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母子感染を知っていますか?

ページID:0006337 更新日:2024年3月1日更新 印刷ページ表示

母子感染とは

細菌やウイルスなどの病原体(微生物)が原因となって発症する病気を「感染症」といい、何らかの微生物がお母さんから赤ちゃんに感染することを「母子感染」といいます。母子感染には、赤ちゃんがお腹の中で感染する胎内感染、分娩が始まって産道を通る時に感染する産道感染、母乳感染の3つがあります。

妊娠前から元々その微生物をもっているお母さん(キャリアといいます)もいれば、妊娠中に感染するお母さんもいます。妊娠中は、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなっています。細菌、ウイルスなど妊娠中のお母さんに感染すると、まれにお腹の赤ちゃんに影響が起きることがあります。主な母子感染による疾患には以下があげられますが、妊婦健康診査で検査が行われるものもありますので、きちんと受診しましょう。また、中にはまだ発見されていない感染症や検査が一般的に行われていない感染症もあります。

日頃から感染症の理解を深め、手洗いやうがいなどの感染予防に努めましょう。

主な感染症

主な感染症一覧
感染症名 HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス) 妊婦健康診査による検査の有無
血中のTリンパ球に感染するウイルスです。HTLV-1に感染した人のほとんどは、ウイルスによる病気を発症することなく一生を過ごしますが、ごく一部の人(年間感染者の1,000人に1人の割合)は、感染してから40年以上経過した後に、成人T細胞白血病(ATL)という病気になることがあります。
また、ATLよりもまれですが、HTLV-1関連脊髄症(HAM)という神経の病気が起きることがあります。お母さんがこのウイルスをもっていると、母乳を介するなどして赤ちゃんがHTLV-1に感染する可能性があります。授乳方法を工夫することによって赤ちゃんのHTLV-1感染の可能性を低くできることがわかっています。授乳方法については医師ともよく相談してください。
<関連リンク>
厚生労働省:HTLV-1<外部リンク>
感染症名 風しん 妊婦健康診査による検査の有無
風しんウイルスを病原体とする、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とする感染症です。
妊娠4週~20週に初めて風しんウイルスに感染した場合、赤ちゃんが難聴・白内障や緑内障・心臓疾患を起こすことがあります(先天性風しん症候群)。風しんにかかった記憶がなかったり、免疫(抗体)が十分にない女性は注意が必要です。
また、20代~30代の男性で風しんの免疫のない人はたくさんいるとされています。感染して家や職場などで妊婦さんにうつさないよう、妊娠する前に夫や家族などが予防接種を検討することも大切です。
なお、風しん感染がすべて先天性風しん症候群を起こすわけではありません。妊娠週数によってもリスクは異なります。不安なときはかかりつけ医などに相談をし、よく説明を聞きましょう。
<関連リンク>
厚生労働省:風しんについて<外部リンク>
群馬県:風しん<外部リンク>
感染症名 B型肝炎 妊婦健康診査による検査の有無
赤ちゃんに感染しても多くは無症状ですが、まれに乳児期に重い肝炎を起こすことがあります。将来、肝炎、肝硬変、肝がんになることもあります。
感染症名 C型肝炎 妊婦健康診査による検査の有無
赤ちゃんに感染しても多くは無症状ですが、将来、肝炎、肝硬変、肝がんになることもあります。
感染症名 HIV感染症(後天性免疫不全症候群) 妊婦健康診査による検査の有無
赤ちゃんに感染して、進行するとエイズ(後天性免疫不全症候群)を発症します。
感染症名 梅毒 妊婦健康診査による検査の有無
赤ちゃんの神経や骨などに異常をきたす先天梅毒を起こすことがあります。
感染症名 水痘(水ぼうそう) 妊婦健康診査による検査の有無 ×
免疫のない女性が妊娠中に感染すると、まれに赤ちゃんに眼の異常や皮膚の委縮が生じることがあります。妊娠週数によっても異なります。
感染症名 性器ヘルペス 妊婦健康診査による検査の有無 ×
性感染症の一つで、単純ヘルペスウイルスが原因です。外陰部に水疱やかぶれが起こり、一度感染すると体内の神経節に潜伏、妊娠中に症状が出てくることがあります。産道感染すると赤ちゃんが重症の肺炎や脳炎を引き起こすことがあるので、帝王切開が必要なことがあります。
感染症名 B群溶血性連鎖球菌(GBS) 妊婦健康診査による検査の有無
B群溶血性連鎖球菌は、女性の膣内や肛門付近に比較的よく認められる細菌です。産道感染すると、赤ちゃんが髄膜炎や敗血症などを起こす心配があるので、陣痛時や破水時、母体に点滴で抗菌薬を投与して産道感染を防ぎます(母体に影響はないので、妊娠中は治療しません)。
感染症名 性器クラミジア感染症 妊婦健康診査による検査の有無
若年層の女性に多い感染症で、原因はクラミジア・トラコマチスです。自覚症状がないのが特徴です。気づかないまま赤ちゃんに産道感染すると、新生児肺炎や結膜炎を起こします。抗菌薬で、出産までに完治を目指します。
感染症名 サイトロメガロウイルス 妊婦健康診査による検査の有無 ×
サイトロメガロウイルスによる感染症です。
多くの人は成長の過程で免疫(抗体)を獲得しますが、特に妊娠初期に初めて感染した場合は、お腹の赤ちゃんに肝臓障害や難聴などの影響が出ることがあります。
<関連リンク>(患者の会のホームページに詳しい記載があります)
トーチの会:サイトメガロウイルス<外部リンク>
感染症名 トキソプラズマ症 妊婦健康診査による検査の有無 ×
過熱が不十分な肉、猫のフン、土などに存在する原虫による感染症です。
妊娠中に初めて感染した場合、ごくまれですが、胎児に影響が出る場合があります。免疫(抗体)があればまず心配はありませんが、ペットのフンの始末などの衛生には気をつけましょう。
<関連リンク(患者の会のホームページに詳しい記載があります)
トーチの会:トキソプラズマ<外部リンク>

関連情報

NIID 国立感染症研究所(母子感染)<外部リンク>

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