本文
作品紹介
無題

《無題》
1976年 水彩・鉛筆・紙
暗闇をさまようような人物は、1976年に書かれた詩文を思い起こさせる。
「暗い道をたった一人で歩いてゆくように…/そこには何もない…/(中略)/なにも見えやしない/触れられるものは/この熱っぽい自分の身体と衣服…/それがいったいなに?/わかるのは/ただ心臓の動きと、生きてる微動(後略)」
絵の中で乱れ飛ぶ指紋の付いた点々は「心臓の動きと、生きてる微動」なのだろうか。
五本の木

《五本の木》
水彩・紙
かまちは人気のない風景の中に静かに立ち並ぶ木々を描き、印象深い作品を残している。
ここに描かれた5本の木は、5人家族であった山田家の人々を象徴しているとも言われる。
レノンとヨーコ

《レノンとヨーコ》
1975年 鉛筆・紙
ビートルズの音楽に熱中したかまちだが、中でもジョン・レノンは、彼にとって憧れの存在であり続けた。
この作品は、レノンとオノ・ヨーコの姿を描いたデッサンであるが、かまちはしばしば、この2人が自分にとっての理想のあり方だ、と語っていたという。
1976年1月のノートの「(前略)レノンの音楽は楽しいんじゃない。/すばらしい。/新しい輝きが/新しい構成がぎりぎりに/光をはなってみつめている。(後略)」という言葉からも、彼のレノンへの強い思いをうかがうことができる。
フェニックス

《フェニックス》
水彩・紙
荒れる波の上を翼をいっぱいに広げて羽ばたく青い鳥。長く優美な尾羽をひらめかせている。
鳥はかまちの絵画に度々登場するモチーフである。
自由に飛び立つその姿は、かまちに様々なインスピレーションを授け、数々の作品が生み出された。
逆巻く波の迫力ある描写や、背景に幾重もの薄茶色の弧を配した描き方も、独特の雰囲気を生み出している。
※画像の無断転載(二次使用など)は禁止します。



