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第10回たかさき都市景観賞
建築物等・まちなみ部門
学校法人満勝寺学園長野幼稚園
所在地
北新波町197-6
所有者
学校法人満勝寺学園
設計者
株式会社建築計画研究所 都市梱包工房
施工者
株式会社清水
選考理由
郊外に建つ木造2階建ての私立の幼稚園。
周辺の景観と調和すること、子供のスケールに合わせることをテーマとしているため、建物を分節化し、外壁を腰の部分や開口の部分に分け、別々の材質を使う等できるだけ周辺環境及び、そこで生活する子供達に威圧感を与えないように注意深くデザインされている。
又、外構部分については、扉を木、塀をコンクリート打ち放しとし、素材感を生かす仕上げとなっているが、そこにも見事なデザインが施されており、単調さを防ぎ、且つ建物にも見事に調和している。
全体として周辺の景観に注意深く配慮しながらも大変質の高いデザインが施されている。
ギガテック株式会社
所在地
下大島町625
所有者
ギガテック株式会社
設計者
株式会社始原社
施工者
清水建設株式会社
選考理由
この建物は高崎市内で一番新しい工業団地「下大島工業団地」の中にあって、デザイン、材質等に工夫を凝らし、工場の建物とは思えない程、素晴らしい空間をつくり出すのに成功している。さらには、時計塔、照明灯のデザインにも目を見張るものがあり、敷地内をトータルにデザインしているのがよくわかる。
又、敷地境界に塀を設けず、敷地全体を開放的なものとし、敷地内の緑化にも積極的に取り組んでいると共に、今日的な課題である環境問題に対しても、太陽光発電や屋上緑化の導入等、積極的に取り組んでいる。
全体として工場としての機能だけではなく、人間が働く場としての機能も大切にしており、今後の工場の見本となるものといえる。
高崎の町家―木暮邸
所在地
竜見町106-1
所有者
木暮 克巳
設計者
早稲田大学入江正之研究室+DFI
施工者
建築舎四季株式会社
選考理由
昔の宿場町に見られた格子や卯建を持つ町家のデザインを現代的なデザインの中にうまく活かした例といえる。
景観上は、道路側の壁面や屋外設備を覆う木製の格子が建物のファザードを整え、且つ現代建築の持つ冷たさを和らげており、建物の前に植えられたシンボルツリーと共に、通りに潤いを与えている。さらに、駐車場が舗装でなく砂利敷きになっているのも好ましい。又、建築物単体のデザインとしても、雨樋の扱い方に工夫が見られる等、細部までよく考え抜かれたものとなっている。
全体として、現代的なデザインの中に伝統的な要素を見事に生かした、大変質の高いデザインの建物といえる。
テーマ部門「保存・再生・活用」
ギャラリー棗・きもの彦太郎
所在地
檜物町13
所有者
平野 光代
設計者
株式会社柴田建築設計事務所
施工者
株式会社富田屋
選考理由
昔、この周辺は職人町として栄えたところ。
この地に古くからあった店と蔵が、区画整理事業によって曳き移転をし、用途を米穀店からギャラリー・喫茶室そして和装店に変えて残された。
屋根や外壁は新しくした部分もあるが、基本的に以前のデザインを大切にし、それを活かしたものとなっており、京都の町家を思わせる気品のある店と重厚な感じを漂わせる蔵が、新しくデザインされた明るい通りの中で唯一歴史の重みを感じさせる素晴らしい存在感を持って建っている。
又、昔の瓦が全面の右側にさりげなく設置された腰掛の後ろにオブジェとして使われているのもうれしい限り。
真に愛着と誇りの持てるまちづくりの条件とは、このようにどこかに歴史的な連続性を持っていることではないかと思われる。
ブティック&カフェ十一屋本店
所在地
歌川町7
所有者
清水 正道
設計者
株式会社マイズ・ワン
施工者
小野里工業株式会社
選考理由
今にも崩れそうだった土蔵をあえて壊さずに一部鉄骨造とし、用途をブティック、カフェそして集会所、ギャラリーとして再生したもの。建物のデザインとしては、歴史的なものと新しい感覚が融合しており、1階の内部はモダンなブティックとカフェに変えられているが、2階は一室で地域のサロンあるいはギャラリーとして、昔から豪壮な屋根を支えてきた、木造の小屋組を活かしたものとなっている。
又、前面の庭がきれいにデザインされており、可愛らしい植栽帯やベンチ等が設けられている。
全体として、とかく暗くなりやすい蔵のイメージを、楽しく明るいものに変える事に成功した見事なデザインで、土蔵の再生活用例としては代表的なものということができる。
矢島邸
所在地
倉賀野町1815
所有者
矢島 治夫
選考理由
矢島邸の中心となる屋敷蔵は、江戸時代に倉賀野の中山道沿いにあったもので、大正元年にこの地に曳き移転をし、その際、あわせて増築をし、現在の形になっている。江戸時代の面影は奥の蔵部分の屋根、奥の間、廊下、引き戸、襖、梁等に今も残り、その風格と気品の高さを感じる取ることができ、毎年少しずつ手を加えることによって、現在のような素晴らしい雰囲気を漂わす建物となっている。敷地は約2,000坪と広く、周りは豊かな森となっているが、その中に竹林や花畑そして東屋が整備されており、お茶会や花菖蒲の観賞、バードウォッチングに訪れる市民も多く、人気の場所となっている。今後とも末永く残していって欲しい空間がここにはある。
吉井邸
所在地
上中居町249
所有者
吉井 巌
設計者・施工者
株式会社七五三木建設
選考理由
上中居町にある大きな屋敷地を持つ農家。今年、以前からあった主屋を、屋根や構造体をそのままにして改修をした。外部はできるだけ以前と同じデザインとし、今まであった入母屋造りの豪壮な屋根によくマッチしたものとなっている。一方内部は今までとは違って現代の生活にマッチするように改装されているが、それもこの建物の構造をうまく活かした質の高いデザインとなっている。今回の改修によって、この木造の建物はさらに100年位はこの地に存在感を持って在り続けることと考えられ、スクラップアンドビルドからストックの時代への変換という、今日的な課題にも十分対応した素晴らしい作品ということができる。
活動部門
東部商工振興会青年部まちづくり研究会
代表者
岸 義將
選考理由
この会の発足は、平成11年で、現在の会員数は25名(内女性5名)。活動目的としては、東部地区の活性化と子供からお年寄りまでが安心して暮らせるまちづくりを目指しており、活動内容としては、月1回の検討会、年2回の活動報告を兼ねた、まちづくり新聞「くじら森」の発刊、「まちづくりワークショップ」、「くじら森親子祭り」、「くじら森セミナー」の開催の他、公園の美化活動、道路や土手の清掃活動を行っている。また、今後の活動としては、井野川の土手に花を植えること、サイクリングロードの美化活動、その他伝統芸能の「獅子舞」の保存等、地域独自の景観の維持、保全、向上に努めようとしており、大いに期待できるグループといえる。