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自然を染める ザクロ

ページID:0004127 更新日:2024年2月15日更新 印刷ページ表示

ザクロ

ザクロ(ザクロ科)

落葉高木~小高木で短枝の先はとげになる。葉は、ほぼ対生で短柄があり長だ円形で長さ4センチ。6~7月ごろ枝先に朱紅色の花をひとつ、または数個ずつ付ける。果実は秋に熟すと厚い果皮が割れ、多数の赤い外種皮が現れる。この種子の外皮を食用とする。

説明

近ごろ「女性の健康に良いのでは」と、スーパーマーケットでもザクロジュースを見かけるようになりました。

ザクロは、イラン、アフガニスタン、パキスタン、インドなどの西アジアが原産で、日本には平安時代に中国から伝わったと考えられています。果実は、汁が多く赤色で甘酸っぱいのが特徴です。また、根の皮や樹皮、果皮は薬用としても利用されています。

ザクロの実は、古代から希望や不死、豊穣(ほうじょう)のシンボルとされ、ソロモン王の神殿の飾りがザクロ唐草であったり、西アジアから発掘される女神の像が、ザクロの実を持っていたりします。日本では、子授け、安産、子育ての神とされる鬼子母神が、ザクロと深い関わりを持っています。

染色には、主に果実の果皮を用います。アルミ(みょうばん)媒染で黄色、鉄媒染で焦げ茶色を染めます。江戸中期の文献「鄙事記(ひじき)(貝原益軒)」には、ザクロの果実とビンロウジの実、五倍子、藍を使った黒染の方法が、江戸後期の文献「機織彙編(きしょくいへん)」には、ザクロの果皮とヤマモモの樹皮、藍を使った黒染の染め方が記されています。

ザクロの果皮で染めた生糸
ザクロの果皮で染めた絹糸