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令和元年度(平成31年度)のお題
『きにった』【3月1日号】
3月のお題は「きにった」で「気に入った」を意味するおらほうの言葉です。
- ゆたんぽの この温もりが きにってる
(倉賀野町 藤田 エミ子) - 今日もまた きにった仲間と 居酒屋へ
(上小鳥町 白石 廣志) - とっとくべ きにったおかず 最後まで
(上中居町 枝窪 俊夫) - 半世紀 きにった洋服 捨てきれず
(町屋町 桜井 覚) - あのときゃさ きにったお前も 共白髪
(乗附町 高橋 亜紗子) - 爺ちゃんの きにった席に 猫眠る
(井野町 引田 敦子) - 春そこに きにったスカート 出番かな
(倉賀野町 金子 洋子)
(敬称略)
お便り紹介
「ほろにがい きにった味覚は 蕗お焼」フキノトウが例年より早く芽を出し、女房がフキの入った焼き餅を作ってくれました。口の中はほろ苦い春の味覚でいっぱいです(中室田町の清水 正幸さん)
フキノトウは高崎でも栽培されてるんさ。フキのお焼きやフキみそを食べると、春の訪れを感じるんね。
『あすぶ』【2月1日号】
2月のお題は「あすぶ」で「遊ぶ」を意味するおらほうの言葉です。
- 食って寝て 飲んであすんで お正月
(上中居町 守谷 宏) - お正月 猫とあすんで 炬燵ばん
(八幡町 梅村 ヨシ子) - あすぶ子の 手にお年玉 握りしめ
(井野町 引田 敦子) - 玄関に ランドセル投げ あすぶ孫
(倉賀野町 金子 洋子) - 子から孫 あすんだおもちゃ 引き継がれ
(倉賀野町 高田 喜久雄) - 少年期 あすんだ仲と 続く文
(新町 新井 豊作) - あすぶのも 元気の秘訣 長寿会
(新町 清水 紀子)
(敬称略)
お便り紹介
「ちゃん付けで あすぶ仲間は 同い年」小中学校時代の同級生の女子が集まる食事会では、みんな童心に返って「○○ちゃん」と呼び合います。なごやかな時間です(倉賀野町の藤田 エミ子さん)
昔の仲間とあすんだら会話も弾まぁね。そんなときは一つ「おらほうの言葉」でも考えて盛り上がってくんない。
『とっけえる』【1月1日号】
1月のお題は「とっけえる」で「取り換える」を意味するおらほうの言葉です。
- だいどこを システムとやらに とっけえる
(上中居町 枝窪 俊夫) - とっけえる 気はなし愛車 十五年
(上室田町 萩原 今朝吉) - できるなら とっけえてみたい 目鼻立ち
(本郷町 角田 サカ江) - ゲン担ぎ 今日はネクタイ とっけえる
(筑縄町 山田 誠) - とっけえた 新札待つや ポチ袋
(倉賀野町 鳥羽 かおる) - とっけえる 暦で気がつく うるう年
(江木町 茂木 富男) - 目を入れて 縁起ダルマ とっけえる
(上佐野町 小山 英雄)
(敬称略)
お便り紹介
「レジ前で 安いのめっけて とっけえる」買い物はあれこれ見定めるのが楽しみですが、買おうと決めた後も迷ってとっけえることがあります(下豊岡町の岡田 直江さん)
今回は学生時代を高崎で過ごして、今は山形にいる人からの応募もあったんさ。まーずうれしいんね。また応募してくんない。
『いぼる』【12月1日号】
12月のお題は「いぼる」で「怒る」「すねる」を意味するおらほうの言葉です。
- 幼き日 いぼって母を 困らせた
(山名町 池田 文恵) - 三男坊 付いたあだ名が いぼり虫
(上中居町 枝窪 俊夫) - 七五三 いぼっていた子の すまし顔
(箕郷町下芝 上原 つる代) - いぼるのも 育ちの証し 頼もしい
(新町 新井 豊作) - ありがとう 言われていぼる 人おらず
(倉賀野町 高田 敬子) - ヘソ曲げて いぼってねえで さあ一杯
(飯塚町 中村 豊雄) - いぼってる 孫の顔みて 笑うジジ
(倉賀野町 金子 洋子)
(敬称略)
お便り紹介
「靴履かす ばぁばじゃ嫌だと いぼる孫」私が靴を履かせようとしても、ママじゃなければ嫌だと足をばたつかせます。ママが一番なんですね(吉井町中島の森 和子さん)
市では、子育て中のパパ・ママを応援する取り組みをいろいろやってるんさ。今回号の広報高崎でも紹介しているから、読んでみてくんない。
『ひとっきり』【11月1日号】
11月のお題は「ひとっきり」で「しばらくの間」「ひととき」を意味するおらほうの言葉です。
- ひとっきり 泣けば気が済む 痴話喧嘩
(町屋町 桜井 覚) - ひとっきり 戻る青春 クラス会
(倉賀野町 鳥羽 かおる) - ひとっきりの 夢でも見るか 宝くじ
(下佐野町 川﨑 英雄) - 古稀がきて ひとっきりして 米寿きた
(箕郷町上芝 関口 春道) - ひとっきり 腰のすべえと 鎌を置く
(倉渕町三ノ倉 土屋 力) - ひとっきり まどろむつもりが 爆睡し
(吉井町黒熊 吉田 笑津古) - ひとっきり 続いた雨も 晴れ上がり
(新町 新井 豊作)
(敬称略)
お便り紹介
「線香を 手向けて祈る ひとっきり」毎年彼岸に墓参りに行きます。墓前に手を合わせた後、周りの山を眺めるとすがすがしい気持ちになります(下豊岡町の岡田 賢六さん)
皆さんの投句を読むのが、いつも楽しみなんさ。でも次回のお題は、なかなかひとっきりでは思い付かないんさね。
『おやす』【10月1日号】
10月のお題は「おやす」で「終わらせる」を意味するおらほうの言葉です。
- ほぼ徹夜 宿題おやし 新学期
(倉賀野町 鳥羽 かおる) - 立ち話 おやすおやすと 長話
(下豊岡町 岡田 直江) - 稲刈りを おやし畦道 イナゴ捕り
(倉賀野町 田村 佐和子) - 草むしり おやして風呂と 缶ビール
(倉賀野町 金子 洋子) - じゃあまたと おやすつもりが またしゃべり
(倉賀野町 高田 敬子) - 楽しみは 手仕事おやし 見る相撲
(八幡町 梅村 ヨシ子) - 腰のばし 早くおやすべや 茜雲
(新保町 町田 洋子)
(敬称略)
お便り紹介
「草刈りを おやした後の 生ビール」広い土地の草刈りをした夫。汗をかいた後のビールの喉ごしがたまらないと言っています(倉賀野町の堰塚 みや子さん)
今回は、ひと仕事おやしてビールやお茶を飲む句が多かったんさ。おやした後の楽しみがあると、仕事もはかどらぁね。
『〜たい』【9月1日号】
9月のお題は「〜たい」で「〜たよ」を意味するおらほうの言葉です。
- 暑かったい お手上げだったい 老二人
(筑縄町 山田 誠) - 孫たちに 生きる喜び 貰ったい
(町屋町 桜井 覚) - 孫つれて 高崎まつり 見てきたい
(下佐野町 川﨑 英雄) - 老いの坂 踏ん張る膝が 笑ったい
(倉賀野町 高田 敬子) - 帰えったい 寂しさ孫の 置き土産
(倉賀野町 田村 佐和子) - 惚れたんは どっちかなんて 忘れたい
(上中居町 枝窪 俊夫) - ぐっすりの 妻に言ったい ありがとう
(倉賀野町 高田 喜久雄)
(敬称略)
お便り紹介
「宿題は 言われる前に 終わったい」昔の職場の仲間3人で、「おらほうの言葉」にみんなが載ったら会おうと約束していました。7月1日号で実現し、40年ぶりに再会しました(吉井町黒熊の吉田 笑津古さん)
おらほうが思いがけずつないだ縁。おせぇてもらって、まーずうれしかったい。これからも投句してくんない。
『はんぺた』【8月1日号】
8月のお題は「はんぺた」で「2つに分けたうちの1つ」を意味するおらほうの言葉です。
- 約束の はんぺた切符の 想い出か
(新町 杉本 曉) - はんぺたに 分けて両方 妻が食べ
(倉賀野町 高田 喜久雄) - はんぺたの どっちを取るかで またケンカ
(上中居町 枝窪 俊夫) - 焼き芋を はんぺたずつの 老二人
(飯塚町 高畑 松恵) - はんぺたに すれば笑顔も ふたつ分
(倉賀野町 高田 敬子) - はんぺたの 月に誘われ 夜散歩
(上小鳥町 星野 政治) - はんぺたを バーバにあげると もみじの手
(下室田町 湯浅 フミ子)
(敬称略)
お便り紹介
「おいしいね はんぺたにして 味くらべ」半分に切ったこしあんとみそあんのおまんじゅうを、親子で味見しました(倉賀野町の藤田 エミ子さん)
今回は食べ物に関する投句が多かったんさ。あの人と2人で食べれば、はんぺたずつでもうんまく感じるんさね。
『こんつぎ』【7月1日号】
7月のお題は「こんつぎ」で「この次」を意味するおらほうの言葉です。
- 立っちした こんつぎ何が できるかな
(吉井町黒熊 吉田 笑津古) - 孫帰る こんつぎまたねと 指きりす
(檜物町 三木 たみを) - こんつぎも 元気で会おう クラス会
(筑縄町 山田 誠) - こんつぎは 免許返して ぐるりんさ
(倉賀野町 鳥羽 かおる) - 試食して こんつぎ買うと うまく逃げ
(倉賀野町 高田 喜久雄) - こんつぎと 思った洋服 売れちゃった
(下之城町 菊池 弘美) - 失敗は こんつぎに咲く 花の種
(町屋町 桜井 覚)
(敬称略)
お便り紹介
おらほうのページを切って集めています。郷土学習の時間に見せたら、子どもたちが川柳を作ってくれました(中川小の石井香 代子先生)
「いつまでも こんつぎ言ってら 終わらんぞ」(4年の萩原鈴音さん)
子どもたちの応募、まーずうれしかったんさ。
『めえる』【6月1日号】
6月のお題は「めえる」で「見える」を意味するおらほうの言葉です。
- 部屋掃除 めえるとこだけ 丁寧に
(八幡町 梅村 ヨシ子) - 故郷の 山がめえると ホッとする
(倉賀野町 田村 佐和子) - 障子穴 めえるめえると 遊ぶ孫
(倉賀野町 高田 敬子) - めえねえと 頭にメガネ 探すじじ
(上滝町 萩原 秀秋) - めえねんさ 針糸通し 頼む母
(並榎町 和田 美紀) - 夫婦でも なかなかめえぬ 腹の内
(倉賀野町 高田 喜久雄) - 白衣から めえる高崎 大都市に
(八千代町4丁目 上原 興栄)
(敬称略)
お便り紹介
「浅間山 きょうはすっきり よくめえる」河川敷の散歩で見る浅間山。この場所から見る雄大な浅間山も気に入っています(倉賀野町の堰塚 みや子さん)
浅間山は、県外から来た人には富士山にめえることもあるみたいだいね。こんつぎは榛名富士にも遊びに行ってくんない。
『でっけえ』【5月1日号】
5月のお題は「でっけえ」で「大きい」を意味するおらほうの言葉です。
- 垣根ごし でっけえ声で 内緒事
(倉賀野町 金子 洋子) - 孫の絵に でっけえ花丸 付けてやり
(昭和町 中澤 庄八郎) - 入学式 でっけえ制服 微笑まし
(倉賀野町 鳥羽 かおる) - 一年生 でっけえカバンが 夢乗せて
(下之城町 菊池 弘美) - うんめぇねぇ でっけえ鍋を 囲む味
(新町 新井 豊作) - 孫来たな でっけえくつが 玄関に
(箕郷町下芝 上原 つる代) - 青空に はしゃぐでっけえ 鯉のぼり
(上佐野町 小山 英雄)
(敬称略)
お便り紹介
「車窓より でっけえ白衣 わが故郷」単身赴任しています。明るい時間に新幹線で戻るとき、烏川を眺めていると白衣観音が見えてきて、おらほうにけえってきたとホッとします(大八木町の櫻井 益代さん)
新幹線からは、高崎アリーナや建設中の高崎芸術劇場もめえるんさ。今度見てみてくんない。
『~きゃ』【4月1日号】
4月のお題は「〜きゃ」で「〜ですか」と疑問を表すおらほうの言葉です。
応募作品に、「〜しなければならない」という意味の「〜しなきゃ」を使ってしまっている句が多くありました。疑問を表す「〜きゃ」は、よく聞くけれど、句にするのはなかなか難しいようですね。
- 電話出て 息子が心配 かぜ気味きゃ
(筑縄町 山田 誠) - 本当きゃ 旨い電話は 詐欺だんべ
(山名町 石井 歌子) - 悪いのは 妻でも俺が 謝るんきゃ
(倉賀野町 高田 喜久雄) - 食事会 はぁ帰るんきゃ 寄り合いで
(新保町 町田 洋子) - 帰るんきゃ 寂しくなるな 家の内
(新町 杉本 曉) - 腹時計 おかしいぞもう 減ったんきゃ
(倉賀野町 高田 敬子) - 帰るんきゃあ 孫去りさびしい じじとばば
(下之城町 菊池 弘美)
(敬称略)
お便り紹介
「カラス舞う 森のねぐらに 帰るんきゃ」十数年前の夕方に見た光景。群馬の森に飛んできたカラスの大群に、とてもびっくりしました(倉賀野町の藤田 エミ子さん)