○高崎市自然環境、景観等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例
平成27年3月31日
条例第32号
目次
第1章 総則(第1条~第7条)
第2章 特別保全地区(第8条~第10条)
第3章 特別保全地区内の事業の許可(第11条~第20条)
第4章 雑則(第21条~第29条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、自然環境、景観等と調和のとれた再生可能エネルギー発電設備の設置について必要な事項を定め、もって美しい自然環境及び魅力ある景観の維持を図るとともに、住民の生活環境の保全に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 高崎市の美しい自然環境及び魅力ある景観は、市民の長年にわたる努力により形成されてきたものであることに鑑み、市民共通のかけがえのない財産として、現在及び将来の市民がその恵沢を享受することができるよう、その保全及び活用が図られなければならない。
(1) 再生可能エネルギー発電設備 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第2項に規定する再生可能エネルギー発電設備(送電に係る電柱等を除く。)をいう。
(2) 事業者 再生可能エネルギー発電設備を設置する事業(木竹の伐採、切土、盛土、埋土等の造成工事を含む。以下「事業」という。)を計画し、これを実施する者をいう。
(3) 事業区域 事業を行う土地(再生可能エネルギー発電設備に附属する管理施設、変電設備、緩衝帯等に係る土地を含む。)であって、柵等の工作物の設置その他の方法により当該土地以外の土地と区別された区域をいう。
(4) 土地所有者等 事業区域に係る土地の所有者、占有者又は管理者をいう。
(5) 工事施行者 事業に関する工事を請け負った者及び請負契約によらないで自らその工事を行う者をいう。
(6) 近隣住民 事業区域の境界から200メートル以内の区域に土地又は建物を所有する者及び当該事業によりその所有する土地又は建物について、これらの者と同程度の影響を受けると認められる者をいう。
(7) 該当町内会 事業区域の境界から200メートル以内の区域をその区域に含む町内会及び当該事業により当該町内会の区域に居住する者と同程度の生活環境上の影響を受けると認められる者が居住する区域をその区域に含む町内会をいう。
(令4条例18・一部改正)
(市の責務)
第4条 市は、第2条の基本理念にのっとり、自然環境、景観等と再生可能エネルギー発電設備の設置との調和が図られるよう必要な措置を講じるものとする。
(市民の責務)
第5条 市民は、第2条に定める基本理念にのっとり、市の施策及びこの条例に定める手続の実施に協力するよう努めなければならない。
(土地所有者等の責務)
第6条 土地所有者等は、事業により、自然環境若しくは景観を損ない、又は災害若しくは生活環境への被害等が発生することのないよう、当該土地を適正に管理しなければならない。
(事業者の責務)
第7条 事業者は、関係法令及びこの条例を遵守し、並びに自然環境及び景観を損ない、並びに災害又は生活環境への被害等が発生することのないよう十分配慮し、近隣住民及び該当町内会との良好な関係を保たなければならない。
第2章 特別保全地区
(特別保全地区)
第8条 市長は、自然環境、景観等と再生可能エネルギー発電設備の設置との調和が特に必要な地区を特別保全地区として指定するものとする。
(特別保全地区の指定)
第9条 前条に規定する特別保全地区は、次のとおりとする。
(1) 観音山地区 城山町一丁目及び城山町二丁目の全部並びに石原町、寺尾町、乗附町、根小屋町、鼻高町及び山名町の各一部で市長が指定する地区
(2) 榛名湖周辺地区 榛名湖町、榛名山町、箕郷町柏木沢、箕郷町中野、箕郷町松之沢及び宮沢町の各一部で市長が指定する地区
(3) 箕郷梅林地区 箕郷町善地及び箕郷町富岡の各一部で市長が指定する地区
ア 山岳、河川、森林、湖沼、草原等の所在する自然環境が良好な地区のうち、その地区の周辺の自然的社会的諸条件からみて、その地区における自然環境を保全することが特に必要と認められる地区
イ 郷土的又は歴史的な特色を有する地区のうち、その地区の周辺の生活環境を含む自然的社会的諸条件からみて、その地区における自然環境を保全することが特に必要と認められる地区
ウ 地域を象徴する優れた景観が保たれている地区のうち、その景観を保全することが特に必要と認められる地区
エ 土砂崩れ、溢水等の災害のおそれのある地区のうち、特に災害の危険性が高く、木竹の伐採、盛土、切土等の造成行為を制限する必要があると認められる地区
オ 住居の環境を保護すべき地区のうち、住宅密集地等静穏を保持することが特に必要と認められる地区
3 市長は、第1項各号に規定する地区の指定を行ったときは、規則で定めるところにより、その旨を告示するものとする。この場合において、当該指定は、当該告示によってその効力を生じるものとする。
(令4条例18・一部改正)
(特別保全地区の変更及び解除)
第10条 市長は、必要があると認めるときは、速やかに、特別保全地区の区域を変更し、又はその指定を解除するものとする。
第3章 特別保全地区内の事業の許可
(事前協議等)
第12条 事業者は、前条の規定により届け出た事業計画について、市長と協議しなければならない。
2 事業者は、近隣住民及び該当町内会の区域に居住する者(以下「近隣住民等」という。)に対し事業計画の周知を図るため、規則で定めるところにより、当該事業計画に係る土地に標識を設置するとともに、当該標識を設置した日から起算して14日以内に近隣住民等に対して当該事業計画についての説明会を開催しなければならない。
3 近隣住民等は、規則で定めるところにより、前項の説明会を開催した事業者に対し、事業計画について意見を申し出ることができる。
4 前項の規定による意見の申出があったときは、当該事業者は、規則で定めるところにより、当該申出をした近隣住民等と協議しなければならない。
(事業計画の許可)
第13条 事業者は、特別保全地区内において事業を行おうとするときは、事業区域ごとに事業計画を定め、当該事業計画について市長の許可を受けなければならない。ただし、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物の屋根又は屋上で行う事業は、この限りでない。
2 前項の事業計画には、次に掲げる事項を定めなければならない。
(1) 事業者の氏名及び住所(法人にあっては、名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名。以下同じ。)
(2) 事業区域の所在及び面積
(3) 工事施行者の氏名及び住所
(4) 事業の完了時における土地の形状
(5) 再生可能エネルギー発電設備を設置する位置
(6) 設置する再生可能エネルギー発電設備の構造
(7) 事業の期間及び工程
(8) 設置する再生可能エネルギー発電設備の最大出力
(9) 自然環境の保全のための方策
(10) 景観の保全のための方策
(11) 排水施設その他土砂等の流出及び崩壊を防止する施設の計画
(12) 太陽光の反射等による生活環境への被害を防止するための措置
(13) 前2号に掲げるもののほか、災害、事故等の発生の防止のためにとる措置
(14) 事業の施行に必要となる法令及び他の条例の許認可の取得に関する計画
(15) 事業の完了後における再生可能エネルギー発電設備の維持管理の計画
(16) その他規則で定める事項
3 第1項の規定による許可の申請には、当該申請に係る事業区域を示す図面その他規則で定める書類を添付しなければならない。
(1) 事業区域の周辺地域(以下この条において「周辺地域」という。)における自然環境を害するおそれがないこととして規則で定める基準に適合していること。
(2) 周辺地域の景観を阻害するおそれがないこととして規則で定める基準に適合していること。
(3) 周辺地域において土砂崩れ、溢水等を発生させるおそれがないこととして規則で定める基準に適合していること。
(5) 排水施設、擁壁その他の施設が関係法令及び規則で定める基準に適合していること。
(6) 地形、地質及び周囲の状況に応じ配慮すべき事項又は講じるべき措置が関係法令及び規則で定める基準に適合していること。
(7) 周辺地域における道路、河川、水路その他公共施設の構造等に支障を来すおそれがないこととして規則で定める基準に適合していること。
(8) 太陽光の反射、騒音等による生活環境への被害防止など近隣住民等の生活環境を保全すべき措置が講じられていることとして規則で定める基準に適合していること。
(9) 設置する再生可能エネルギー発電設備が電気事業法(昭和39年法律第170号)、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法その他関係法令の基準に適合していること。
(10) 市の総合計画、環境計画、景観計画、都市計画、観光計画その他の将来計画に適合したものであること。
(1) 事業計画を実施するために必要な資力及び信用があると認められない場合
(2) 心身の故障により事業を適切に行うことができない者として規則で定めるものである場合
(3) 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者である場合
(4) 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない場合
(5) 森林法(昭和26年法律第249号)、農地法(昭和27年法律第229号)、宅地造成及び特定盛土等規制法、都市計画法、景観法(平成16年法律第110号)その他生活環境の保全を目的とする法令及び条例で規則で定めるものの規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない場合
(6) 第21条の規定により許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない場合
(7) 事業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある場合
(8) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員(以下この項において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下この項において「暴力団員等」という。)である場合
(11) 暴力団員等がその事業活動を支配する場合
4 市長は、前条第1項の規定による許可には、自然環境若しくは景観の維持又は災害若しくは生活環境への被害等の発生の防止のために必要な条件を付すことができる。
(令元条例24・令4条例18・令5条例30・一部改正)
(標識の掲示)
第16条 許可事業者は、当該許可に係る事業を行っている間、当該事業区域内の公衆の見やすい場所に、規則で定める標識を掲示しなければならない。
(再生可能エネルギー発電設備の搬入車両への表示)
第17条 許可事業者は、当該許可を受けた事業区域に再生可能エネルギー発電設備を搬入しようとするときは、規則で定めるところにより、当該許可に係る再生可能エネルギー発電設備の搬入の用に供する車両である旨その他規則で定める事項を当該車両の見やすい箇所に表示しなければならない。
2 許可事業者は、事業を他の者に請け負わせて当該許可を受けた土地に再生可能エネルギー発電設備を搬入しようとする場合は、当該再生可能エネルギー発電設備の搬入を請け負わせる者に対し、搬入の用に供する車両である旨その他規則で定める事項を当該車両の見やすい箇所に表示させなければならない。
(関係書類の閲覧)
第18条 許可事業者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る事業を行っている間、この章の規定により市長に提出した書類の写しを、近隣住民等その他事業に関し生活環境の保全上利害関係を有する者の求めに応じ、閲覧させなければならない。
(着手の届出)
第19条 許可事業者は、当該許可に係る事業に着手するときは、あらかじめ、市長に届け出なければならない。
(完了の届出等)
第20条 許可事業者は、当該許可に係る事業を完了したときは、完了した日から起算して10日以内に、その旨を市長に届け出なければならない。当該事業を廃止した場合も、同様とする。
3 市長は、前項の検査の結果、許可内容に適合していない箇所が認められるときは、当該許可事業者に対し、相当の期限を定めて、再生可能エネルギー発電設備の除却、事業区域の原状回復その他必要な措置を命じることができる。
第4章 雑則
(許可の取消し)
第21条 市長は、許可事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該許可を取り消すことができる。
(4) 第14条第1項に規定する要件を満たさない事業を行ったとき。
(7) 次条第1項の規定による命令に違反したとき。
(令4条例18・一部改正)
(措置命令)
第22条 市長は、許可事業者が当該許可(第15条第1項の変更の許可を受けた者にあっては、その許可)を受けた事業計画に従って事業を行っていないと認めるときは、当該許可事業者に対し、工事その他の行為の停止を命じ、又は相当の期限を定めて、再生可能エネルギー発電設備の除却、事業区域の原状回復その他違反を是正するため必要な措置をとることを命じることができる。
(土地所有者等に対する措置)
第23条 市長は、特別保全地区内の事業(この条例の許可対象となる事業又はこの条例の施行前に行われた事業若しくはこの条例の施行の際すでに着手している事業であって、その事業がこの条例の施行後に行われたとしたならばこの条例の許可対象となるものに限る。以下同じ。)が行われた土地において、自然環境若しくは景観を損ない、又は災害若しくは生活環境への被害等が発生する事態が生じるおそれがあると認めるときは、当該土地所有者等に対し、その防止のために必要な措置をとることを求めることができる。
(1) 当該命令又は許可の取消しを受けた者の氏名及び住所
(2) 当該命令又は許可の取消しの内容
2 市長は、事業者がこの条例に基づく届出、申請、報告等において、虚偽記載等の不正行為を行ったと認めるときは、次に掲げる事項を公表することができる。
(1) 当該事業者の氏名及び住所
(2) 当該事業者が行った不正行為の内容
(報告の徴収)
第25条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、特別保全地区内の事業に係る事業者、工事施行者、土地所有者等その他の関係者に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。
(立入検査)
第26条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、特別保全地区内の事業に係る事業者若しくは工事施行者の事務所若しくは事業所又は事業区域に立ち入り、事業の状況若しくは施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
(高崎市再生可能エネルギー発電設備設置審議会)
第27条 再生可能エネルギー発電設備の設置に関する重要事項を調査審議するため、高崎市再生可能エネルギー発電設備設置審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、この条例によりその権限に属するものと定められた事項を調査審議するほか、市長の諮問に応じて、再生可能エネルギー発電設備の設置に関する事項を調査審議する。
3 審議会は、前項に規定する調査審議を行うほか、再生可能エネルギー発電設備の設置に関する事項について、市長に意見を述べることができる。
4 審議会の組織、委員の任期、運営その他必要な事項は、規則で定める。
(1) 第13条第1項の許可の申請 1件につき3万円
(2) 第15条第1項の変更の許可の申請 1件につき2万円
(委任)
第29条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成27年4月1日から施行する。
附則(令和元年12月13日条例第24号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和4年3月24日条例第18号)
この条例は、令和4年4月1日から施行する。
附則(令和5年9月29日条例第30号)抄
1 この条例は、公布の日から施行する。