内閣府委託事業 高崎市市民活動モデル調査

高崎市におけるまちづくり協働事業の検証と評価の概要

調査の目的

市民主体で実施してきた行政との協働事業について、これまでの成果、事業体制、コストパフォーマンス等に関する評価と課題の抽出を行うとともに、今後の支援方策の方向性を検討することを目的とする。

調査の方法

本調査の対象とする協働事業については、以下のとおり、「エリア型協働事業」と「テーマ型協働事業」の2種類に分けて、事業主体の代表者に対するヒアリング等に基づく調査を実施した。

1 エリア型協働事業

小学校区(行政区)など一定の地域を活動の場に、市民と行政が協力して地域の多様な公益課題に取り組む事業。本調査では、地域住民が自主的に企画立案して実施する事業で、これに対し、高崎市が事業費の一部を助成し、地区公民館が事務支援を行う「地域まちづくり事業(計32地域)」を対象とした。

2 テーマ型協働事業

特定分野や特定課題に焦点を当てて全市的に組織・活動している事業。本調査では、「高崎映画祭実行委員会」、「高崎マーチングフェスティバル協会」、「特定非営利活動法人『時をつむぐ会』」の3団体が主体的に実施した事業を対象とした。なお、高崎市はこれらの団体の事業に対し助成を行った。 また、本調査を進めるに当たっては、有識者からなる「高崎市市民活動モデル調査検証委員会」を設置し、上記の各事業に関する調査結果を分析・検討した。

調査結果

本調査は、「エリア型協働事業調査」と「テーマ型協働事業調査」の2つの調査結果の紹介等から構成される。以下はその概要。

1.エリア型協働事業調査の結果概要

(1)「地域まちづくり事業」に共通する自己評価と課題

  • 32地区のうち28地区では、設定した事業目標をほぼ達成できたと自己評価。
  • 協働事業のメリットとして、自分たちの地域は自分たちで作るという意識の芽生え、地域各層の交流・コミュニケーションの拡大・定着、事業実施における住民らしい柔軟性の発揮などを指摘。
  • 事業体制について、地域住民で組織する実行委員会が主体で、公民館(行政)が補完するという役割分担は望ましい形であると評価。
  • 「地域まちづくり事業」は、地域住民の参加は多いものの、地域外の住民の参加は少ない状況。
  • 課題として、特定の人に過度の負担をかけない仕組み、ノウハウの蓄積・普及の必要性を指摘。

(2)「地域まちづくり事業」のコストパフォーマンス

  • 32地区のうち29地区において、地域住民が事業内容を「高く評価」又は「まあまあ評価」しており、地域住民の評価は高い。
  • 「予算は十分か」との質問に対する事業主体の回答を、一人当たりの事業費及び助成金の規模で比較したところ、「1人当り事業費が300円前後、助成額が100円代後半」が「(予算が)十分」グループの数値目安となっていることが判明。一方、「どちらかと言うと十分」グループは「十分」グループの数値の約2倍、「どちらかと言うと不十分」グループは事業費に比べて助成率が低いこと、「不十分」グループは全体的にコスト割れが懸念されるほど、一人当たりの事業費及び助成金が低額になっていることが分かった(下図:予算の充足度と参加者1人当り事業費・助成費との比較を参照)。

予算の充足度と参加者1人当り事業費・助成費との比較

【単位:円】

(3)支援方策の方向性

  • 現行では1地区あたり30万円という固定額での助成を実施しているが、収支規模等に応じた弾力的助成は財政支援の有効性を高める。
  • 地域住民の一層の主体性確保と事務能力向上のため、次の2点が行政の課題。
  1. 地域住民の事務・経理能力を向上させる研修の実施
  2. 事業の企画立案、実施・検証等の参考事例や助成に関する情報の提供。

2.テーマ型協働事業調査の結果概要

(1)3団体による事業評価と課題
(高崎映画祭実行委員会)

  • 行政と事業実施団体との役割分担等、協働体制は適正である。

(高崎マーチングフェスティバル協会)

  • 自ら参加し楽しむまちづくり運動としての成果は定着しつつある。今後は教育現場等の多様な主体と一層の協働推進を期待している。

(特定非営利活動法人「時をつむぐ会」)

  • 事業達成感は高く、財政支援に加え、会場が優先的に確保できていることの協働効果も高く評価。ただし、市民の間に「見る」ことには積極的だが「事業を行う」ことには消極的という変化を指摘。

(2)テーマ型協働事業のコストパフォーマンス

(高崎映画祭実行委員会)

  • 総事業費、助成金額、受益者(映画鑑賞者)数については、各年度のばらつきは少なく安定している。
  • 受益者1人当りで見ると、事業費は半額が助成(高崎市3割、県教委2割)、受益者負担(入場料)3割、協賛金その他2割という構成である。
  • 入場料および発足当初から映画祭を都市政策に位置づけている点から見て、受益者1人当り事業費、半額助成という金額と構成は、適正と見られる。

(高崎マーチングフェスティバル協会)

  • 総事業費、助成額、受益者(バンド参加者)数について、事業が始まった当初(平成2年)と比較して、現在は倍増以上になっている。
  • 受益者1人当りの事業費および助成額について、発足当初の3年間平均と直近2年間平均を比較すると、横ばいないし下がり気味である。

(特定非営利活動法人「時をつむぐ会」)

  • 市が直営事業として実施した展覧会の数値と比較した。時をつむぐ会主催の展覧会のほうが、市直営の展覧会に対して、受益者(入場者)負担が大きいにもかかわらず、展覧会期間中の受益者総数で3倍から6倍、1日当り受益者数で2倍から3倍あり、受益者一人当たりの市の負担額が低く抑えられている。

(3)支援方策の方向性

(a)個別事業支援の方向性

  • 支援育成対象とする基準として「事業理念と公益性」の共有が重要。
  • 財政支援は、事業費、受益者数、ボランティア数等の基礎データを踏まえるとともに、今回の調査対象事業のコストパフォーマンスを目安にして助成先及び助成額・助成比率を決定。
  • 会場等の活動の場の優先的確保は市の役割として重要。
  • 新たに意識すべき支援内容として行政各部局の連携が不可欠。

(b)自立性向上支援の方向性

  • 事業の企画立案、実施・検証等の参考事例や助成に関する情報の提供。
  • ボランティア等人材育成研修の実施。

調査の活用方法

市の市民活動促進のため、市施策検討の基礎資料として活用。

このページの担当

  • 企画調整課
  •  市民公益活動促進センター
  • 電話:027-329-7116
  • ファクス:027-372-3121