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疥癬(かいせん)にご注意ください

ページID:0059010 更新日:2025年3月14日更新 印刷ページ表示

例年、市内の病院や高齢者施設で疥癬の集団感染の報告があります。疥癬は診断が難しく、高齢者施設や病院等で集団発生が起こりやすいため早期発見・早期治療が大切です。

疥癬とは

疥癬はダニの1種であるヒゼンダニが人の皮膚に寄生して起こる感染症です。通常疥癬と角化型疥癬の2種類があります。潜伏期間は1~2ヵ月程度です。角化型疥癬の場合は4~5日の場合もあります。潜伏期間が長いので発見が遅れがちです。

通常疥癬(つうじょうかいせん)と角化型疥癬(かくかがたかいせん)の違い
  通常疥癬 角化型疥癬
ヒゼンダニの寄生数 数10匹以下 100~200万匹
患者の免疫力 正常 低下している
感染力 弱い 強い
主な症状 赤いブツブツ(丘疹、結節)、疥癬トンネル(曲がりくねった線状の皮疹) 厚い垢(あか)が増えたような皮膚(角質増殖)
痒み 強い 不定(痒みがないこともある)
症状が出る部位 頭や顔を除く全身 全身

感染経路

通常疥癬

長時間、肌と肌が直接接触することで感染します。また雑魚寝をしたり、寝具・衣類を共有することでも感染します。

角化型疥癬

感染力が強いため、短時間の接触でも感染します。寝具や衣類を介した感染だけでなく落屑(らくせつ)(皮膚から剥がれ落ちたかけら)にも多数のヒゼンダニが含まれるため、それらに接触することでも感染します。

疥癬が疑われるときは

夜間に強くなる痒みや皮膚症状があり、疥癬が疑われるときはすぐに皮膚科を受診しましょう。

疥癬の治療

飲み薬や塗り薬により、ヒゼンダニを駆除します。医師の指示に従い、決められた期間治療しましょう。

疥癬と診断された場合の対応

通常疥癬と角化型疥癬は感染力が違うため、対応方法も異なります。

通常疥癬

  • 患者の隔離は不要です。
  • 清掃、洗濯、入浴、リネンの交換は通常どおりで問題ありません。
  • 長時間、肌と肌が直接接触することは避けましょう。
  • 雑魚寝をしたり、寝具・衣類など肌に直接触れるものを共有することは避けましょう。

角化型疥癬

  • 目安として治療開始後1~2週間までは隔離が必要です。患者と接するときは長袖ガウン・手袋を着用しましょう。
  • 清掃は落屑を残さないように掃除機をかけましょう。
  • 洗濯は他の人の洗濯物と分けて洗濯後に乾燥機を使用するか、洗濯前に50℃で10分間熱処理をしましょう。洗濯物は落屑が飛び散らないようにビニール袋等に入れて密閉して運搬してください。
  • 入浴は最後とし、使用後は清掃しましょう。脱衣所は掃除機をかけてください。
  • リネン類は毎日交換しましょう。
  • 殺虫剤(ピレスロイド系を推奨)は治療開始時に安全性に配慮したうえで1回散布します。毎日散布する必要はありません。
  • 治療終了後の部屋は2週間閉鎖するか難しい場合は殺虫剤を1回だけ散布しましょう。​

施設の方へ

  • ​外部(利用者、職員、面会者など)からのヒゼンダニの持ち込みにより、多くの場合ヒトの手を介して感染拡大します。そのため、特に新規利用者に皮膚症状がないか家族や前の施設・病院の職員に確認することが大切です。
  • 入浴・清拭時や普段のケア(衣類交換など)の際に利用者の皮膚を観察しましょう。
  • 利用者で疥癬が疑われる場合は、他の利用施設(デイサービスやリハビリ等)、かかりつけ医、転出先等への情報提供を行ってください。
  • 感染が疑われる者が10名以上または全利用者の半数以上発生したなどの場合は、保健所への報告が必要です。​

報告については「施設等における感染症集団発生の報告について」​をご覧ください。

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