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染料植物園歳時記(平成29年度)
子どもワークショップ「草木染で給食袋を染めよう」 2018年3月25日
アカネのアルミ媒染は赤色に
アカネの鉄媒染はムラサキ系に
春休みが近づいた3月25日(日曜日)、子どもワークショップ「草木染で給食袋を染めよう」が開かれました。
今回の給食袋は、アカネの草木染。アルミ媒染と鉄媒染のどちらかを選んで染色しました。
写真のとおり、アカネのアルミ媒染は赤く染まり。鉄媒染はムラサキ系の色に染まりました。
アカネは、アルミ媒染と鉄媒染で色が異なりますので、男の子も女の子も好みの色が選べるのがいいですね。新学期の4月から学校の給食袋で使ってほしいと思います。
写真教室「春の植物を撮ろう」 2018年3月25日
園内で早咲きのサクラやハクモクレンなどの春の花が咲き始めた3月25日(日曜日)、写真教室「春の植物を撮ろう」を開催しました。
今回は女性の参加者も多く、写真の基本的な撮影方法など、プロジェクターで実際撮影した写真を見ながら色々な撮影について説明がありました。
2時間という短い講習会でしたが、ぜひ、園内の写真を撮影してよい作品作りに励んでほしいです。
染めてみようシリーズ「草木染体験 産着を染める」 2018年3月24日
春を感じられる日になった3月24日(土曜日)、「草木染体験 産着を染を染めよう」を行いました。
今回の染色材はアカネ。小さな産着がピンク色に染まりました。草木染には古くから抗菌作用などの薬効があるいわといわれていますが、草木染と薬との関係についての話しがありました。
そして、古くから子どもを守ると伝わる「背守り」についてその歴史などについて学び、いろいろなデザインなどを練習しました。
最近では、聞いたり見たりすることがほとんどない背守りの歴史や文化について初めて知った人もいたようです。
インドアカネで産着を染色
ミョウバンを使ったアルミ媒染
アイとアカネで染めた背守りの糸
背守りの仕方を学ぶ
絞り染ワークショップ「藍染で手ぬぐいを染める」立涌絞り 2017年3月18日
秋田県の鹿角地方に古くから伝わる「立涌絞り」の技法を使った講習会「藍染で手ぬぐいを染める」を3月17日(土曜日)と18日(日曜日)の2日間で行いました。
昔の鹿角地方では、自生するアカネやムラサキを使って染められたようですが、講習会では絞りをした手ぬぐいを藍で染めました。
1日目は、鹿角地方に伝わる絞り染の歴史などを学び、立涌絞りの技法や型紙作りを行いました。その後、括り台を使って絞りをしました。2日目は、前日の絞りを仕上げて、午後は藍で染めました。
写真をよく見ると分かりますが、同じに指導して同じように絞って染めても、それぞれの仕上がりは、少しずつ雰囲気が違って個性的にできあがりました。手作りの面白いところですね。
立涌絞りの型紙作り
括り台を使って絞りを行う
絞りをした手ぬぐい地
藍染後の水洗い
グリーンワークショップ「観音山の野鳥を作る」 2018年3月11日
だいぶ暖かくなった3月11日(日曜日)、グリーンワークショップ「観音山の野鳥を作る」を行いました。この講習会は今回初めて開催しました。講師は日本野鳥の会会員の方にお願いして、興味深い鳥のお話しもしていただきました。
丸い棒から小刀を使って作った小さな鳥は、本格的なバードカービングとはちょっと違って、短い時間でできるのも魅力。木の実に乗せたり竹に留めるなどして、足の位置なども工夫しました。色を塗るとぐっと鳥らしい表情になりました。
色を塗る前と後の鳥
色を塗ると鳥らしくなりました
グリーンワークショップ「みどりと友だちになろう」苔玉作り 2018年3月10日
3月10日(土曜日)、グリーンワークショップ「みどりの友だちを作ろう」で、苔玉を作りました。苔玉のために用意した植物は、植物園内の林の中などで発芽していた実生の苗で、昨年秋に採取して育ててきたものです。ミツマタやエノキ、シャリンバイ、チャノキ、ロウバイなどいろいろな種類を用意。参加者には好みの植物を選んでもらいました。そして、用意した小さな苗では植物の特徴が分からないので、木の性質などを説明したメモも用意しました。
今回の講習会は、大人の参加者が多くいましたが、誰もが泥遊びの雰囲気で楽しく苔玉作りができたようです。できあがった苔玉は、写真のとおりどれも個性的。それぞれ可愛くできました。最後に、植物の名前を書いた名札をつけてできあがりました。
トカゲがいました 2018年3月4日
数日前から少し暖かい日が続いたからでしょうか。日当たりのよい階段でニホントカゲを今年初めて見ることができました。
このトカゲは、体もお腹も大きくウロコもよく観察できて、しっぽも太く、園内で見られるトカゲでは大きい個体のようです。明るい薄茶色の体をしているのでオスのようです。カナヘビと比べると迫力があります。
食性も生きた昆虫が主食のようなので、植物園の環境はトカゲにとって快適なのかもしれません。
園内では、春から秋にかけてトカゲをよく見ることができます。日当たりの良い石やブロックの上で見られることが多いので、来園したときはぜひ探してみてください。
自然観察会「早春の植物を探ってみよう」 2018年3月3日
平成29年度、最後の自然観察会「早春の植物を探ってみよう」を3月3日(土曜日)に行いました。昨日までは、風の吹く日が続いていましたが、朝から晴れて春の日差しを感じられる静かな一日となりました。
この季節の木々は、広葉樹には葉がなく、冬とあまり変わらないように感じますが、春に向って木々が準備をしている様子をみることができます。花芽となる芽鱗(がりん)が大きく膨らんでいる様子などを観察しました。2つの班にに分かれ、植物を観察しながら園内や丘陵の植物を探ってみました。
今回は、自然観察会への参加が初めての人も多く、植物名やその魅力などを楽しく学ぶことができたようです。
春を感じる講習会でした
吊り橋から樹木上部を観察する
フクジュソウが見ごろです 2018年2月15日
園内にあるフクジュソウが見頃を迎えています。
例年は、1月下旬から2月上旬に見ごろを迎えますが、今年は少し遅れました。年末から1月中は雨がほとんど降らず、土が乾燥していたことや、降雪で雪の下に埋もれていた影響もあって遅れたのかもしれません。しかし、雪が降ったことで土の乾きがなくなり、良い天気が続いたために、急にフクジュソウが咲き始めました。
フクジュソウは、朝や夕方の太陽の光が当たらないと花は閉じています。曇りの日も花は閉じています。
大きく開いたフクジュソウを見るには、よく晴れた日の午前10時頃から午後3時頃までにご来園いただくと、鮮やかに開いたフクジュソウをみることができます。
雪景色に感動です 2018年1月23日
今季最大の寒波により、1月22日(月曜日)から23日(火曜日)未明にかけて降った雪は、約20センチになりました。
この日は早朝から雲のない素晴らしい快晴。太陽の光で雪が輝き園内は感動的な雪景色になりました。昨日までの冬枯れの景色から一転して水墨の世界。普段見慣れた園内の景色も素晴らしい景色になりました。
写真は、雪による樹木への影響を確認するために園内巡廻を兼ねて撮影。木々にはほとんど影響がなかったのでよかったです。
しかし、その後は雪景色を見ながら、園路の除雪作業を行う大変な一日になりました。
福寿草が咲いています 2018年1月21日
園内のフクジュソウが咲きはじめました。
染色工芸館前の花壇は日当たりがよいので、フクジュソウが見ごろですが、それ以外の場所にあるフクジュソウは、やっと咲き始めたところ。見ごろは1月下旬になってしまうかもしれません。写真は工芸館前のフクジュソウです。
太陽の光があたらない、朝や夕方、曇っているとき、花は閉じていますので、晴れた日のお昼前後の暖かなときにお越しいただくと、黄色の鮮やかなフクジュソウをご覧いただけます。
子どもワークショップ「干支のまゆ人形を作ろう」 2018年1月7日
今年の干支は「戌」。干支のイヌのまゆ人形をつくる、子どもワークショップ「草木染で干支のまゆ人形を作ろう」が、1月7日に開かれました。
草木染で染めた、まゆを使って干支の人形を作りは、毎年この時期に開く子どもワークショップで、今年の干支のイヌを作って飾りました。
最初に、まゆを使ってのイヌを作ってから、木の板や実などを使って仕上げました。
子どもたちは、イヌの作り方や木の実などを選びながら、お気に入りの干支のまゆ人形を作ることができました。
グリーンワークショップ「親子で門松を作ろう」 2017年12月23日
師走も押し詰まった12月23日(土曜日)、グリーンワークショップ「親子で門松を作ろう」を行いました。お正月に向けて、門松を親子で作ろうというイベントです。
用意したのは真竹。園内などで採取したナンテンやウメ、ロウバイのほか、松なども持ち寄って、できあがった門松は大きさも手ごろです。小さいながら本格的な門松ができあがりました。
講習会は、簡単な説明を受けたあとに、親子で協力しながら竹を切りました。松やウメなどの飾り付け方なども指導を受けながら、太い竹の中に飾り付けをしました。
松竹梅を使う門松は、日本のお正月の文化的な縁起のよいものです。竹や松に、ウメやロウバイ、ナンテンの黄や赤が映える門松ができあがりました。きっと、よい新年を迎えられることでしょう。
親子で飾り付け
用意したナンテンやウメ、ロウバイ
特別講習会「草木染・紅花染」 2017年12月17日
12月17日(土曜日)、特別講習会「草木染・紅花染」が開かれました。
紅花の産地として山形県が有名ですが、染料植物園でも紅花を楽しんでいただくために栽培をしています。3月中に種をまき。何度か間引きをして、土寄せなどして、6月末に開花。7月上旬まで楽しむことができます。栽培している生花を見ることは群馬県内でもほとんどないと思いますので、この時期にご来園いただければ紅花の開花をご覧いただけます。
園内で採取した紅花の種は、毎年1月に来園者に無料配布しています。プランターでも栽培できますので、興味のある人はぜひお越しください。数に限りがありますので、なくなり次第終了になります。
講習会では、紅花に黄色と紅色の色素があるので、前日から水に入れて黄色色素を抽出。講習会の当日にも紅花を水洗いしてから、紅色素を抽出して、その後、浸し染めで絹の袱紗を染めました。また、紅花が漢方薬として、婦人病や冷え性などの血行障害の治療に用いられ、鎮痛などで炎症を抑える効能についても説明がありました。
写真でも分かるように本当にきれいな色に染まります。紅花染は何度経験しても感動をすることのできる染色ではないでしょうか。
水にさらした紅花
紅花から抽出した染色液
紅花で染めた袱紗(ふくさ)
紅花の試験染
特別講習会「ブルガリアの赤を染める」 2017年12月10日
ブルガリアの文化と染色を親しむ特別講習会「ブルガリアの赤を染める」を、12月10日(日曜日)、テキスタイル作家の佐藤千香子さんを招いて行いました。
講習会は、ウールの糸と布をアカネで染めて、羊飼いのかばん「トルピチュカ」を作って、ブルガリアの文化に親しむものです。ブルガリアのトルピチュカなどのウール製品や、染色見本などもご用意いただいて、ブルガリアの染色や文化が感じられる講習会になりました。
はじめに、染料のアカネの抽出や、ミョウバンの媒染液を用意などしてから染色に入りました。
媒染や染色をしている時間に、トルビチュカのための紐作りの練習や、マルテニツァ(春の訪れを願うお守りのようなもので、白と赤の糸で作る人形)の作り方を学びました。
そして、アカネで染色した糸や布は、とても色鮮やかな赤に染まりました。
参加した皆さんは、トルビチュカの制作を通じて、ブルガリアの文化や天然染色を楽しみながら学ぶことができたのではないでしょうか。
アカネ染料の抽出
糸や布のアルミ媒染
アカネで染めたウールの布と糸
トルビチュカの紐を編む練習
講師が用意したブルガリアの染織品
マルテニツァの人形
ウールの染糸見本
アカネ染のトルビチュカの見本
技法講習会「草木染・絹の絣糸を染める」 2017年12月9日
手くくりの技法で絹の絣糸を染める技法講習会「草木染・絹の絣糸を染める」を、11月9日(土曜日)に開催しました。
絣糸を染める講習会は、絹のほかウールなどの繊維を変えたり、染色材を変えたりして年数回行っています。
今回の講習会では、染料はガンビアカテキューを使って、銅媒染で絹糸を茶色に染めました。
ガンビアカテキューは、マレーシアで栽培されるアカネ科の小木で、枝葉や果実を煎じて固めたエキスです。銅媒染は後媒染として使いました。
初めに、絣の技法や絣の柄などのお話しがあり、その後、絣の括り方やそのコツなどを学んでから、糸を括って染色を行いました。
染色では、液温の管理や放冷などの説明のほか、媒染についても細かな説明があり、参加した人は、よく理解できたのではないでしょうか。
絣の括り方を指導する
ガンビアカテキューの染色
括りを解いて仕上がった絣糸
ガンビアカテキューの染糸で織った見本
子どもワークショップ「藍染で干支の絵馬ハンカチを作ろう」 2017年12月3日
師走となった12月3日(日曜日)、子どもワークショップ「藍染で干支の絵馬ハンカチを作ろう」が開かれました。
来年の干支は戌(いぬ)。今回はイヌの型紙を4つ用意して、参加者の皆さんの好みで選んでいただきました。
イヌの絵や文字のある型紙をハンカチに載せて糊を置き、乾かしてから藍で染めました。染めたハンカチの糊を水洗いて落とすと、かわいいイヌの絵や文字がでてきました。
アイロンをかけて絵馬の形に折ってビニール袋に入れて、鈴を付けると、藍染の絵馬ハンカチができあがりました。お正月のお飾りとしても映える絵馬ハンカチになりました。
干支の十二支をそろえるために毎年受講する参加者もいて、毎年この時期の絵馬ハンカチ作りを楽しみにしているようです。
絵馬ハンカチのアイロンかけ
ハンカチを折って絵馬に仕上げる
企画展関連事業「松煙でハンカチを染めよう」 2017年11月25日
秋の企画展「染織の松・竹・梅」で、松煙染(松を燃やした煤を使った染色)や紀州松煙墨を紹介したことから、11月25日(土曜日)、ワークショップ「松煙でハンカチを染めよう」を午前と午後の2回行いました。
ワークショップでは、約2時間という短い時間で仕上げるために、松ぼっくりの型紙で糊置きをしたハンカチを用意しました。
参加者はハンカチに伸子を掛けて、豆汁(ごじる)に松煙を溶いた染料を引き染しました。また、ぼかしの入れ方などの指導もあり、淡い墨色の型染ハンカチができあがりました。
講習の途中で、展示室で松煙染の展示を見ながら説明を受けたことで、松煙染について深く理解できた講習会になったと思います。
今回のワークショップでは、短時間で型染を学ぶことができ、さらに淡い墨色が魅力の松煙染を体験できたことで、参加した人たちには面白いワークショップだったのではないでしょうか。
染色で使った松煙と豆汁(ごじる)
松煙を溶いて墨色になった豆汁
松ぼっくり模様があるハンカチ
ハンカチを引き染する
引き染したハンカチを乾燥
完成した松煙ハンカチ
企画展関連事業「草木染・梅で染める」 2017年11月19日
現在行なっている企画展「染織と松・竹・梅」の関連講習会「草木染・梅で染める(梅渋染)」を11月19日(日曜日)に開催しました。
11月の草木染の染色体験では、梅染の鉄媒染で、濃い茶色に染めていましたが、今回は「梅渋染」で赤みのある茶色に染まりました。
写真は、梅渋染で染めたスカーフです。左側のスカーフが無媒染のもので、右側が石灰で媒染したものです。無媒染のスカーフは少し明るい感じに仕上がりました。手触りも無媒染のスカーフが少し柔らかい感じです。
今回の講習会では、紅梅の木を榛名町の梅農家からいただき、幹材を小さな木片にしました。ハンノキは園内にある木を使い、樹皮を用意しました。
いつもは、講習中に染液を抽出しますが、今回は染料の煮出しに時間がかかるので、講習会前日に煮出して用意しました。
今回の企画展の関連事業として梅渋染を行いましたが、古くから伝わる染色技法で、落ち着いた赤みの茶色に染まり、参加した皆さんも満足いただけたようです。
また、染めたスカーフのほか、試験布をミョウバン、石灰、おはぐろで媒染をした試験布も用意して、その違いを確認することもできました。
梅の染料を確認
梅渋染による染色
梅渋染に使った紅梅の幹材
ハンノキの樹皮
企画展関連事業「紀州松煙で描く絵手紙」 2017年11月15日
11月15日(水曜日)、企画展関連事業の「紀州松煙墨で描く絵手紙」のワークショップが午前と午後の2回開催しました。
今回の講習会は、現在行われている企画展「染織の松・竹・梅」の関連事業として実施。竹の煤を使って作られる松煙墨を使った絵手紙の講習会で、講師は和歌山県田辺市で墨工房「紀州松煙」を営み、日本で昔ながらの製法で、原料の松煙から墨をつくる職人の堀池雅夫さんを招いて行いました。
堀池さんの話では、松煙墨は、松を燃やして採った煤を膠(にかわ)で練り固めてゆっくり乾燥したものでにじみがでる特徴があることから、最近では芸術家などにも愛用されているとのことです。
現在は、原料の松煙から墨を作る職人としては日本でただ一人とのことです。
講習会では、松煙墨の特徴を知るとともに、赤・青・黄の色墨も使って絵手紙の基本などを学びました。
色墨を使い描き方を学ぶ
講習会で使った松煙墨(中央と右)と色墨(左)
染めてみようシリーズ「板締めバンダナを染めよう」 2017年11月12日
11月12日(日曜日)、染めてみようシリーズ「板じめ絞りでバンダナを染める」講習会が午前と午後の2回開かれました。
染色体験でも、輪ゴムの絞り染でバンダナの藍染をしていますが、今回は、板締め絞りによる藍染です。
下の写真のように、板締め絞りは、板をクランプで挟んで染める技法です。バンダナの折り方や板締めする場所で、まったく違った模様になるのが、面白いところです。
はじめに、バンダナの折り方や板締めのクランプの使い方などを学び、実際に板締めをしてから、藍染をしました、途中で板を置き替えて、藍色、水色、白の3色に染めました。上の写真ように、できあがった模様は人それぞれ。参加した皆さんは、満足した作品ができたようです。
板締め絞りの見本
板で挟んだバンダナ
クランプを持って藍染
染色途中で板を置き替える
自然観察会「紅葉と種子の観察をしよう」 2017年11月11日
雨が心配された11月11日(土曜日)、自然観察会が開かれ「紅葉と種子の観察をしよう」をテーマに行われました。
11月になって、植物園内の木々も色づいて、紅葉も見ごろになりました。朝は少し雨模様でしたが、講習がはじまるころには、穏やかな秋晴れになり、気持ちのよい観察会になりました。
はじめに、植物園の内外を歩いて紅葉した木々の特徴などを監察しながら説明を聞きました。その後、休憩室で講師が用意した実の実や葉っぱを観察しながら、種子の特徴などを学びました。
この日は、ちょうどモミジが見ごろ。園内のいろいろな種類のモミジを見ることができました。下の写真は、講師に用意していただいたいろいろな木の実。どんぐりもいろいろな種類がありました。
カマキリがヤバイ 2017年11月5日
昨日、染色工芸館の玄関付近にカマキリがいた。
今朝もいたのでさわってみると、歩くこともでずにほとんど動けない状態になっている。
日当たりの良い場所に移してしばらくしたら、少し動くようになったが、動いて逃げるような感じでもない。
写真を撮るとき、しっかりとにらまれた。動きも悪く迫力に乏しい。翅も傷つきの色も変わりはじめている。カマキリなどの昆虫たちがいなくなるのも近いようだ。
腹部が太く広がっているので、ハラビロカマキリかもしれない。
ワークショップ「竹のマイコップを作ろう」 2017年11月4日
11月4日(土曜日)、ワークショップ「竹のマイコップを作ろう」を開催しました。
現在行っている企画展「染織の松・竹・梅」の竹をテーマに行ったワークショップです。
真竹をきれいに削って、ヤスリを掛けて、節に合わせて切れば竹のコップができ上がりました。
子どもたちは、普段ほとんど使ったことがない「切り出しナイフ」を使って、竹のコップ作りに励んでいました。
講師の話しを聞く参加者
親子で協力して仕上げました
園内の紅葉が見ごろです 2017年10月31日
10月末になり、園内の紅葉が見ごろを迎えています。
右の写真はトチノキです。朝の光を浴びると黄金のように輝いています。工芸館の前のケヤキも見ごろ。事務室から見えるので、日ごとに変わる色合いを楽しんでいます。
同じ種類の木も場所や日当たりによって色づく時期もさまざまです。
11月中旬まで楽しめると思いますので、晴れた日にはぜひ散策にお越しください。
そして、企画展「染織の松・竹・梅」も開催していますので、併せてお楽しみください。
行こう!里山たんけん 紅葉の観音山を歩く 2017年10月29日
台風22号が近づく10月29日(日曜日)、秋の「里山たんけん、紅葉の観音山を歩く」が開かれました。台風が近づき、雨が影響したために当日のキャンセルがありましたが、風もなく、雨も小降りとなって、無事に開催することができました。
シロダモの赤い実と花が同時に観られたり、サルナシやムクノキ、ナツハゼ、コバノガマズミの実を食べたりしました。また、採取した木の実や種、シロダモの花などを顕微鏡やルーペで見て、普段気付かない植物の特徴なども知ることができました。
天候には恵まれませんでしたが、参加した皆さんはそれぞれ楽しく学ぶことができたようです。
里山たんけんは、植物園の外に出て、園周辺の国有林や自然遊歩道を利用して観音山丘陵の自然を観察します。春は芽吹いた新緑を、秋は鮮やかな紅葉を楽しみならが、観音山丘陵の豊かな自然や四季の彩りを知ることができます。
採取した実や種を観察
講師がズナラなどの実で作った
ペンダント
ぐんま県民の日「藍染で麻のコースターを染めよう」 2017年10月28日
群馬県民の日の10月28日(土曜日)、今日は県民の日のため、工芸館の入館料は無料。そして「藍染で麻のコースターを染めよう」の記念イベントを開催しました。
コースターの藍染は、普段行っている染色体験より短い時間でできることや、小さな子どもも体験できるので、家族連れなど多くの人たちに参加いただきました。
できあがりも、濃く染まったところや、水色のところ、白く染めないところなど、それぞれデザインの違うコースターになりました。
グリーンワークショップ「葉っぱを描こう」 2017年10月22日
10月23日(日曜日)、葉画家(ようがか)の群馬直美さんを招いて、グリーンワークショップ「葉っぱを描こう」を、午前と午後の部に分けて開きました。
雨が降っていましたが、園内で木の葉や落ち葉などを採取して、その葉っぱを使っての作品作りをしました。
作品は、葉っぱにインクをつけて版画のように紙にプリント。そのままでも十分に葉っぱの雰囲気がありましたが、さらにシャープペンシルや色鉛筆で補正すると、作品がさらに引き立ってきました。
高崎出身である群馬さんは、自然からのメッセージを汲み取って、葉っぱ一枚一枚をありのまま丹念に描き上げる葉画家(ようがか)です。その作品には多くのファンがいて、数多くの本も出版されています。来年春の企画展は群馬さんを紹介を予定しているためワークショップを開催させていただきました。
短い時間でしたが、できあがった作品はどれも葉っぱの生命力を感じられるものになって、参加者の誰もが楽しめたのではないでしょうか。
子どもたちも楽しく参加しました。
子どもワークショップ「自然と遊ぼうネイチャーゲーム」 2017年10月21日
台風21号の影響で雨の降る11月21日(土曜日)、「自然と友だちになろう ネイチャーゲーム」を開催しました。
いつものネイチャーゲームは、自然の中で遊びながら、色々なことに気付きながら楽しくゲームを行っていますが、今回は雨模様。屋外でゲームをすることができないため、休憩室の屋内ではじめました。
いくつかのゲームをしてから、雨の中へ。写真は、集めた木の実や葉っぱを使ったゲーム。いろいろな種類の葉っぱを知ることができたと思います。
今回は、事前に雨が予想されたので、雨の日用のネイチャーゲームを用意していただき、屋内と屋外で楽しくゲームができました。
大人も一緒に楽しめるネイチャーゲーム
屋外へ。木の実や葉っぱを採取
技法講習会「藍染・絞り染」 2017年10月20日
9月1日から6回にわたり開催してきた「藍染・絞り染」の講習会が、10月20日(金曜日)が最終日となり終了しました。
今回の講習会は、身近にあるものでできる優しい絞り染めと縫い絞りの基礎を学び、藍染めで小風呂敷などを染める初心者向けのコースでした。絞り染の基礎を学ぶ講習会ですので、これからも絞り染の作品づくりにチャレンジしてほしいものです。
また、藍染の楽しさや難しさも一緒に学んでいただけたのではないでしょうか。
資料から縫い絞りを学ぶ
藍染して制作した作品
企画展のサプライズ お食事処「屋根屋」で梅メニュー 2017年10月15日
土曜日・日曜日、祝日に営業しているお食事処「屋根屋」では、企画展「染織の松・竹・梅」の開催にあわせて、梅を使ったメニューをご用意しています。期間限定のサプライズ企画です。
ちなみに、企画展の最初の土曜日・日曜日のメニューでは、土曜日はお弁当のお惣菜に「イワシの梅焼き」が入っていました。また、日曜日は梅風味スパゲッティー、梅ジャム入りケーキを食べることできました。
屋根屋さんのお話では、日ごとに梅メニューは替わっていくとのことです。何が用意されるのか職員も分からないので、サプライズな梅メニューになるのではないかと楽しみです。
写真は、企画展初日のお弁当です。よく見ていただくと、「イワシの梅焼き」の魚料理のほかにも、煮物、揚げ物、野菜・サラダ、お漬け物など栄養バランスのとれたお弁当になっています。安価で本当においしいので職員にも人気です。また、お弁当のほかにも麺類などのお食事ができます。
営業日は土曜日・日曜日、祝日で、時間は午前11時30分頃から午後3時頃まで。植物園の休憩室で営業しています。ぜひ、企画展「染織の松・竹・梅」をご覧いただき、お食事処「屋根屋」で梅メニューをご賞味ください。
企画展「染織の松・竹・梅」はじまる 2017年10月14日
10月14日(土曜日)から、秋の企画展「染職の松・竹・梅 江戸から現代 松竹梅が彩る着物たち」が、はじまりました。
今回の企画展では、昔から草木染の材料や道具として使われてきた、松・竹・梅を用いて染めた着物や染織品、吉祥の意匠として松竹梅があしらわれた着物や婚礼衣装などを展示しています。
そして、竹の工芸品や竹の煤で作った墨など、暮らしに息づく、身近な松竹梅を紹介しています。
企画展は11月26日(日曜日)まで開催しています。
また、企画展の関連事業として、講習会やワークショップを次のとおり予定しています。多くの人たちの参加をお待ちしています。講習会等の詳細については講習会情報をご覧ください。
- 講習会「梅で染める」11月19日(日曜日)
- 体験教室「松煙でハンカチを染めよう」11月25日(土曜日)
- ワークショップ「竹のマイコップを作ろう」11月4日(土曜日)
- ワークショップ「紀州松煙墨で描く絵手紙」11月15日(水曜日)
- ワークショップ「松で楽しむネイチャークラフト」11月18日(土曜日)
暮らしに息づく松竹梅では、ドイツの建築家のブルーノ・タウトの竹工芸品や古くからの製法で作られる紀州松煙墨、竹のさまざまな編み方の見本「編組見本」なども展示しその魅力を紹介しています。
技法講習会「色彩とデザイン」 2017年10月5日
10月5日(木曜日)、技法講習会「色彩とデザイン」の4回コースの最終日を迎え、秋色のスカーフができあがりました。
この講習会は、ろうけつ染の技法を使って、植物の形や色などを組み合わせたデザインで、秋を表現するスカーフを染める講習会です。
使用した染料はヤマモモとアカネで、媒染は鉄とアルミ。染料と媒染を上手に組み合わせて、いろいろな色を作り出し染めました。
写真でも分かりますが、同じ染料と媒染を使っても、できあがった作品は、それぞれ色合いも違って、個性のあるスカーフができあがりました。2つの染料と2種類の媒染を使い分け、染料と媒染の塗り方や回数で、色合いなど違った雰囲気に仕上がるのがこの技法のおもしろいところかもしれません。
ヤママユガの大きさに驚き 2017年9月28日
先日朝、染色工芸館の玄関先を清掃しているときに発見しました。
木葉だと思ってよく見ると、大きなヤママユガでした。
大きさは開張150ミリぐらいで、追い払おうとしても飛ぶのがうまくないようです。なかなか動かないので、塵取りに乗ってもらい安全な場所に動かしました。
園内でもいろいろな蛾を見ることがありますが、これほど大きいと少し感動しますね。
幼虫は、クヌギやコナラ、サクラなどを食べ、卵で越冬するようです。
子どもワークショップ「おじいちゃんおばあちゃんに藍染の巾着袋を染めよう」 2017年9月3日
秋の気配が感じられる9月3日、子どもワークショップ「おじいちゃんおばあちゃんに藍染めの巾着袋を染めよう」を開催しました。
子どもたちは、用意した巾着袋に輪ゴムで絞りをして、藍色と青と白の3色に染め分けました。染めた巾着袋は、乾かして紐をつけてできあがりです。
参加したのは、小学1年生から6年生。小さな子たちも頑張りました。
藍染の巾着袋は、敬老の日のおじいちゃんやおばあちゃんへのよいプレゼントになるのではないでしょうか。
輪ゴムを使って絞りをした袋
藍・青・白に仕上がった巾着袋
子どもワークショップ「観音山の生きものを描こう」 2017年8月18日
8月18日(日曜日)、子どもワークショップ「観音山の生きものを描こう」が開かれました。
はじめに、描く植物や虫を探すために、みんなで園内を散策して、描きたい葉っぱや木の実や虫たちを探して集めてきました。
今年の夏は雨が多かったので、園内にはいろいろな種類のキノコがいっぱい。ニホントカゲも2匹捕まえました。そのほかにも、ドングリや面白い形の葉っぱなども集めてきました。
採ってきたいろいろな生きものをよく観て、ていねいに描きました。夏休みの宿題になった子どもたちもいたかもしれませんね。
変わったキノコや木の実を採取
葉っぱやドングリなども採りました
園内の生きものの採取
トカゲやクワガタを描く子
カメムシとシジミチョウを紹介します 2017年8月16日
アカスジキンカメムシ
緑色の体に赤い筋が入った大変きれいなカメムシです。日本で最も美しいカメムシの一つとも。
カメムシの仲間はくさいものが多いようですが、この種類は臭さが少ないといわれています。
食草はミズキやコブシなどの葉や果実の汁など。
ヤマトシジミ
タデアイにとまったヤマトシジミ。小さなチョウで園内でもよく見ることができます。
翅の表はやや光沢のある水色です。裏は灰色で小さな黒い斑紋がいくつもあります。
食草はカタバミで、園内にたくさんあるので、このチョウを観ることができるのでしょう。
8月の染色体験「藍の生葉染」が始まりました 2017年8月6日
8月の染色体験は、「藍の生葉染体験」です。
園内で育てたタデアイを採取して、絹のコースター、ポケットチーフ、スカーフ、ストールの中から1つを選んで染めることができます。
花壇で育てたタデアイの葉を摘み、ミキサーに葉を入れてジュースを作り、絞った液で染めます。
染める前は抹茶のような色ですが、時間が経過すると緑色が濃くなっていきます。水洗いをしてできあがりです。
夏休みのため、子どもたちの参加も多く、火を使わないので幼児も安心して参加できます。
2時間ほどで、夏空のような爽やかな水色に染めることができます。
染色に必要な量のタデアイを摘む
ミキサーで作った染色液。抹茶色がきれい
園内の昆虫たち 2017年8月4日
ウラギンシジミ
このチョウはときどき園内で確認できます。
小型のチョウです。表は茶褐色で、オスは橙赤色、メスは白色の斑紋があります。羽根の裏は一様に銀白色で、表と裏の色の違いが際立っています。写真は橙赤色なのでオスです。
食草は、クズやフジ、クララなどで、園内や園周辺にも多くある植物です。そのため、園内でも見ることができたのでしょう。
主な生息地は、森林や草原、農地、公園などで、都市部や人家周辺でもよく見られるようです。
ニホントカゲ
春から秋にかけて、園内でよくニホントカゲを見ることができます。
体の表面のウロコに光沢があって縦縞の模様があります。光沢のないカナヘビと比べるとカッコイイ感じがします。
写真の個体は小さくて尻尾が青いので幼体のトカゲのようです。
セミの抜け殻
夏、植物園はセミの鳴く声にあふれています。
園内の樹木をよく見ると、セミの抜け殻を見ることができます。種類の違うセミの抜け殻もありますので、よく見て探すといいかもしれません。
そのほかにも、いろいろな虫もいますので探すと面白いかもしれませんね。
特別講習会「リュウキュウアイとタデアイを使った染色実験」 2017年7月23日
リュウキュウアイとタデアイの生葉を使った染色実験を7月23日(日曜日)に行いました。
この講習会は、リュウキュウアイとタデアイを同じ条件で「藍の生葉染」「藍生葉煮出し染」「藍煮染(紫染)」の3種の染色実験を行い、その違いや特徴を知っていただくものです。午前中に「藍の生葉染」「藍生葉煮出し染」を、午後は「藍煮染(紫染)」を行いました。
染色実験の結果は試験布(絹)の写真のとおりです。
写真手前の青い試験布は、向って左側から、タデアイ「藍の生葉染」、タデアイ「藍生葉煮出し染」、リュウキュウアイ「藍の生葉染」、リュウキュウアイ「藍生葉煮出し染」です。それぞれ生葉染の青い特徴がでています。色の違いを見ることができます。
青い試験布の上にあるのが「藍煮染(紫染)」の試験布です。真ん中から左側の試験布がリュウキュウアイを使った紫染です。右側の染まっていない試験布がタデアイで行った「藍煮染(紫染)」です。ほとんど紫色に染まらないのが分かります。
リュウキュウアイとタデアイの染色実験をすることはほとんどないと思いますが、温室にリュウキュウアイがあり、屋外でタデアイを育成するこの時期に、それぞれの特徴を知っていただくために企画してみました。藍に興味がある人には、少し面白い染色実験だったのではないでしょうか。
リュウキュウアイの葉
タデアイの葉
リュウキュウアイの生葉染
タデアイの生葉葉
生葉煮出し液 蓼藍(左)と琉球藍(右)
藍煮染(紫染)
子どもワークショップ「お祭り手ぬぐいを染めよう」 2017年7月22日
夏休みになった初の土曜日の7月22日、子どもワークショップ「お祭り手ぬぐいを染めよう」を午前と午後の2回開催しました。
参加した子どもたちは、木綿の手ぬぐいに簡単な絞りをして藍でそめました。子どもらしいデザインの藍の手ぬぐいができあがりました。
今年の夏のお祭りなどのイベントでは、この手ぬぐいを持って参加してくださいね。
輪ゴムで絞りを作りました
藍がめで染色しました
自然観察会「葉っぱを比べてみよう」 2017年7月15日
暑い日が続いている7月15日(土曜日)、自然観察会「葉っぱの形を比べよう」を開催。観音山丘陵の自然をそのまま残して管理している自然観察園の周辺で行いました。
観察会では、広葉樹林の植物の特性や植物や基本的なこと、葉っぱのことを学ぶとともに、高木や中低木、低木、草本類、シダ類などの特徴や話題なども学習。参加者は植物の不思議さや面白さを改めて感じたのではなないでしょうか。
また、観音山丘陵の豊かな森の素晴らしさにも知ることができたのではないでしょうか。
葉の上に実があるハナイカダ
ブナの葉に付いた虫こぶ
染めてみようシリーズ「藍染体験 手ぬぐいを染めよう」 2017年7月9日
7月9日の日曜日、講習会「藍染体験 手ぬぐいを染めよう」を午前と午後の2回開催し、手ぬぐいを藍染と菊花絞りで仕上げました。
写真からも分かりますが、手ぬぐいは藍と青と白の三色に染め分けました。涼しさが感じられる色合いになり、菊花絞りもポイントとなっているのもいいですね。夏祭りの手ぬぐいとしても十分に使えそうです。それぞれの手ぬぐいが、個性的なデザインになっていて良い感じです。
参加した皆さんは、いくつかの染色技法も学べて、藍染の素晴らしさを感じることのできた講習会になったのではないでしょうか。
手ぬぐいにデザインを決める
藍染と水中酸化を繰り返す
染めてみようシリーズ「草木染体験・木綿のTシャツを染める」 2017年7月8日
今年一番の暑さとなった7月8日(土曜日)、草木染で木綿のTシャツを染める講習会を開催しました。
Tシャツには、菊花絞りでの模様をデザイン。染料はアカネでアルミ媒染です。
菊花絞りは、板締め絞りの一つです。菊の模様は布を丁寧にたたんで、小さく切った割り箸で挟んで輪ゴムでとめました。
茜色のTシャツもいい感じです。
割り箸と輪ゴムで菊花絞り
アカネ染液での煮染め
絞り染ワークショップ「草木染で手ぬぐいを染める」大枡絞り 2017年7月2日
「大枡絞り」の技法で手ぬぐいを染める講習会「草木染で手ぬぐいを染める」を、7月1・2日の2日間で行いました。
大枡絞りは、秋田県の鹿角地方に伝わる絞り染で、古くは自生のムラサキやアカネを採取して紫根染や茜染で染められたようです。布巾いっぱいを対角線とする正方形の模様がきれいに染まります。
1日目は、大枡絞りの技法を学んでいただき、絞りの型紙作りや括り台を使って絞りをしました。2日目は、茜の染色液の煮出しをして、その後に茜染により仕上げました。四角い模様がきれいなアカネ色に染まりました。
参加した皆さんは、古くから東北地方に伝わる絞り技法を学ぶことで先人たちの知恵や工夫などが感じられた講習会になったのではないでしょうか。
絞りのデザインを決める型紙作り
括り台を使って行う絞り
アカネの染色
糸をほどいて水洗い
染めてみようシリーズ「藍染体験・木綿のTシャツを染める」 2017年6月25日
初心者を対象に菊花絞りを使ってTシャツを染める講習会「藍染体験・木綿のTシャツを染める」を6月25日(日曜日)に開催しました。
菊花絞りは、板締め絞りの簡単な方法で、今回は割り箸を使って菊花の模様を絞りました。
藍染をして、水洗いをすると、藍色に白く菊花が映えるTシャツができあがりました。
半日ほどの講習会でしたが、オリジナルの藍のTシャツを染めることができました。
割り箸と輪ゴムで菊花絞りの作業
菊花が映える藍のTシャツ
今日は夏至、ベニバナが咲きました 2017年6月21日
6月21日(水曜日)夏至。今日は雨の一日でしたが、ベニバナが咲きました。
ここ数日、ベニバナが咲くのを毎日確認していましたが、やっと咲き始めました。これから7月上旬にかけて日ごとに少しずつ開花していきます。
ベニバナは、古くから紅染めなどに利用され、貴重な染料植物として栽培されてきました。山形県が産地として有名です。自然界ではほとんど見ることができない花です。
昨年は6月16日に、一昨年は6月17日に開花しました。今年は例年に比べて少し遅いようです。
花の見ごろは、6月下旬から7月上旬でしょうか。植物園にご来園の際には、ぜひ畑まで行ってご覧いただきたいと思います。
特別講習会「緑色染」 2017年6月18日
特別講習会「緑色染」を6月18日(日曜日)に開催し、絹のストールを染めました。
緑色染は、1種類の植物から緑色を染める染色方法です。園内で採取したセンダンの生葉を使って染めました。
緑色染に利用できる葉は何種類かありますが、園内で採取しやすいセンダンで行いました。
講習会では、センダンの染色液で銅媒染でスカーフを染めました。また、下の写真の試験布は、右から鉄媒染、銅媒染、アルミ媒染、鉄媒染+アルミ媒染の4種類です。試験布でも銅媒染は緑色になっています。そのほかの試験布も媒染の特徴がでた色になっています。
園内で採取したセンダンの葉
センダンの生葉を煮出して染色液に
緑色染で染めたスカーフ
4種の媒染で染めた試験布
技法講習会「草木染 絹の絣糸を染める」 2017年6月10日
6月10日(土曜日)、今年度初めての糸染めの講習会「草木染 絹の絣糸を染める」を開きました。
染料はコガネバナの根を利用し、ミョウバンの先媒染で、鮮やかな黄色に染まりました。
講習会では、日本の絣糸、染色の注意点、絣の括り方などを学び、その後、染色をしました。
下の写真では、染色している糸の鮮やかな黄色が分かります。今回の講習会と同じに染めた絹糸で織った見本と染める前の精練した糸もお持ちいただきました。
また、園内にコガネバナを栽培していますが、花はこれからです。淡い紫色の花を穂状に咲かれせる多年草です。高い薬効があり、根で消炎、解熱剤、嘔吐、下痢等の症状を抑えてくれるようです。
植物園では、年間を通じて、絹やウール、木綿などの糸染めの講習会を開催していますが、繊維素材の違いや、草木染や藍染の染色方法でも扱い方が変わってきます。それぞれの繊維の特徴や染色方法を知ることで、いろいろな色合いの糸染めができます。
特に、糸を使って作品作りをする人には、糸染めは面白いかもしれませんね。
今後の糸染め講習会は、7月にウール絣糸(スオウ・鉄媒染)、9月にウール絣糸(セイヨウアカネ・アルミ媒染)、12月に絹絣糸(ガンビアカテキュー・銅媒染)を予定しています。
染色しているウールの糸
鮮やかな黄色に染まったウール糸
染糸で織った見本と精錬したウール糸
園内にあるコガネバナ
モンキアゲハを撮影 2017年6月9日
ここ数日、園内を飛んでいるのが気になっていたが、今朝、事務所の近くで蜜を吸っていたので、撮影に成功しました。
モンキアゲハは、日本で最大級のチョウで黄白色の大きな斑紋が特徴です。開張すると110~140ミリで、夏型は春型に比べて大型になるようです。幼虫の食草は、ミカン類、カラタチ、サンショウ類。日本では関東以西に分布し、北限は関東で、冬はサナギで越冬します。北日本ではサナギが越冬できないようです。
植物園は群馬県高崎市に位置し、北限に近いのかもしれません。私も今回はじめて観察できたチョウです。あまり大きく感じなかったので、写真のモンキアゲハは春型かもしれない。
技法講習会「藍染・ろう染」 2017年6月8日
ろう描きの技法で藍ろう染の基礎を学ぶ初心者向けの講習会が、6月8日(木曜日)に修了しました。4回コースで行われた講習会では、初めに小さな布での試験染で筆やチャンチンなどの使い方などを学び、その後にバンブーストールを制作しました。
ろう染は、ろうの使い方を上手にできるかが、仕上がりに大きく影響し、何よりも経験することが上達のコツともいわれています。
今回の講習会は、初めてろう染を体験する人もましたが、出来上がったストールはどれも良い感じに仕上がっていました。
写真は、受講者から作品への想いや感想を聞きながら、先生の講評を受けているところです。このアドバイスも受講者のレベルアップに貢献しているのではないでしょうか。
子どもワークショップ「お父さんにバンダナを染めよう」 2017年6月4日
父の日に、お父さんにプレゼンをするバンダナを染める子どもワークショップが、6月4日(日曜日)に開かれました。
バンダナは、藍染で木綿のバンダナを簡単な絞りの技法を使って、お父さんのへのメッセージや名前を染め抜きました。
子どもたちは、藍の臭いが「くさい、くさい」といいつつも、一生懸命に取り組んで、それぞれ個性的なバンダナが染まりました。
子どもたちにとっても、藍染のよい染色体験になったんではないでしょうか。
技法講習会「草木染・型染」5回目 2017年5月27日
技法講習会「草木染・型染」の5回目の講習会が5月27日(土曜日)に行われました。
型染は、屋外で刷毛で塗った染料を乾かしながら作業を進めます。そのため天候にとても左右されやすく、雨の日には、作業が進まないこともあります。昨日まで雨模様だった天気も今日は晴れ。
今年は、毎回天気の良い日が講習日で、作業も順調に進んでいるようです。
次回が最後の講習会ですので、作品のできあがりが楽しみです。
染めてみようシリーズ「草木染体験 産着を染める」2017年5月21日
赤ちゃんの産着をウコンで染める講習会を5月21日(日曜日)に開催しました。
午前中にウコンで産着を染め、午後は「背守り」の話しと刺繍の仕方を学びました。
ウコンは、殺菌や防虫の効果があることから、古くから産着や胴巻などで使われるほか、掛け軸、茶道具、陶器、着物などを包むウコン木綿などとしても使われてきました。
背守りは、古くから伝わる風習で、子どもたちの健やかな成長を願って子どもの着物や服の背中に魔除けの刺繍をするものです。簡単なものから、縁起ものなどのいろいろな形がありますが、染めた産着を着る赤ちゃんを思いながら、その成長を願って背守りを刺繍していただくのがよいと思います。
講習に参加された皆さんは、これからお子さんか生まれるお母さんや、お孫さんの誕生を待ち焦がれるお婆さんなどでしたが、赤ちゃんが生まれる人へのプレゼントとしても大変喜ばれるかもしれませんね。
ウコンで染めた産着の媒染
「背守り」について学ぶ参加者
フタリシズカが咲きました 2017年5月17日
フタリシズカは、センリョウ科の多年草で、この時期に植物園内の林の中に静かに咲く多年草です。
日本では北海道から九州に分布し、里山の林床などの日陰の湿気が多い場所に自生します。
名前は、能の謡曲「二人静」に由来しているといわれ、2本の花穂を静御前とその亡霊の舞姿からといわれています。
同じ仲間といわれているヒトリシズカは、見た感じや印象がまったく違っていますね。
ムラサキが咲きはじめました 2017年5月16日
毎年、5月の連休を過ぎると植物園のムラサキが咲き始めます。小さな白い可憐な花は、7月まで見ることができます。また、今年まいたムラサキの苗も発芽しています。ご来園の際には、ぜひご覧ください。
ムラサキは、その名前のとおり、古くから紫色を染める植物として親しまれてきました。
冠位制度では、紫色は高貴な色として高い地位の人の服色として使われた歴史があります。また、万葉集や古今集の歌にも登場し古来から親しまれた色であることがわかります。
近年、自生のムラサキは絶滅危惧種に指定されています。栽培してみると発芽しにくいことや、水や土の管理が必要など、育成に適した環境を整える必要があるようです。
植物園のムラサキは、来園者に見ていただくために育てています。染色のための根の採取までできない状況です。
また、ムラサキは漢方薬として利用され、解熱・解毒の作用があり、火傷や凍傷の軟膏としても効果があるようです。
昨年秋にムラサキの「紫紺染」の講習会を行いました。2016年11月27日の歳時記にも掲載していますので参考にしてください。
春に種まきをしたムラサキの苗
昨年の秋に種を採取して、今年の春に種まきをして発芽したムラサキ。
多年草であるが、発芽しにくく、2年目、3年目の大きな株も枯れて翌年芽がでないことも多い。
適正な環境で育成しないと、染色に使える太い紫根に育てるのは難しいようです。
技法講習会「藍染・ろう染」が始まりました 2017年5月11日
藍染・ろう染の講習会が、5月11日(木の画像)から4回コースで始まりました。
初回はデザインの制作とそのデザインを参考に小さなサンプルを作成しました。
溶かしたロウを筆やチャンチンなどを使ってデザインを描く練習をサンプル作りで練習しました。
4回の講習会で最終的には、約180センチのバンブーストールをろう描きの藍染で仕上げるます。
初心者向けの講習会ですので、はじめて参加する人のほかに、何度か参加している人もいますが、最終日には藍染ろう描きのすばらしい作品ができることを期待したいと思います。
布にロウでデザインを描く
一度藍染して乾かし、さらにロウで描く
「行こう!里山たんけん 新緑の観音山を歩く」 2017年4月30日
快晴にめぐまれた4月30日(日曜日)、春の恒例事業「行こう!里山たんけん ~新緑の観音山を歩く~」が開かれました。丘陵の木々に咲く花や新緑を楽しみながら里山の自然に触れて、樹木や草花、虫などの話しを聞くことのできた楽しい一日になりました。
クスノキの葉を揉んで臭いをかいだり、コナラの雄花や雌花を確認したりしました。また、林床に群落を作っているチゴユリの可憐な花をみたりしました。
また、丘陵はその昔は川だったことがわかる場所も見ることができました。
2日前の下見のときには、エノキの葉にアカホシゴマダラのチョウの幼虫を発見し、里山たんけんのときに観ることができると期待しましたが、残念ながら見つけることができませんでした。
天気にも恵まれ、新緑の下での森林浴を楽しみながら、講師の自然や虫たちの話題も楽しく、いろいろ興味深く学ぶことのできた里山たんけんだったのではないでしょうか。
また、秋にも里山たんけんを予定しています。
コナラ
コナラの花が見ごろでした。垂れ下がっているのが雄花。
どんぐりの実となる雌花は、葉の先の小さな突起で、花を見ながら確認しました。
チゴユリ
春の丘陵の明るい林床に大きな群落を作って咲きます。
和名の「稚児百合」はうつむいて咲く小さく可憐なことによるといいます。
この時期は、観音山丘陵でも植物園でも見ることができます。
アカメガシワ
アカメガシワの若葉を採取して、紙の上に置き、ティッシュを載せて爪でこすると、きれいな葉を写し取ることができました。
アカメは、若葉が鮮紅色で美しいことが名前になっています。花は6月~7月。秋に黒い実をつける。葉、種子、樹皮をせんじて赤色染料に。葉を腫れものの外用薬、樹皮を胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃酸過多小症に利用される。
アカボシゴマダラの幼虫(タテハチョウ科)
下見時に見つけ撮影したアカボシゴマダラの幼虫。小さなエノキのため、講習会で見られることを期待したが、残念ながら発見できなかった。
日本では、奄美大島や徳之島に分布している。
平成10年に神奈川県藤沢市で発見される。人が中国から持ち込んだといわれている。環境省は本州におけるアカボシゴマダラを「要注意外来生物」に指定している。
企画展「ようこそ 高崎市染料植物園へ ~植物染色普及の歩み」はじまる 2017年4月28日
春の企画展「ようこそ 高崎市染料植物園へ ~植物染色普及の歩み~」が、4月28日(金曜日)からはじまりました。
平成6年に開園した染料植物園は、植物染色の普及に向けて、多彩な知識と技を持つ講師の方々にご協力、ご指導をいただきながら、さまざまな技法による植物染色の講習会や植物への理解を深める講座を開催してきました。
この企画展では、今まで開催した各種の講習会や講座のようすを紹介するほか、講師の作品も展示させていただきました。
また、植物園が地道に行ってきた藍の管理や、蓄えてきた染色試験データーの初めての公開など、植物染色の魅力を発信し続けるさまざまな取り組みをご覧いただけます。
企画展は、6月11日(日曜日)まで開催しています。
講師の作品展示です。
展示作品は、写真の右から、
みずむらやよい先生の「ブルームーン」正藍染・型染・筒描き
篠崎 節先生の「あせび」草木染・型染
今井ひさ子先生の「ロウふぶき」草木染・ろう描き
写真右から
岡田教子先生の「経緯絣吉野格子帯地(たてよこかすりよしのこうしおびじ)」草木染・糸染・絣織
山崎和樹先生の「吐糸(とし)」草木染・糸染
吉村晴子先生の「花暦(はなごよみ)」草木染・ろう描き
関礼子先生の「冬のたのしみ」藍染・ろう描き
染料植物園の設立にご尽力いただきました故人の山崎青樹先生の作品も展示しました。
写真の「草木画 染料植物画譜」は、植物50種類を伝統的な扇面散らしの形式で描かれています。
また、「草木画 榛名の朝」の展示もしています。
そのほか、植物園の講習会として行っている「里山たんけん」「自然観察会」「ネイチャーゲーム」「ネイチャークラフト」「写真教室」の活動内容などを紹介しています。
染料植物園では、開園以来さまざまな染料植物の試験染めを行っていますが、そのひとつに1年を通じてどの季節にどのような色が染まるのか、染料植物を通年ごとに追跡し試験染をしています。
季節とともに、花芽や葉芽が出て花が咲き、葉を茂らせ、結実させ、紅葉し、葉を落とす植物のサイクルと染め色との関係も興味深いものがあります。
今回、初めて公開する資料です。植物染色の堅牢度なども紹介しています。
藍を発行させて初める液の状態にすることを「藍を建てる」といいます。藍建てには人やその土地によりさまざまな違いや方法があります。
染料植物園では、蒅(すくも)と灰汁(あく)を使った「灰汁発酵建て」をしています。
藍を仕込んでから、藍染ができるまでの工程を紹介しています。
技法講習会「草木染・ろう染」 2017年4月28日
4月上旬から4回にわたって開かれた技法講習会「草木染・ろう染」の講習会が修了しました。
製作した絹のストールは、デザインをろうで絵柄を描いて、複数の染料と媒染を使い、それぞれ春を感じる個性的な色合いで仕上がりました。
染料と媒染を使い分けることで、植物染色の面白さや味わいを楽しめた講習会となったと思います。
作品展「萩の会~草木染・藍染の手描き手絞り~技法講習会をうけた仲間たち」を開催 2017年4月28日
4月28日(金曜日)から5月7日(日曜日)まで、染色工芸館3階の多目的室で、植物園の自主学習サークルの民さんの「萩の会~草木染・藍染の手描き手絞り~技法講習会をうけた仲間たち」を開催しています。
自主学習サークルは、染料植物園で主催する技法講習会を受講した皆さんのサークルで、実習室を利用して自主的に染色を行う機会を設けています。
作品展では、講習会や自主サークルで製作した作品や自主的に製作した作品など、藍染や草木染の多くの作品が展示されました。
作品展は、2年ぶりに開催。それぞれ個性豊かな作品が集まりました。
ホウチャクソウとジュウニヒトエが咲く 2017年4月20日
「ホウチャクソウ」花色・帯黄緑(ユリ科)
この時期、観たい花の一つにホウチャクソウがある。林の中に咲く淡い黄緑の白い花がとてもいい。
この花は、故・瀧田吉一さんの著書「観音山の植物 ~里山の花を訪ねて~」の表紙を写真で飾っている。
昭和62年から平成7年まで100回にわたり広報高崎に絵と文で掲載され、平成8年に一冊の本にまとめられた。そして鉛筆画は染料植物園の所蔵となった。
「観音山の植物」のホウチャクソウの項を紹介したい。
寺院の堂・塔の軒に下がっている風鈴状の飾り物を「宝鐸(ほうちゃく)」という。
吊り下がって咲く、淡い黄緑を帯びた白色の花の姿を宝鐸に、見立てたものである。
分布は、北海道、本州、四国、九州などで、林の中、竹薮の中などに咲く。花の長さは、およそ3センチ程になるが全開しない。
山菜好きの知人が、この花を摘んで汁に浮かせて食べたと聞いた。なかなか風流な話だなと思ったら、あとで下痢をして困ったそうだ。バイケイソウ、スズランも同じユリ科で、日本産の代表的な毒草である。
近似種にナンゴクホウチャクソウがあるが、ここ観音山には産しない。
「ジュウニヒトエ」 花色・淡紅、白(シソ科)
そして、ホウチャクソウの近くに咲いていたのが、ジュウニヒトエである。この花も「観音山の植物」に掲載されている。
平安時代の貴族の女性の正装を十二単衣(じゅうにひとえ)という。重なり合って上へ上へと咲く花穂(かすい)をそれに見立てたのだという。花は名から想像するほどの華やかさはない。しかし、ほんのりと紅を含んだ花の風情は捨てがたく、時には純白のものもあり、なかなかのものである。(略)
園芸種のジュウニヒトエとは、まるで違う。やはり、名のように春の野山の隠れた、花の姫君だ。
瀧田さんには、染料植物園の講師としてもお世話になった。ホウチャクソウを観るとその人柄が偲ばれる。
アミガサタケを見つけました 2017年4月18日
4月18日、園内の林床にアミガサダケを見つけました。私もはじめて見ましたが、比較的大きな傘をもち、存在感のあるキノコです。写真のアミガサタケは高さ5~6センチぐらいでした。
図鑑をみると、春に林内などに生え、食用となるが生食すると中毒になるとあります。バターを使ってじっくり煮込む料理に合うとありました。
キノコ類は、生物としては植物に分類されていますが、葉緑素をもつ植物とは、体のつくりも、生活のしかたも、生殖のしかたなども大きく異なっています。そして何よりも、その種類が数万種類あるともいわれ、普段から常に観察することが難しいのも、身近な植物となりにくい感じがします。
しかし、普段から常にみることができないことや、季節や環境が適した場所に発生するなど、その気ままさが面白く、魅力なのかもしれませんね。
技法講習会「菊池周子の草木による和紙夾纈染」 2017年4月16日
園内に春のかおりが漂う4月16日(日曜日)、技法講習会「菊池周子の草木による和紙夾纈染(わしきょうけつぞめ)」の染色講習会が開かれ、高崎友の会「くりの会」の皆さんにご指導いただきました。
昨年の12月にも和紙夾纈染を行っていますが、今回は夾纈染をした和紙で、うちわを作りました。
草木染料は、シブキ、スオウ、ログウッド、アカネ、キハダ、クリの6種。媒染は、アルミと銅、鉄の3種を用意。染色方法は、三角に折った和紙の角に草木染料を染み込ませて、広げると万華鏡のような雪花模様になります。そのデザインは、三角形の折方と染料の付け方でさまざま。そして、媒染ではアルミ明るく、鉄媒染は落ち着いた雰囲気で使い分けることができます。
そして、染色した和紙でうちわをつくりました。和的なデザインで浴衣とよく合いそうなうちわになりました。
草木染で和紙を染める技法は、菊池周子さんが長年にわたって研究して、使用に適した和紙の研究や、草木染料の濃さなどほか、和紙を布のように扱える方法なども研究し、工芸品としても利用できるようにした大きな功績を残されています。
(2016年12月18日歳時記にも和紙夾纈染の記事があります。)
草木染料は6色用意
三角に折った和紙を染色する
銅媒染で使用する液
染色した和紙に媒染剤を塗る
和紙を布のように使用した工芸品
講習会で作った和紙夾纈染(わしきょうけつぞめ)うちわ
タデアイとベニバナの生育 2017年4月15日
今年は3月10日にタデアイの種まきをして、3月17日ベニバナの種まきを行いました、そして、約1か月が経過した4月15日の生育状況は写真のようになりました。
タデアイ(左の写真)
アイは苗をもう少し大きく(約15センチ)して、5月の上旬から中旬に畑に移植を予定しています。6月になり、梅雨になると水が好きなアイはどんどん大きくなります。堆肥や化学肥料などもしっかり与えることで大きく育ちます。
大きく育ったアイを使って、夏休みの8月に藍の生葉染を行います。絹スカーフなどが爽やかな水色に染まり、夏休み限定の染色体験になっています。
9月から10月に花が咲きます。11月ごろに種が採れるので乾燥して保存し、翌年の春(3月)にまきます。
2月の来園者に植物園で採取した種をプレゼントします。
ベニバナ(右の写真)
ベニバナは、畑にじかまきをして育てています。もう少ししたら間引きをします。梅雨時期は、アブラムシがつきやすく多湿に弱いようです。ベニバナで有名な山形県では7月上旬ごろから花が咲き始めるようですが、植物園では昨年が6月16日に開花しています。7月上旬まで花を楽しめます。
8月に木が枯れたら刈り取って干し、乾燥したら種子を採ります。
1月の来園者に採取したベニバナの種をプレゼントします。
技法講習会「草木染・型染」はじまる 2017年4月15日
毎年、春のこの時期から開催している技法講習会「草木染・型染」が、4月15日(土曜日)から始まりました。
この講習会は、6回のコース。型紙の図案作りからはじまり、型彫り、紗張り、糊置き、染色、糊落とし・蒸し・仕上げなどの工程を6回に分けて行います。
初日は、園内で採取した花や草を使って型紙の図案づくりを行いました。実際のスケッチと型紙にするスケッチでは、少し違ったコツが必要のようです。
型染の作品ができるまでは、型彫りや紗張り、糊置き、染色などそれぞれの工程で技法のコツがあるようです。
受講する人は、何度か参加した人や初めての人などさまざま。誰もが楽しんで良い作品ができることを期待したいと思います。写真は、早朝園内の花などを採取。この花や草をスケッチして型紙に使います。
世界の染織紀行 お話の会「ブータン王国の染めと織り」 2017年4月9日
園内外のサクラが見ごろになった4月9日(日曜日)、久保淳子さんを講師に迎え、世界の染織紀行「ブータン王国の染めと織り」をテーマにお話の会を開きました。
これまで久保さんには、講演会のほか、展示等でもお世話になりました。今回は写真や映像でブータン王国の染めや織りをご紹介いただくとともに、数多くの衣裳や織物、染糸などをお持ちいただき、皆さんに見ていただきました。
古くからブータン各地に伝わる天然染色や織物のこと、インドと中国に挟まれたヒマラヤ地域のブータンの伝統や文化などの特色についても興味深くお話ししていただきました。
さらに、ブータンのお菓子を作ってお持ちいただき、皆さんに食べていただいたこともあり、和やかな雰囲気のお話の会になりました。県内外から天然染色に興味のある方や織りをしている人などの参加もあり、お話の会が終了した後も多くの方々が先生と染色や織物などの話題で懇談していました。
上の写真は、女性の民族衣装「キラ」の着付けをしているところです。青色の布は袖もボタンもない一枚の長方形の大きな布です。肩のところにコマと呼ばれるブローチで留めて体に巻きつけていき、形を整えてから帯を巻きます。
「世界の染織紀行」は、今回初めて開催しました。今後も不定期の開催となると思いますが、世界各地の染織やその地域の伝統・文化などを紹介していくことができればと考えています。
民族衣装のキラに使う帯。
ラックやウコンで染めている
ブータンの民族衣装や織物などを展示。
アカネやラック、ウコンなどで染めた糸
染める前のいろいろな糸も紹介
伝統的な模様の衣装や織物
形が面白い手作りのブータンのお菓子
自然観察会「サクラを観察しよう」 2017年4月8日
朝から雨模様の4月8日(土曜日)、自然観察会「サクラを観察しよう」を開催し、約40人が参加しました。
園内や園周辺のサクラは、ソメイヨシノやエドヒガンが満開。トウカイザクラはしばらく前から咲き、数日前からオオシマザクラが咲き始めました。オオヤマザクラやサトザクラも園内にありますが開花はこれからです。
また、今日の観察会のために、チチブザクラ、ヨウコウ、ジュウガツザクラなどのサクラも講師の方に用意いただき、いろいろな種類のサクラの花を見ることができました。
参加した人たちは、サクラの種類の多さや見分け方の難しさなども知ることができたようです。
下の写真は、今回の自然観察会で見たサクラです。花の形や花色、大きさななど、それぞれ特徴があって違いが分かります。
ちなみに、ぐんま自然観察指導員会による観音山丘陵のサクラの調査では、野生種は、エドヒガン、ヤマザクラ、ウスゲヤマザクラ、カスミザクラ、ニッコウザクラ(?)です。
植物園内には、ソメイヨシノ、シダレソメイヨシノ、カンヒザクラ、オオヤマザクラ、オオシマザクラがあります。
園外の丘陵などには、ソメイヨシノ、オオシマザクラ、マメザクラ、シダレザクラなどのほか、カンザクラ系のものもあるようです。
野生種のものや植栽されたものなどさまざまですが、数多くの種類のサクラを見ることができます。花の咲く時期も3月後半から4月中旬まで種類によってさまざま。花色や大きさなどの特徴も少しづつちがうので、花が咲くこの時期によく観察するのも面白いかもしれません。
ソメイヨシノ
トウカイザクラ
エドヒガン
オオシマザクラ
カンヒザクラ
講師が用意したチチブザクラ
講師が用意したジュウガツザクラ
講師が用意したヨウコウ