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上野国多胡郡正倉跡出土品

ページID:0004451 更新日:2023年12月18日更新 印刷ページ表示

高崎市にある指定文化財 市指定

屋根瓦(複弁六弁蓮華文軒丸瓦)の画像
屋根瓦(複弁六弁蓮華文軒丸瓦)

被熱粘土塊の画像
被熱粘土塊

史跡上野国多胡郡正倉跡からは、正倉として礎石建物が2棟検出されました。このうち1棟は、7×3間の大型礎石建物であり、上野国内ではじめて確認された総瓦葺の屋根構造を持つ法倉でした。荘厳化されたこの正倉は、正税帳における法倉に位置づけられ、対蝦夷政策など国家的政策によって建てられたと考られています。遺跡の外周には正方位の規格性を持った区画溝が廻り、正倉院を形成していました。

本遺跡は多胡建郡について記した特別史跡多胡碑の真南約300mに位置しています。さらに両遺跡は8世紀という同時期性を持ちます。このことから多胡郡正倉跡は多胡碑と密接な関係をもって設置されたことをうかがわせます。

瓦葺の正倉に使用された瓦は、上野国多胡郡正倉跡の実態を知るために重要であり、多胡郡域の瓦生産を知るうえで重要です。また上野国分寺への供給体制および国家による手工業生産の再編を知る手がかりとなります。

被熱粘土塊は、正倉の構造を考える手がかりとなります。上野国内の郡衙について記載のある『上野国交替実録帳』には正倉の壁構造について記されており、文献史との検証が可能である資料として重要です。

上野国多胡郡正倉跡は令和2年3月10日国の史跡に指定され、現地保存されています。

文化財情報

  • 指定種別:高崎市指定重要文化財
  • 名称:上野国多胡郡正倉跡出土品(こうずけのくにたごぐんしょうそうあとしゅつどひん)
  • 指定年月日:令和2年11月20日
  • 所在地:高崎市吉井町池(多胡碑記念館)