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自然を染める シャリンバイ

ページID:0004129 更新日:2024年2月15日更新 印刷ページ表示

シャリンバイ

シャリンバイ(バラ科)

宮城・山形県以南から九州、沖縄の海岸付近に自生する常緑低木または小高木。葉は狭卵形や広卵形で、厚く革質。5月ごろに枝先に白い花を咲かせ、球形の果実は秋に黒く熟す。和名の車輪梅は、枝が車輪状に広がり、ウメに似た花を付けることからついた。

説明

全国各地の名産品や伝統工芸品には、その土地に自生したり栽培されたりしている植物が多く使われています。

奄美大島の「大島紬(つむぎ)」も、島に自生するシャリンバイを使った泥染で染められています。

シャリンバイの樹皮を煮出した染液で絹糸を数十回染め、色を固着させるために石灰液に浸けてから、再度染液で染めます。その後、鉄分を含んだ泥田に浸けると、染液に含まれている色素成分と鉄分が結び付いてしっかり染まります。この作業を何度も繰り返し、大島紬独特の黒茶色に染め上げます。
染色に使う泥田は、ソテツ(蘇鉄)が自生しているところでないと良い色と風合いが出ません。鉄を蘇よみがえらせると書くソテツは、泥田に鉄分を補給しているのです。

シャリンバイは、耐潮性があるため、奄美大島では海岸をはじめ島中に自生しています。地元ではテーチ木と呼ばれ、ソテツとともに島の生活と切っても切れない植物になっています。

龍郷柄
大島紬・女物着物「龍郷柄(たつごうがら)」