ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > まちづくり > 景観・屋外広告物 > 景観 > 第7回たかさき都市景観賞

本文

第7回たかさき都市景観賞

ページID:0005327 更新日:2023年12月18日更新 印刷ページ表示

建築物等・まちなみ部門

あらいキンダークリニック

あらいキンダークリニックの外観

所在地

下中居土地区画整理地内34街区

所有者

新井 英夫

設計者

石川 恒夫

施工者

(株)林藤ハウジング

選考理由

下中居土地区画整理地内の住宅が建ち並びつつある一角に、平成13年に建てられた木造平屋の小児科医院。オレンジ色やクリーム色の暖色系の色に塗られた外壁、丸い窓、円錐形の屋根、木製のパーゴラ等、大変明るく楽しい景観をつくり出しており、通院する子どもの心を自然に明るくするような雰囲気にあふれている。又、高さを低く抑えた塀、前庭に植えられた樹木や花が通りを歩く人々に対して開放感や潤いを与えている。さらに建築物の構造材や内装材に県産材スギを多用し、又屋根一面にセラムという植物を植える等、様々な点で環境に対する配慮も行っている。
この作品は、全体としてこの地域の中に大変温かみのある一角をつくり出すことに成功しているとともに、環境に対して積極的な提案をしている建築物としても注目される。

山田邸

山田邸の外観

所在地

倉賀野町1996

所有者

山田 誠一

設計者

(株)石井デザイン事務所

施工者

(株)渡新工務店

選考理由

旧中山道倉賀野宿街道沿いには、間口が狭く奥行きの長い敷地が多いが、この山田邸もそんな縦長の敷地に建てられた切妻型の屋根を持つ木造二階建ての二世帯住宅。完成は平成9年。通りに面した切妻型の仕上げは、小屋組みを表しにしたり、白壁や格子状のデザインを施したり、伝統的な建築物のモチーフを使いながらも、全体としては大変洗練された現代的で軽快なデザインとなっている。又、前庭を広くとり、そこに樹木や花が多く植えられ、通りに対して明るさや潤いを与えてくれるとともに生活感あふれる景観を創り出している。全体として伝統に配慮しながらも、それを現代のデザインの中に活かした、新しい町家建築を提案している。

ひびき橋

ひびき橋周辺の景観

所在地

寺尾町地内

所有者

高崎市

設計者

(株)高崎測量

施工者

井上・岩井・東鋼JV

選考理由

白衣大観音と染料植物園を結ぶ、高崎市で唯一の現代的な吊橋で平成10年に完成した。周辺の自然景観に配慮されたデザインで、高欄や床版には木材を使う一方、赤く塗られた支柱が周囲の緑に対してアクセントにもなっている。又、染料植物園側からの橋へのアプローチの木道は自然の斜面を壊さないようにと設けられたもので、この木道の床版も橋の床版と同じくボンゴシという約20年もつといわれる木が使用されており、自然を満喫しながらリズミカルな音をたてて歩く遊歩道として市民から愛されている。橋からの眺望もすばらしく、観音山遊歩道や染料植物園を訪れる人が必ず立ち寄るところである。観音山の自然環境との調和やその保全を考えた土木構造物として、又市民に愛される高崎市のシンボルとして大切にしていきたいものである。

テーマ部門(歴史的建築物等)

浦野邸

浦野邸の外観

所在地

上豊岡町325

所有者

浦野 千代子

選考理由

大正12年に完成した入母屋造りの養蚕農家住宅。その堂々とした姿は環状線からも眺めることができる。敷地内にはこの主屋のほか馬屋や2つの土蔵も当時のまま残されている。主屋の妻側や軒下の一部は漆喰で仕上げられ、特に軒下の両側には漆喰による見事なレリーフが施される等、この建物にかけた職人の心意気を感じとることができる。主屋の一階はほぼ当時のままであるが、二階の蚕室は現代的なデザインに変えられ、フォトギャラリー「遊々舎」として、公開されている敷地内の庭園も含め、全体として大変手入れが行き届いており、住人のこの建物等への愛情を十分感じることができる。この地域の昔の風景を残すものとして貴重な存在であるとともに、歴史的建築物等が継続的な維持管理によって良好な保全・活用がなされている例として、先導的な存在である。

佐野邸

佐野邸の外観

所在地

南大類町66

所有者

佐野 一郎

選考理由

市道南八幡・京ヶ島線を国道354号交差点から北に向かうと、左側に養蚕農家住宅が数多く建ち並ぶ一画があるが、その中でもこの佐野邸は大規模なものとして遠くからでも目立つ存在である。今から80年位前に完成したもので、かつて質業、製油業も商っていた頃には土蔵が4棟立ち並んでいたという。敷地内にはこの主屋のほかに、歴史的風情あふれる門や屋敷林も当時のまま残されており、長い年月をかけてすっかり周囲の風景に溶け込んだ、歴史の重みを感じさせる景観を形づくっている。又、現在でも養蚕を行っており、完成当時の生活・文化がそのまま残されている点でも大変貴重な存在といえる。

長野堰円筒分水

長野堰円筒分水の景観

所在地

岩押町地内

所有者

長野堰土地改良区

設計者

群馬県農政部農村整備課

施行者

(株)川崎工務店

選考理由

烏川から取り入れ、高崎市を潤しながら、再び烏川に戻す長野堰用水は、途中多くの地域に分岐している。この分水はかつて水争いのもととなったという。これを動力を一切使わず、サイホンの原理や自然の落差を利用して、一挙に適正に分水するという、先人が考え出した英知あふれる土木構造物がこの長野堰円筒分水である。完成は昭和37年。この構造物には、その特異な形態がかもし出す美しさと迫力、そして中心部の円筒構造物から流れ出る多彩な水の流れゆえに思わず立ち止まって見とれてしまう、そんな人をひきつけるものがある。地域のシンボル的景観として、又高崎市が誇る近代化遺産として広く市民に知らせ、そして長く後世に残していきたい貴重な存在である。

観音山慈眼院一路堂

観音山慈眼院一路堂の外観

所在地

石原町2710-1

所有者

慈眼院

設計者

水原 徳言

施行者

長壁建設(株)

選考理由

高崎市出身で、昭和の良寛といわれ、多くの書画を残した、故馬場一路氏を偲び、観音山慈眼院東の石段を降りた傾斜地の一角に、約30年前に建てられた講堂で、馬場氏の書画が常時展示されている。日本瓦葺き寄せ棟造りの重厚で上質な建築物で、西側の玄関前には太い柱列が並び、日本古来の寺院建築を思わせる見事な表現となっている。又、観音山の自然の中に溶け込み、周囲の庭園とともに、訪れた人々に静けさと落ち着きを感じさせる。観音山の自然につつまれたこの一路堂は観音山の自然環境、高崎白衣大観音とともに、是非後世に残したいものである。

大山邸

大山邸の外観

所在地

倉賀野町2011

所有者

大山 隆子

選考理由

旧中山道倉賀野宿のほぼ中央に位置するこの建築物は、75年前に同じ倉賀野町地内から現在の地に曳き家されたもの。かつては大黒屋という屋号を持つ、穀物を商う商家であったが、現在は一般住宅として使われている。旧中山道の通りに面した主家は、堅牢な造りで、ケヤキを使った太い柱や梁等はほとんど歪みもなく、むしろ年月とともにますます風格を増し、今もなお豪壮な瓦屋根をしっかりと支えている。又、この主屋の西側の細い路地はかつて東中里、大類方面へ向かう重要な道であったが、これに面した主屋の壁やそれに続く塀、屋敷蔵の壁には、現在の倉賀野町には大変少なくなった、なまこ壁が連続して使われ、通りに昔ながらの懐かしい独特な雰囲気を与えている。この大山邸は、旧倉賀野宿の歴史を物語る倉賀野町のシンボルとしてまちの人々に親しまれている。

活動部門

高崎市立矢中中学校(ペチュニア栽培活動)

ペチュニア栽培活動の様子

所在地

矢中町700-1

代表者

学校長 中島 恒雄

選考理由

「ペチュニア栽培」の活動は、開校以来16年の歳月をかけて全校で取り組んできたもので、その具体的な内容としては、1年を通じて生徒全員で種蒔き、定植、植替え、水遣り、剪定、プランターの交換を行っている。特に水遣りについては春休み、夏休み、冬休みの期間中も交代で行い、1年中校内に花が絶えないようにしている。又、このようにして栽培されたペチュニアの花が、ベランダに置かれた300鉢のプランターで咲き誇る光景は、年間を通じて、地域の人たちにも親しまれ、地域全体のシンボルとなっている。さらに近年は、地域の主要な施設にも、ペチュニアの花をプランターごと配布する等、地域全体の景観づくりにも積極的に取り組んでいる。美しい花に囲まれた景観の中で暮らしていくことで、子供の気持ちも安らぎ、又お互いの慈しみも生まれてくることを期待しているというこの活動は、景観の大切さを子供の頃から自然に身につけさせるという点ですばらしい活動といえる。

(社)群馬建築士会女性委員会西毛ブロック高崎部会

活動の様子

所在地

八千代町3-6-15

代表者

部会長 三村 利美

選考理由

平成3年に発足した団体。会員数は40名。女性の視点からまちや建物等を見つめ、発足以来、プロフェッショナルの建築集団として高齢者にとっての安心・安全環境についての調査・研究等独自の研究活動を行うほか、住宅相談会や住宅改良相談会への参加、中心市街地における駐車場の数と空洞化の実態調査、景観まちづくり講演会への協力等、行政との連携にも積極的に取り組んでいる。現在も、月1回の定例会や月2、3回の勉強会や調査を行う等、継続的かつ活発な活動を続けている。今後はさらに、子供たちにとっての安心・安全環境についての調査・研究も行っていく予定とのこと。女性のもつ細やかな視点に立ち、まちづくり活動を着実に行っている団体として今後の活躍がますます期待される。