度のお題

なから」(4月1日号)

  • 初節句  なから待ったね  じじとばば(通町  湯島しづゑ)
  • 宝くじ  なから買ったが  福は外(飯塚町  中村豊雄)
  • けいこ事  なからでやめて  お茶にする(西横手町  小林沢枝)

「なから」は、「花粉がなから飛んでるね」など強調するときや、「今日の仕事は、なからで終わりにしよう」など大体のことを意味するときに使われます。また、強調する意味の「なから」と似た言葉で『おおか』がありますが、使用法が異なりますので、初めて使う人はご注意ください。例えば「桜がなからきれいだ」と言いますが、「桜がおおかきれいだ」とは言いません。「おおかきれいなので見とれていた」のように述語を付けて使われます。

まーず」(5月1日号)

  • 狭い道  まーず車が  多いよね(寺尾町  山口由利子)
  • 年を聞き  まーずびっくり  若づくり(上大類町  新井京子)
  • ポイ捨てに  まーず腹立つ  後始末(萩原町  土田千恵子)

「今年の桜は、まーずきれいだった」「まーず天気がよかった」など、『まーず』は、主に、程度のはなはだしいことを強調するときに使われる言葉です。また、「冬場よりも春になってからのほうが風が強いね、まーず」と話の最初や最後に用いて、全体を強調するときにも使われます。物事の最初を表したり、推量を表したりする『まず』から派生した言葉と思われます。『まーず』と『まず』の使い分けは、まーず奥が深いですね。

おっぺす」(6月1日号)

  • 古紙回収  リヤカーおっぺす  子どもたち(西横手町  小林沢枝)
  • 資源ごみ  足でおっぺし  ひもかける(石原町  永井百合子)
  • ウエストを  おっぺしながら  ズボンはく(通町  湯島しづゑ)

「おっぺす」は、押すという動作を表す言葉で、押さえつけるや押しつぶす、押し込むといった意味でも使われます。『おっぺしょす』とも言います。「押し合いへし合い」の『押しへす』が変化した言葉です。子どものころ「早く後ろからリヤカーをおっぺせ」と言われ、後ろの荷台に乗ってしまった失敗を懐かしく思い出しました。毎回たくさんのご応募をいただき、ありがとうございます。特に今号には、六十句を超える応募をいただきましたので、今号と7月1日号の2回に分けて紹介します。

「おっぺす」(7月1日号)

  • 一升餅  お尻をおっぺす  満一歳(萩原町  平井サカエ)
  • 押し入れに  つっこみおっぺす  部屋掃除(前橋市  高橋真奈美)
  • 買い物を  おっぺし昼寝  わが女房(上豊岡町  福田裕彦)
  • 資源ごみ  おっぺして出す  アルミ缶(中尾町  深澤アヤ子)
  • 砂の山  おっぺす孫の  はしゃぐ声(台町  島方キヌエ)
  • 特売場  そんなに後から  おっぺすな(新町  横山恵美子)
  • 補助をとり  自転車おっぺす  父は汗(西横手町  小林文雄)
  • 孫の手の  腰をおっぺす  心地よさ(倉賀野町  花形マスエ)

てんぐるま」(8月1日号)

  • 初孫を  てんぐるまして  遠花火(上佐野町  長井恵)
  • てんぐるま  我が子の成長  肩で知り(豊岡町  萩原トシエ)
  • 子の額  欄間にゴッチン  てんぐるま(下中居町  尾登きよみ)
  • 十五夜を  取っておくれと  てんぐるま(萩原町  土田礼子)
  • 遠き日の  父の温もり  てんぐるま(上大類町  安井初枝)
  • てんぐるま  親父の髪の毛  わしづかみ(貝沢町  高橋ミヨ)

「てんぐるま」は、肩車のこと。まつり見物の人込みで、肩に乗っていた孫に「てんぐるまじゃなくて、肩車だよ」といわれて笑っていたおじいさんを見た。

とびっくら」(9月1日号)

  • とびっくら  最後の孫に  ブイサイン(並榎町  常木俊次郎)
  • しんがりに  拍手のふえる  とびっくら(中尾町  深沢アヤ子)
  • とびっくら  先にあごだし  足が出ず(西横手町  小林沢枝)
  • 夕焼けの  影追い姉と  とびっくら(上佐野町  長井恵)

「とびっくら」は徒競走のこと。「かけっこ」、「とびっこ」ともいいます。走ることを「飛ぶ」と表現することがありますが、高崎周辺ではしばしば使われる言い回しです。「とびっくら」の「とび」は、この『飛ぶ』にあたり、「くら」は比べることを意味します。

むる」(10月1日号)

  • 雨のむる  場所を数えて  バケツ買う(西横手町  小林沢枝)
  • 雨のむる  天井板に  世界地図(上佐野町  田胡辰雄)
  • むる雨に  食器奏でる  音楽会(上佐野町  長井恵)
  • 空気むる  重きバイクに  玉の汗(上中居町  冨所弘之)
  • 古やかん  底をみがいて  水がむる(通町  湯島しづゑ)

「むる」は、「漏る」から派生した言葉で、雨漏りがすることを「雨がむる」という使い方をします。自転車のタイヤに穴が空いているときに「空気がむる」、おさな子がおしっこを我慢しているときに「むっちゃうよー」と言っているのもよく耳にします。

おおごと」(11月1日号)

  • おおごとし  建てた二世帯  嫁住まず(寺尾町  上原貞子)
  • おおごとな  可愛いけんど  孫の守り(沖町  中島隆司)
  • ものぐさな  人ほどおおごと  連発し(昭和町  岡田与佐久)
  • 太鼓腹  靴下履くのも  おおごとだ(上中居町  冨所弘之)

「おおごと」は、苦労をすることや苦労そのものを指す意味で、「荷物が重くておおごとだった」「おおごとして生きてきた」などのように使われます。「おおごと」は、最初の「お」にアクセントが付くのに対して、一大事の意味で使われる「おおごと」は、二番目の「お」に付きます。イントネーションの違いを聞き分けてみてください。

あんぴん」(12月1日号)

  • あんぴんを  買ってもらった  えびす講(上佐野町  田胡辰雄)
  • 遠き日の  あんぴん焼きし  火鉢かな(浜川町  小林初枝)
  • 田舎から  あんぴん届いて  仏にチン(昭和町  岡田与佐久)
  • あんぴんを  ほおばるほっぺも  もちの肌(上中居町  冨所弘之)

「あんぴん」は、「あんぴん餅」ともいわれ、中にあんこが入っているもちのことで、いわゆる大福餅のこと。正月用のお供え餅をつくときなどに、一緒につくります。あんぴん餅を丸めるのは、あんこが片寄ってあざのようになったり、飛び出したりして、なかなか難しいものです。焼いて食べるときは、あんこでやけどをしないように気をつけてください。

おつくべ」(1月1日号)

  • お正月  みんなおつくべ  かるた取り(椿町  永井光子)
  • おつくべに  堪えて説法  うわのそら(中尾町  深沢アヤ子)
  • おつくべで のの字を書くより 足さすり(上佐野町  小山英雄)
  • リホームで おつくべできる 部屋が消え(石原町  金子春雄)

「おつくべ」は、書き初めやかるた取りをするときなどの座り方、正座を意味します。この言葉は、群馬町、本市、吉井町より西の地域で使われるようです。おつくべをして足がしびれ、立とうとして転倒しそうになったことはありませんか。そんなときは無理に立とうとせずに、しびれが治るまで待つことです。みけんにつばを付けると痛みがやわらぐというおまじないもあります。

おっこくる」(2月1日号)

  • 木枯らしが  春風まだよと  おっこくる(上佐野町  長井恵)
  • 福袋  おっこくられて  買う騒ぎ(上大類町  新井京子)
  • 祭太鼓  仕事おっこくり  イソイソと(江木町  柳澤英子)
  • めんどうだ  このまま先に  おっこくれ(西横手町  小林沢枝)

「おっこくる」は、 ひょいと押すときのように、比較的短く押すという意味で使われる言葉です。この「おっこくる」に対して、比較的長く押すときは「おっぺす」が使われるようです。また、「苦手なことをおっこくる」のように「押し遣る・遠ざける」という意味で使われることもあります。

もちゃつけ」(3月1日号)

  • 茄子胡瓜  取れすぎもちゃつけ  おすそ分け(浜川町  小林初枝)
  • もちゃつけ  評判頑固  へそ曲がり(佐野窪町  須川定良)
  • 減反に  雑草はえて  もちゃつけ(萩原町  田口夏美)
  • 横文字の  表札増えて  もちゃつけ(飯塚町  中村豊雄)

「もちゃつけ」は、「むちゃつけ」ともいい、世話の焼ける人や手のかかることなどに使われます。「じいさんはもちゃつけだから一度言い出したら絶対曲げない」「この子はいたずら好きでしょっちゅうけがをしてくるんだから、まったくもちゃつけだな」といった使われ方をします。

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