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「うちの裂織り(さきおり)」
企画展概要
平成28年度企画展2「うちの裂織り(さきおり)」は、平成26年度に開催した「うちの機織り(はたおり)」に続く第2回目の機織りの展覧会です。高機(たかばた)を使って布を作っていた昭和時代前期までの機織り技術の一つである裂織りを紹介します。
機織りは、先人が長い時間をかけて築き上げてきた技術であり、暮らしの基本となる作業の一つといえます。しかし、近年は社会の変化や技術の発達などにより、個人で機織りを行う必要性がなくなったことから専門的な分野となり、現代では機織り機を見る機会も少なくなって、「うちの機織り」はほとんど行われなくなってしまいました。また、織り手だけでなく機織りの道具を作る職人もほとんどいなくなりました。
「うちの機織り」技術を奇跡的に伝承し、高機による機織りを披露できるのは、当館が周辺地域に伝承されていた機織り技術を約30年前に保存し、ボランティアの皆さんの協力によって現在まで継承できたためです。
今回の企画展では、その伝統的な機織の一分野に位置づけられている裂織りの技術の根本にある、「ものを使い切る」という考え方について注目していただくとともに、当館の機織ボランティアの皆さんが受け継いだ機織り技術とともに先人の暮らしとその時代を振り返り、日本人が大切にしてきた「もの」を大事にする心に触れていただければと思います。
企画展名
「うちの裂織り(さきおり)」展
会期
平成28年10月1日(土曜日)~11月27日(日曜日)
休館日
月曜日(10月10日体育の日は開館)・10月11日・11月4日・11月24日
おもな展示品
裂織の布、裂織の布で製作した衣服や小物、機織り機など50点