本文
来迎寺阿弥陀如来像
高崎市にある指定文化財 市指定
来迎寺の阿弥陀如来像
仏像をつぶさに観察すると、製作過程も知ることができます。
割った4本の木を組み合わせて仏体(ぶったい)を造り、頭部は耳の背後で接合しています。その上に麻布、漆(うるし)、金泥(きんでい)、を重ねて仕上げています。台座及び光背(こうはい)は後世に補修したもののようです。
ひらめくような衣のひだや、放射状のひだ等に宋風彫刻の影響がみられ、左足を前に出して来迎の姿をあらわし、通肩(つうけん)の納衣(のうえ)を左肩から吊(つ)ったように表現されていて、時宗(じしゅう)の様式を伝えています。
箕輪城を拠点に西上州に覇をとなえた長野氏に関係の深い善長院に伝わっていた仏像ですが、明治になり寺がすたれたので、長野業政(なりまさ)の菩提寺である来迎寺の客仏(きゃくぶつ)となって、今に至っています。寺内には長野氏累代の墓地もあり、長野氏の歴史を尋ねるのに欠かせない場所です。
高さ 77.5センチメートル
鎌倉時代
文化財情報
- 指定種別:高崎市指定重要文化財
- 名称:来迎寺阿弥陀如来像(らいこうじあみだにょらいぞう)
- 指定年月日:昭和54年3月12日
- 所在地:高崎市浜川町(来迎寺)地図(地図情報システム)<外部リンク>