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平成26年度のお題
『わけえし』(その1)【3月1日号】
3月のお題「わけえし」は、「若者」を意味するおらほうの言葉です。
昨年記録的な大雪に見舞われた市内。雪かきで活躍した地域のわけえしに感謝する句も寄せられました。昔に比べるとおとなしいと思われがちな今のわけえし。いざとなれば頼りになるものです。
- わけえしと 呼ばれた頃は 髪もあり
(新町 新井 豊作) - 町内の わけえし募りゃ 長寿会
(大橋町 古澤 慶之) - わけえしに 席を譲られ 苦笑い
(八幡町 矢島 百合子) - わけえしの イケメン講師に 胸躍り
(倉賀野町 鳥羽 かおる) - わけえしは 絵文字で告げる 恋心
(倉賀野町 高田 喜久雄) - わけえしの 力が嬉し 雪降ろし
(八幡町 須田 美千代) - 物忘れ 笑うなわけえし 歩む道
(倉賀野町 高田 敬子)
(敬称略)
お便り紹介
「老いたとて わけえしに負けぬ 野良仕事」歳をとってもまだまだ畑仕事は若者には負けない。元気で頑張っている。(石原町の櫻井 義政さん)
『やっぱし』【2月1日号】
2月のお題「やっぱし」は、「やっぱり」を意味するおらほうの言葉です。
節分と言えば豆まき、豆を投げ付けられる鬼役は一苦労。でも、部屋中に散らかった豆を片付けるお母さんはもっと大変。やっぱし頼りになりますね。
- 婆ゆずり やっぱし孫も 口八丁
(倉賀野町 田村 佐和子) - さァ禁煙 やっぱしダメダメ スモーカー
(新町 新井 豊作) - うまくやる 秘訣はやっぱし 尻敷かれ
(倉賀野町 高田 喜久雄) - どうしても やっぱし隠せぬ シミとシワ
(倉賀野町 金子 洋子) - 今月も やっぱし載らぬ 投稿欄
(吉井町吉井川 小林 道雄) - 年の功 やっぱし婆ちゃん 頼れるね
(八幡町 須田 美千代) - ちゃん呼びで やっぱしうれしい 同窓会
(八幡町 梅村 ヨシ子)
(敬称略)
お便り紹介
「七億円 やっぱしはずれた 三百円」当たりっこないよ!とは思いつつ、それでも買わなければ当たらないので・・・(山名町の松本 妙子さん)
『はぐる』【1月1日号】
1月のお題「はぐる」は、「めくる」を意味するおらほうの言葉です。
お正月と言えば初売りの新聞広告。大量のチラシをはぐっていると、百八つの鐘とともに消したはずの煩悩が早くも顔をのぞかせます。
- 指なめて はぐる仕草を 孫がまね
(倉賀野町 鳥羽 かおる) - 掛け布団 はぐって猫を さそってる
(聖石町 小林 千美) - 今師走 はぐるの忘れ まだ九月
(和田多中町 黒澤 繁) - 忘年会 のれんはぐって 千鳥足
(下豊岡町 岡田 賢六) - 広報は 裏からはぐる 投稿者
(倉賀野町 田村 佐和子) - 初詣 御くじはぐって 苦笑い
(飯塚町 小野寺 アイ) - 赤札を はぐって元値も 知りたいな
(倉賀野町 高田 喜久雄)
(敬称略)
お便り紹介
「おねしょして 布団はぐられ 隠す孫」孫が幼稚園の頃、よくおねしょをして起きてこない。布団をはぐられ、大きな地図を隠そうとした仕草が思い出されました。(中室田町の清水 正幸さん)
『そこいら』【12月1日号】
12月のお題「そこいら」は、「その辺」を意味するおらほうの言葉です。
季節や年齢をネタにひとひねりした句も。今回は小学生の「おらほう使い」も登場しました。
- そこいらは 分かってくれやぁ 古女房
(上中居町 枝窪 俊夫) - そこいらへ 隠したへそくり 見つからぬ
(山名町 石井 歌子) - 孫来ると そこいらじゅうに 物あふれ
(倉賀野町 高田 敬子) - そこいらで やめなと年齢の せいにされ
(江木町 茂木 富男) - 気を付けよう そこいら中で サギ被害
(山名町 上原 正雄) - 孫連れて そこいらちょっと 二人旅
(昭和町 中澤 庄八郎) - そこいらに いちょうがおちて ひらひらと
(吉井町吉井 江原 諒)
(敬称略)
お便り紹介
「そこいらに あるんだべぇと 上州弁」隣県、信州より上州に嫁いで61年の歳月を送り、すっかり上州人になりました。いつも楽しみにしています(栄町の山田 庚さん)
『押さまえる』(その2)【11月1日号】
11月のお題は、「押さまえる」です。「押さえる」を意味するおらほうの言葉ですが、「捕まえる」の意味で使われることもあります。中には泥棒や詐欺グループを捕まえようとする勇敢な句もいただきました。いやはや頼もしい限りです。
- アッチッチ 耳押さまえた なべ奉行
(飯塚町 飯塚 芳男) - ゴキブリを 押さまえてから 助け呼び
(聖石町 小林 千美) - 押さまえて 歯磨きママの 口も開き
(上大類町 松本 節子) - そろそろだ 洗たく押さまえ からっ風
(東貝沢町3丁目 茂木 美絵) - からっ風 スカート押さまえ ペダル漕ぐ
(倉賀野町 田村 佐和子) - 押さまえた 両手すり抜け 裸の子
(飯塚町 小野寺 アイ) - 赤とんぼ そっと押さまえ すぐ逃がし
(八幡町 梅村 ヨシ子)
(敬称略)
お便り紹介
「食の秋 誰かこの手を 押さまえて」暑かった夏も過ぎ、山々が赤や黄色に染まる美しい季節とともに食欲の季節でもあります。(下豊岡町の岡田 賢六さん)
『こないだ』【10月1日号】
10月のお題は、「こないだ」です。「この間」を意味するおらほうの言葉です。
- またかいな こないだ聞いたよ 3回目
(倉賀野町 金子 洋子) - こないだの 喧嘩忘れて 碁石打つ
(上中居町 枝窪 俊夫) - うそみたい こないだハタチ もう還暦
(八幡原町 石原 由利子) - こないだを 忘れ昔を 覚えてる
(檜物町 三木 たみを) - 孫の顔 こないだ見たが もう見たい
(倉賀野町 高田 敬子) - こないだの 猛暑は何処へ 秋の風
(八幡町 須田 美千代) - 着ているよ こないだもらった ちゃんちゃんこ
(下佐野町 川崎 英雄)
(敬称略)
お便り紹介
「こないだまで 隣でいびき 亡き夫」この夏に亡くなった主人の笑顔が、ついこないだのように目に浮かびます。”おらほうの言葉”の大ファンだった主人の分まで、ひねりを磨いて頑張ります。(倉賀野町の田村 佐和子さん)
常連だった田村勲さんは、これまでに1200首を超える句を送ってくれました。「孫と風呂 肩を押さまえ 数かぞえ」お孫さんとの「川柳ごっこ」が楽しみだったという田村さん。長い間このコーナーを盛り上げてくださり、広報担当者一同、心から感謝を申し上げます。
『きない』【9月1日号】
9月のお題は、「きない」です。「こない」を意味するおらほうの言葉です。
お盆とあって、「まぁだきない」と子どもや孫の帰省を心待ちにする句が多く寄せられました。
- まぁだきない 外孫くるはず 夏休み
(飯塚町 飯塚 芳男) - 居れば邪魔 帰ってきないと 心配に
(倉賀野町 高田 敬子) - ほれ、あれよ あぁ、出てきない 情けない
(倉賀野町 高田 喜久雄) - 宝くじ 買えども女神 まだきない
(中室田町 武井 愛子) - 待ってても きないはずだよ 休刊日
(萩原町 土田 千恵子) - きないでと 祈れど台風 こっち向き
(箕郷町生原 平本 愛子) - 来る、きない 花占いで 君を待ち
(新町 清水 紀子)
(敬称略)
お便り紹介
「虫の声 まだきない秋 呼んでいる」毎日暑い日が続き息苦しささえ感じます。その中でも夜に虫の声を聞くと、気持ちだけでも涼しくなります。早く秋が来てほしいです。(下豊岡町の岡田 直江さん)
『あっちくて』【8月1日号】
8月のお題は、「あっちくて」です。「暑くて」を意味するおらほうの言葉です。
梅雨も明け、いよいよ夏真っ盛り。今回の句は、お題以上に皆さんの思いがあっちくて、読むだけで気温が上がるような気がしました。
- あっちくて 犬もだれてる 散歩道
(上中居町 枝窪 俊夫) - あっちくて 脳もだらけて 指令なし
(井野町 引田 敦子) - あっちくて 製氷室は 超多忙
(倉賀野町 儘田 晴子) - あっちくても 脱げない使命 ゆるキャラちゃん
(新町 新井 豊作) - あっちくて 下着ルックの 爺とバア
(倉賀野町 田村 佐和子) - あっちくても 顔にペタペタ 厚化粧
(倉賀野町 高田 喜久雄) - あっちくて 子どもの頃の 夏想う
(片岡町2丁目 吉田 正子)
(敬称略)
お便り紹介
「あっちくて 思うは ゆうげのビールのみ」昼間は水分補給も少なめにしてゆうげのビールを楽しみに。一杯飲んでは「あぁうまい」の言葉が思わずでてしまいます。(下豊岡町の岡田 賢六さん)
『よす』【7月1日号】
7月のお題は、「よす」です。「やめる」を意味するおらほうの言葉です。
「プールに連れてって」と公園の水遊びでは物足りない子どもたち。晩酌をよしてビール腹をへこますから、いまちっと待っとくれよ。
- もうよしなイ オレオレ詐欺に 説教し
(阿久津町 山口 ノブヱ) - はぁよすべ 禁煙宣言 またですか
(並榎町 和田 美紀) - 指が泣く スマホ一日 もうよすベェ
(八千代町4丁目 上原 興栄) - よしとくれ 安売シャツを ほめまくり
(上中居町 冨所 弘之) - 散歩よしゃ 口につけたい 万歩計
(倉賀野町 金子 洋子) - 赤提灯 よして帰れば 妻飲み会
(倉賀野町 田村 佐和子) - 夕暮れで ぼつぼつよすべえ 野良仕事
(矢中町 畑村 勲)
(敬称略)
お便り紹介
「バーチャンに よしなのサイン 長電話」話好きのおばあちゃんが入院して、仲間との電話もできなくなりました。家族は少々うるさくてもみんな元気がいいですね。(吉井町塩の落合 喜久男さん)
『へずる』【6月1日号】
6月のお題は、「へずる」です。「削る」を意味するおらほうの言葉です。
今回は、お小遣いをへずられたお父さんや、何とか体重をへずりたいお母さんの願いが込められた句が多く寄せられました。
- 鰹節 へずる味噌汁 母の味
(八幡町 梅村 ヨシ子) - へそくりを 見られ小遣い へずられる
(倉賀野町 田村 佐和子) - あくせくと へずる工面し 無駄遣い
(倉賀野町 高田 敬子) - 父さんは 小遣いへずられ 自転車で
(中尾町 黒崎 サチ子) - 増税後 一杯へずって ダイエット
(倉賀野町 金子 洋子) - 夢の中 きれいにへずる メタボ腹
(八千代町 上原 興栄) - へずられて 嬉しくなるよ 飲み薬
(上中居町 冨所 弘之)
(敬称略)
お便り紹介
「飯の量 へずった後で 菓子を食い」太らないようにご飯を少なくしたけれど、腹が減って眠れず、果物だのお菓子だの食べてしまう。これでは何にもならねえんで・・・(上佐野町の笹澤 康雄さん)
『おっつく』【5月1日号】
5月のお題は、「おっつく」です。「~に追いつく」を意味するおらほうの言葉です。
- 1着に おっつく2着に 拍手湧き
(吉井町塩 落合 喜久雄) - 節約し やっとおっつく 我が帳簿
(新町 新井 豊作) - 携帯に おっつくそばから スマホ来る
(本郷町 角田 サカ江) - 焼きいも屋 売る気ないのか おっつけねぇ
(山名町 上原 正雄) - 喫煙所 探す夫に おっつかない
(並榎町 和田 美紀) - 孫の身長 おっつく姿に 目を細め
(倉賀野町 金子 洋子) - 亡き父の 年齢におっつく あと2年
(和田多中町 黒澤 繁)
(敬称略)
お便り紹介
「嫁ぐ娘に おっつけ義母の 料理技」娘を嫁に送り出す母親は、相手の家風やしきたり、料理の味について心配でなりません。早くお義母さんに喜んでもらえる日が来るように祈っています(八幡原町の原田 晴弥さん)
『ちったぁ』(その1)【4月1日号】
4月のお題は、「ちったぁ」です。「少しは」を意味するおらほうの言葉です。
期待をこめた意味合いで使われていることが多いようで、ささやかな願いが見え隠れした句が寄せられました。川柳を詠んでちったぁ頭の体操でもしましょうか・・・。
- 年寄りも ちったぁおしゃれ 紅をさす
(上佐野町 朝岡 雪子) - 休日は ちったぁ手伝え 野良仕事
(山名町 上原 正雄) - 初孫を ちったぁ俺にも 抱かせろよ
(下佐野町 川崎 英雄) - 障子張る ちったぁずれたが 気にしない
(井野町 引田 敦子) - 物価高 ちったぁ小遣い 上げてけろ
(飯塚町 飯塚 芳男) - 旅先で ちったぁまけてと 粘る友
(倉賀野町 金子 洋子) - 初月給 ちったぁ足しにと 親に出し
(箕郷町生原 平本 愛子)
(敬称略)
お便り紹介
「育メンよ ちったぁ子供 しかってね」近ごろの若いパパはとても優しくて、子どもを叱るのはもっぱらママの役目。ここぞという所では、ガツンと叱ってほしいものです(中尾町の林 篤子さん)