自然を染める
皆さんは草木染で染めた服や布を見たことがありますか。「なんとなく地味な色、合成染料のようにたくさんの色がない」と思っている人もいるようですが、そんなことはありません。草木染で染めた色には、たくさんの色があります。
草木染では、草や木の葉、枝、樹皮、根などを煮出して染液を作り、糸や布を染めます。このとき「媒染(ばいせん)」という、植物の色素と繊維との結び付きを強めたり、発色を良くしたりする工程があります。媒染剤の種類を変えると同じ植物で染めても色が変ります。
また、同じ植物でも採取した季節によって染め上がりに差が出ます。異なる植物を使って染め重ねるとさらに色の世界が広がります。