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自然を染める アイ

ページID:0004120 更新日:2024年2月15日更新 印刷ページ表示

アイの写真

アイ

タデ科の1年草で葉は互生し、先のとがった卵形をしている。茎は50~80センチの高さになり、初秋に紅または白色で穂状の小花をつける。同じタデ科のイヌタデのような似た植物は身近にあるが、自生のアイは国内で見られない。

説明

「青は藍(あい)より出いでて藍より青し」と言われるように、アイの葉の色からは想像もつかないほど美しい青色がでてきます。藍染の歴史は古く、日本では正倉院宝物の中に「縹縷(はなだのる)」という奈良時代の藍染の絹ひもが残されています。

一般的に草木染では、葉や枝、樹皮、根などを煮出して染めますが、藍染では全く違った染め方をします。アイの葉をかめの中で自然発酵させ、インジゴという青い色素を葉の中から取り出して布を染めます。藍染の染色工程で独特なにおいがするのもそのためです。

発酵した液に布を浸した後、空気にさらすと、見る見る青色に変わります。かめの中の菌をいかに元気な状態に保つかによって、染まる色の良しあしが決まります。

この菌やにおいは、染めた物にも残り、「藍染の服を着ていると、虫や蛇が寄りつかない」とか、「藍染の靴下を履くと水虫にならない」と言われます。

アイの葉をすりつぶした汁で染める「生葉染」という簡単な方法もありますので、自宅でアイを育てて染めてみてはいかがでしょう。アイの葉を摘んでいると、指が青くなりますので、試してみてください。

アイの色
藍の色は染める回数が多いほど濃くなり、濃さによって(1)甕覗(かめのぞき)(2)浅葱(あさぎ)(3)縹(はなだ)(4)紺(こん)など独特な色名で呼ばれてきた