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新町諏訪神社本殿及び御宝石
高崎市にある指定文化財 市指定
あら町の諏訪神社
高崎市内でも数度に及び大火にみまわれていますが、高崎城下新町(あらまち)のこの社殿も享保14(1729)年、及び再建後の文化4(1807)年の2度にわたって火災にあっています。内陣(ないじん)の扉は立派な彫刻がほどこされていますが、火災で焦げた跡が全面に認められます。文化10(1813)年ころの社殿再建の際に、これを再利用したもののようです。
社殿は一見二層(にそう)にみえますが、実は裳腰(もこし)をつけた平屋で、軒下に直接鳥居を造りつけています。屋根は平入りの入母屋造り(いりもやづくり)で、向拝(ごはい)の上に千鳥破風(ちどりはふ)をつけた瓦葺(かわらぶき)です。
外壁は土蔵(どぞう)のような総漆喰(そうしっくい)の塗籠造り(ぬりごめづくり)で、本屋根と裳腰の間には、七賢人(しちけんじん)の手の込んだ漆喰彫刻がほどこされている他、内陣の扉、欄間(らんま)、鳥居などに見事な彫刻が見られます。裳腰の外壁の下半は海鼠壁(なまこかべ)です。
御宝石は「高崎志」によると、重さ2貫700匁(8.125キロ)の鶏卵型で、台座の重さ30貫400匁とあります。この台座は中世の宝篋印塔(ほうきょういんとう)の屋蓋(おくがい)を裏返しにして、耳を四足とし、中央のくぼみに御宝石を安置しています。
なお、新町は平成18年1月23日の多野郡新町(しんまち)との合併に伴い、あら町と表記が変わっています。
文化財情報
- 指定種別:高崎市指定重要文化財
- 名称:新町諏訪神社本殿及び御宝石(あらまちすわじんじゃほんでんおよびおたからいし)
- 指定年月日:平成2年2月26日
- 所在地:高崎市あら町 地図(地図情報システム)<外部リンク>