長松寺の大間、向拝天井絵及び涅槃画像
向拝の天井絵
本堂の天井絵
涅槃画像
火災で焼失した長松寺本堂の再建は、寛政元(1789)年と伝えれています。
2点の天井絵は、再建時に制作し掲げられたもので、作者は狩野探雲(かのうたんうん)です。探雲は甘楽郡野上村(現富岡市野上)出身で、狩野探林の弟子として修学、幕府画所(えどころ)で15人の扶持(ぶち)をうけ、江戸城西の丸普請(ふしん)の際、その障壁画(しょうへきが)等の製作に従事した人物です。後に七日市(なのかいち)藩の御用絵師(えし)として勤めましたが、文化九(1812)年5月に88歳で亡くなっています。
天女が65歳、龍が67歳の製作で、円熟期の作品です。
構図は大胆で、筆勢は力強く躍動感があり、いずれも大作で他に例を見ないものです。涅槃図は晩年(81歳)の作で、極彩色の超大作ですが、修正加筆の跡が認められます。これらの作品は、幕府絵師の地方での活躍、信仰と奉絵、探雲研究などの基礎資料となる貴重な文化財です。
文化財情報
- 指定種別:高崎市指定重要文化財
- 名称:長松寺の大間、向拝天井絵及び涅槃画像 (ちょうしょうじのおおま、ごはいてんじょうえおよびねはんがぞう)
- 指定年月日:昭和60年2月14日
- 所在地:高崎市赤坂町(長松寺) 地図(地図情報システムを新しいウインドウで表示)