本文
入野碑
高崎市にある指定文化財 市指定
入野碑
明治22(1889)年町村制施行の際、多比良・黒熊・小串・石神・深沢・中島・馬庭・小暮・岩井の九ヵ村を合併して入野村とした。『入野』は万葉集の歌にちなんで付けたもので、その合併を記念して『入野碑』を奥浅間の山頂に建てた。
歌は次の三首が刻まれている。
- 我が恋はまさかも悲し草枕多胡の入野のおくもかなしも(万葉集)
- 葛の葉を吹く夕風にうらふれて多胡の入野に鶉(うずら)鳴くなり(新続古今集 源秀広)
- 露深き多胡の入野の草枕ぬるともこよいまたやむすばん(夫木集・光俊朝臣)
篆額は九条道孝公(今上天皇の外祖々父)、撰文と書は金井之恭という豪華なものである。之恭は画家金井烏州の子で、朝廷方に組したとして幕府に捕らえられたが、維新後新政府に仕えて貴族院議員、日本書道会会長など、政治・文化に活躍した。
文化財情報
- 指定種別:高崎市指定史跡
- 名称:入野碑(いりのひ)
- 指定年月日:平成10年1月21日
- 所在地:高崎市吉井町黒熊 地図(地図情報システム)<外部リンク>