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第8回たかさき都市景観賞

ページID:0005339 更新日:2023年12月18日更新 印刷ページ表示

建築物部門

高崎信用金庫倉賀野支店

高崎信用金庫倉賀野支店の外観

所在地

倉賀野町1077-11

所有者

高崎信用金庫

設計者

(株)柴田建築設計事務所

施工者

(株)研屋

選考理由

倉賀野町は江戸時代、中山道の12番目の宿場町として栄えたところで、現在も当時の面影をしのばせる建物がまだ多く残されている。
この高崎信用金庫倉賀野支店は、そんな歴史的な雰囲気に合わせてデザインされ屋根を切妻造瓦葺、外壁を漆喰風に仕上げ、さらに腰の部分に御影石を使っている。
地域の景観に調和し、さらに一層地域の景観を高めるようにと金融機関の建物としては思い切ったデザインを採用しており、地域と共にある企業の建築物のデザインのあり方について、ひとつの方向性を示した作品として注目される。

てんまり屋

てんまり屋の外観

所在地

浜川町2314-7

所有者

小野関 多吉

設計者

小林一元建築設計室

施工者

四季のすまい(株)

選考理由

榛名山を背に、田園風景広がる農村集落の中に建てられた、衣料品を扱う店舗併用住宅。
建築主の「古くてよいもの」を使って、「新しいもの」を造りたいとの希望を実現するため、宮城県にあった約120年前に造られた民家を譲り受け、民家再生工法によって建築された。
建物の素材の大部分は当時のものを使っているが、現代の新しい生活にも合うような改良もしており、今回、新たに加えた材料もある。しかし、それらの材料についても全て環境に負荷を与えず、最終的には土にかえるものを使用している。
周囲の田園風景に調和するように、形態・意匠、そして仕上げの材料にも十分配慮なされた優れた建物として評価できる。

花扇2002

花扇2002の外観

所在地

上中居町221-3

所有者

川久保 紀子

設計者

徳井正樹建築研究室

施工者

(株)数寄屋建設

選考理由

高崎駅東口を東に向かい、環状線に突き当たる手前、道路に面した狭い三角地に建てられた、ギャラリー、フラワースクールを併せ持つ生花を扱うお店。
大きくとられたガラス面、白い壁からなる壁面、瓦職人が特別に制作した瓦を使った寄棟風の大きな屋根、またその上の飾り窓などで構成された当店は、とても狭い三角地に建てられているとは思えないほど、完成度が高いデザインとなっている。
また、材料本来の持つ素材感を活かした落ち着いた仕上げとなっているため、建物前面に植えられている植栽や街路樹と見事に調和している。
特に店ということが一目でわかる看板や広告文字があるわけではなく、店というより、むしろひとつの芸術作品としてのよさが素直に感じられる建物で、和風を基調としながらも軽快さ、優しさを感じさせる洗練された明るい現代的なデザインになっており、この通りの景観の向上に寄与しているといえる。

テーマ部門(魅力的なしつらいを持つ店舗)

F-BASE

F-BASEの外観

所在地

八島町29-11

所有者

(有)フルヤ

設計者

とふう(株)

施工者

(有)みかづき店舗設計事務所

選考理由

高崎駅西口の駅前通りから東二条通りを少し北へ入ったところに建つ、若者向けの洋服を扱う2つの店舗が入った建物。当店は無個性な四角い建物が建ち並ぶ中心商店街にありながら、木造で切妻づくりという個性的な外観となっている。通りに面した部分については柱を残し、壁面を後退することによってオープンスペースをつくっている。またこげ茶色の構造材に対し、壁の部分に美しい黄色を、階段及び通路に白色を使うことでアクセントとし、さらに開口部を大きくとり、室内の華やかなしつらいを外に見せている。その他、黄色の壁面に控えめに設置された白い広告文字、シックなバナー、南側の通路に沿って植えられた樹木、そして壁面を照らすように設置された
照明、大きくとられた開口部から洩れる室内照明等は昼夜間を問わず、通りの景観を大変魅力あるものにしており、今後の店舗デザインのあり方のひとつの模範となっている。

豊田屋旅館

豊田屋旅館の外観

所在地

八島町68

所有者

園原 敏子

設計者

アーバン環境研究所(有)

施工者

竹中組(株)

選考理由

かつて高崎駅の前には多くの旅館が軒を連ねていた。その中で、豊田屋は唯一、昔の趣を残す老舗の旅館として、多くの人々に知られていた。しかし昨年度、土地区画整理事業を機に移転・改築工事を行い、旅館及び割烹料理店としてリニューアルオープンした。改築前も歴史的雰囲気がよく残されていたが、これまでの何回の増築工事より全体的な統一感に欠ける所もあった。これを今回全ての建物の外壁に白い漆喰風の仕上げを施し、また以前には無かったなまこ壁の腰を設けることで、全体を引き締め、統一感を生み出した。古くからある建築物をただ単にそのままのこすのではなく、それに調和する新しい部分も取り入れながら、歴史的な要素をしつらいとして活かすことで、店舗としての価値を一層高めた優れた例といえる。

洋菓子ミリオン

洋菓子ミリオンの外観

所在地

中居町4-30-7

所有者

長井 健治

選考理由

中居緑地の南端に近い住宅街の角地に、緑地に沿って建っている洋菓子店。
敷地内の豊富な植栽や街路樹を上手に利用して、季節ごとに潤いのある楽しい空間を演出している。これとレンガで仕上げられた建物、店内に飾られたおしゃれな洋菓子が一体となり、夢のある景観を創り出している。自然の要素を店のしつらいに上手に使い、成功した例といえる。
建物としては新しい建物ではないが、何回かの改装を経て現在の建物になっており、時を重ねることで、周辺の住宅街に違和感無く溶け込んでいる。
美しい景観は最初に一度つくられればそれで感性ということではなく、その後の日常的な努力の中で、さらに美しくなっていくものだということを示す代表的な例といえる。

活動部門

平野 博司

平野博司さんの写真

選考理由

自ら建築技術者として建設業に携わってきた経験と持ち前の学究的意欲により育まれた専門的知識を活かして、平成5年度から日本製粉高崎工場本館や高崎市役所旧庁舎等をはじめとして、高崎市の歴史的建造物の調査、研究を続けている。またこれがきっかけとなって旧井上邸の見学会が開催され、この建物の再評価につながったといえる。
また、並行して、古い建造物を高崎市民新聞の「訪古知今」等で紹介するとともに、実際にそれらを自ら「歴史的建造物の案内人」として、高崎市の「景観めぐり」等で市民に積極的に紹介し、その価値を知らせる啓蒙活動をしている。
高崎市の歴史を物語る価値のある古い建造物がいつのまにか無為に解体されてしまう運命にある中、これらを残そうと市民に訴える活動は、高崎市にとって貴重な存在といえる。