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ダニが媒介する感染症に注意しましょう
野外作業や農作業、レジャー等でマダニやツツガムシといったダニが生息する森林や草むらに入ると、これらのダニに咬まれることがあります。ダニがウイルスや細菌など病原体を保有していると、咬まれた人が「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」、「つつが虫病」、「ライム病」、「回帰熱」、「日本紅斑熱」、「ダニ媒介脳炎」などの感染症を発症することがあります。
すべてのダニが病原体を持っているわけではありませんが、これらの感染症を予防するためには、ダニに咬まれないようにすることが重要です。万が一、野外でダニに咬まれた後、数日経ってから発熱等の症状が認められた場合には、速やかに医療機関を受診してください。
マダニについて
マダニは、3~8mmと比較的大型で硬い外皮に覆われ、森林や草むらなどの屋外に生息していて、市街地周辺でもみられます。衣類や寝具、食品などの屋内に発生するイエダニ(体長約0.5mm)とは異なります。
ツツガムシについて
ツツガムシはダニの一種で、山林、河川敷などの草地、耕作地などに生息していて、1mmにも満たない幼虫が一生に一度哺乳類に吸着します。
予防方法
マダニやツツガムシが媒介する感染症を予防するためには、マダニやツツガムシに咬まれないようにすることが重要です。
- 草むらや藪などに入る場合には、長袖、長ズボン、手袋、足を完全に覆う靴などを着用し、肌の露出を少なくする。
- 草の上に直接腰をおろしたり、寝転んだりしない。
- 虫除けスプレーを使用する。
- 帰宅後は入浴してダニを洗い流し、着替える。
マダニに咬まれた場合
吸血中のマダニに気付いた場合には、皮膚に口器がしっかりと刺さっているので、無理に引き抜こうとせず、医療機関で処置してもらってください。また、マダニに咬まれた後に発熱等の症状が認められた場合には、医療機関を受診してください。
ダニが媒介する感染症
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
- SFTSウイルスを持つマダニに咬まれることにより感染する病気です。日本国内では、平成25年1月に初めてSFTSウイルスによる感染症患者が報告されました。
- SFTSの患者は西日本を中心に報告があり、群馬県内においては、現在までのところ患者は報告されていませんが、県内でSFTSウイルスを保有するマダニが確認されているため、注意が必要です。
- マダニに咬まれてから、6日~2週間程度の潜伏期の後に、発熱、消化器症状(食欲低下、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛)などの症状がでます。重症になると、死に至ることもあります。
- 有効な薬剤やワクチンはなく、治療は対症療法のみとなります。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(厚生労働省)<外部リンク>
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは(国立感染症研究所)<外部リンク>
つつが虫病
- つつが虫病リケッチアという細菌を持つツツガムシの幼虫に咬まれることにより感染する病気で、主に秋~初冬、または春~初夏にかけて多く報告されます。(群馬県では例年10月~12月にかけて多く報告されます)
- ツツガムシの幼虫に咬まれてから、7日~14日後に発熱や発疹などの症状が出ます。全身倦怠感、食欲不振、頭痛、リンパ節腫脹などの症状を伴い、皮膚には特徴的なダニの刺し口がみられます。重症になると、肝機能障害や中枢神経症状を呈し死に至ることもあります。
ツツガムシ病とは(国立感染症研究所)<外部リンク>
その他のマダニが媒介する感染症
ダニ媒介脳炎
ダニ媒介脳炎について(厚生労働省)<外部リンク>
ダニ媒介脳炎とは(国立感染症研究所)<外部リンク>
回帰熱
回帰熱について(厚生労働省)<外部リンク>
回帰熱とは(国立感染症研究所)<外部リンク>
ライム病
ライム病とは(国立感染症研究所)<外部リンク>
日本紅斑熱
日本紅斑熱とは(国立感染症研究所)<外部リンク>