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ポリオ(急性灰白髄炎)
ポリオについて
ポリオは「小児まひ」とも呼ばれ、日本でも1960年代までは流行を繰り返していました。予防接種の効果により国内では1980年を最後に野生のポリオによる自然感染の報告はされていません。しかし、現在でもインドやパキスタンなどの国々で野生のポリオウイルスによるポリオの発生がみられています。日本でも、免疫を持たない人が増えると流行してしまう恐れがあります。
口から入ったポリオウイルスは咽頭や小腸で増え、便中に排泄されます。再びヒトの口に入り免疫を持っていない人の腸内で増え、ヒトからヒトへ感染します。ポリオウイルスに感染しても、ほとんどの場合は症状が出ませんが100人中、5から10人は、かぜ様の症状があり、発熱や頭痛・吐き気などが現れます。また、感染した人の中で約1,000から2,000人に1人の割合で手足の麻痺を起します。
ポリオワクチン
ポリオの予防接種は、平成24年9月1日から不活化ワクチンです。
生ポリオワクチンは、経口接種(口から飲む)で合計2回の接種ですが、不活化ポリオワクチンは皮下注射で合計4回の接種となり、接種方法や接種回数が異なります。
不活化ポリオワクチンは、経口生ポリオワクチンに比べると血中の抗体が低下するのが早いとされています。また、腸管での免疫の誘導が行われないため、不活化ポリオワクチンで十分な免疫効果を与えるには生ポリオワクチンに比べて、多くの接種回数が必要です。しかし、生ポリオワクチンによって、ごく稀に発生する麻痺の副反応の心配がないという利点があります。また、三種混合ワクチン(DPT)等の他の不活化ワクチンと混合(4種混合)できるという特徴もあります。四種混合ワクチン(三種混合:ジフテリア・百日咳・破傷風+不活化ポリオ)は、平成24年11月1日から定期予防接種に導入されています。四種混合の対象者は、原則として三種混合ワクチンも不活化ポリオワクチンも一回も接種したことがない人が対象となります。
ワクチンの副反応について
主な副反応として、接種部位が赤くなったり、腫れたり、痛みが出ることがあります。発熱が見られることもあります。
また、極めてまれにアナフィラキシー様症状やけいれん等の症状が出ることがあります。症状がひどかったり、長引くような時は、早めに医師にご相談ください。
もしもワクチンによって健康被害が起こってしまった場合は
対象者
生後2か月から90か月(7歳6か月)に至るまで
※令和5年4月1日から、対象者が「生後3か月」から「生後2か月」に変わりました。
標準的な接種期間
1期初回接種:生後2か月から生後12か月に達するまでの期間
1期追加接種:1期初回接種終了後12か月から18か月に達するまでの期間
※令和5年4月1日から、1期初回接種の標準的な接種期間が「生後3か月」から「生後2か月」に変わりました。
接種方法
不活化ポリオワクチンは、合計4回(初回接種3回、追加接種1回)の皮下注射の接種が必要です。
生ポリオワクチンを1回受けた人
生ポリオワクチンの1回分を不活化ポリオワクチンの初回接種を1回受けたものとみなします。そのため、残り3回の接種が必要です。
(注意)生ポリオワクチンを2回接種した人は、不活化ポリオワクチンを接種する必要はありません。
生ポリオワクチンを受けていない人
不活化ポリオワクチンを合計4回接種します。
接種間隔
- 1期初回接種:20日から56日までの間隔をおいて3回注射(当分の間は、56日以上でも可)
- 1期追加接種:1期初回接種終了後6か月以上の間隔をおいて1回接種
※平成24年9月1日の導入時点では、4回目の追加接種は定期接種対象外でしたが、平成24年10月23日付で定期予防接種として導入されました。
厚生労働省リーフレット「どうすればいいの?ポリオワクチン。」(PDF形式 827KB)
接種に必要なもの
- 予診票
- 母子健康手帳
- 健康保険証
- 福祉医療費受給資格者証
※不活化ポリオの予診票をお持ちでない人は、市内の実施医療機関に置いてあるものをご使用ください。
実施医療機関
実施医療機関以外(市外・県外)での接種を希望される場合は、下記までお問い合わせください。
ご不明な点や、接種をご希望されるかたは、実施医療機関または高崎市保健所保健予防課・各地域の保健センターにご相談ください。
関連情報リンク
- 厚生労働省 予防接種情報<外部リンク>
- 国立感染症研究所 予防接種情報<外部リンク>