本文
「兵隊盃に映った高崎 ーあの日々を忘れないー」
企画展概要
令和元年度 第1回企画展「兵隊さかずきに映った高崎 ーあの日々を忘れないー」展は、当館収蔵のさまざまなデザインの盃から高崎の歴史を知ろうとする展覧会です。
かつて日本では、軍隊の兵隊が兵役を終えて除隊するときや、戦勝を記念して知人たちに「兵隊盃(軍盃)」と呼ばれる盃を配る習慣がありました。盃の高台内に配った人の名前が入っている場合も多く、デザインもいろいろなものがありますが、特に日本を代表する桜の花や国旗が多いようです。高崎は明治時代から終戦まで軍隊の拠点になった場所であることから、兵営前の通りには兵隊盃などの記念品を売る店が軒を連ねていました。また、軍人が利用した飲食店の名入りの盃も多くあることが特徴です。
盃は主に日本酒を飲むために使う器ですが、日本酒の原料となる米は日本人にとって主食であり、命の源として重要視されたことから、稲作の農耕儀礼と酒は強く結びついています。米は神様からいただくもので、米でつくった餅や酒を神様に供えて感謝の気持ちを伝えます。神事の後には、供えた米や酒を下げて神様とともにいただく「神人共食」を行い、神様の力を体の中に取り込みます。その時に使う「盃」は日本人にとって神と人を結ぶ特別な道具であり、人と人を結びつけ、お互いの関係を神に誓った証拠となりました。このため、日本には古くから酒席での「盃のやりとり」があります。
今回の企画展では、盃を通じて人々の暮らしに根付いた日本の伝統や歴史を知る機会となりましたら幸いです。
企画展名
令和元年度 第1回企画展「兵隊盃に映った高崎 ーあの日々を忘れないー」展
会期
令和元年7月6日(土曜日)~9月1日(日曜日)
休館日:月曜日及び海の日の翌日7月16日(火曜日)、山の日の振替休日の翌日8月13日(火曜日)
おもな展示品
盃など約200点
入館料
無 料