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自然を染める サワフタギ

ページID:0004128 更新日:2024年2月15日更新 印刷ページ表示

サワフタギの写真

サワフタギ

山地、特に谷間や湿地に多い。葉は互生して倒卵形、両面ともざらざらした毛がある。5~6月に白い小さな花をつける。よく枝分かれして、沢を覆うようになることからサワフタギの名がついた。

説明

草木染には、繊維と色素を結びつけ、色を定着・発色させる「媒染(ばいせん)」という工程があります。媒染には、アルミ媒染の「みょうばん」や鉄媒染の「おはぐろ液」、灰汁(あく)媒染の「灰汁」などの媒染剤を使います。草木染では、これらの媒染剤に含まれる金属の成分によって、同じ染料で染めても色が変わるという楽しみがあります。
ツバキやヒサカキ、サワフタギなどの枝葉を燃やした灰には、アルミ成分が多く含まれていて、古くから紫根染や茜(あかね)染を行うときに灰汁媒染の媒染剤として使われてきました。
万葉集には「紫は灰さすものぞ海石榴市(つばいち)の八十(やそ)の衢(ちまた)に逢(あ)へる子や誰(た)れ」という歌があります。この和歌からも、紫根染の媒染にツバキの灰が使われていたということがうかがえます。

秋田県鹿角(かづの)地方に古くから伝わる紫根染や茜染には、サワフタギの灰汁が使われていました。サワフタギから灰を作るときに、季節や部位、燃やすときの温度などで、灰のアルカリ度や含有金属の量が異なります。かつて鹿角地方では、少しでも品質の良い灰を使うため、専門の灰作り職人から買い求めたということもあったそうです。

鹿角紫根染大桝絞り布団地の画像
鹿角紫根染大桝絞り布団地