本文
インタビュー 林史泰さん (2)
新幹線で50分っていう利便性は魅力ですよね
−まちの印象は?
都会的なのにすぐ近くに自然があって、バランスが良い。ほど良く、スッキリしている印象です。空気がきれいで、水がおいしいからですかね。風が強いとは聞いていましたけど、思ったほどではなかった。うちのオフィスは道向かいが高崎芸術劇場ですが、群響(群馬交響楽団)の皆さんの駐車場がこちら側なので楽器を背負った方をよく見かけたりして、すごく良い雰囲気。移住して6年経ちますが、普段の生活の中でも、嫌な思いをしたり、変な感じを持ったことが一度もない。人も良い雰囲気ですよね。働き者が多いと思います。レストランでも、オーダーを聞きにきた店員さんが、厨房に伝えにいくまでの間にいすを整えつつ戻っていく、みたいな(笑)。
−地方移住の選択肢として高崎の魅力は?
妻の実家があって居心地が良くて、子育ての協力も得られることは大きいですが、東京から新幹線で50分っていう利便性は魅力ですよね。例えば、長野へ移住するとなると、ちょっとハードルが高い感じもする。うちのように会社も二拠点、家も二拠点あって、ちょくちょく東京に出ることを現実的に考えると、高崎くらいの距離感は移住のハードルがかなり下がる場所。お試しみたいな感じで住み始めるのも良いかもしれません。埼玉ほど東京に近くもなくて、50分でピュッと空気感が違う場所に瞬間移動できる感じもいい。一時期都内へ車で移動していた時期に実感したのですが、関越道の嵐山インターチェンジ辺りから、空気感が変わって呼吸が楽になってくることに気づきました(笑)。
−コロナ前からリモートワークができる体制でしたね。
移住した頃は、首都直下地震に備えてデータは常にリアルタイムでバックアップをとるようにしていたのですが、まさかそれがコロナの自粛要請で効果を発揮するとは思わなかった。Zoomは一日中つなぎっ放しにして、スタッフとは緊密に連絡を取り合っています。今、暮らしや価値観の見直しを図りたいと、都会にいる人たちはみんな考えていると思う。僕は私生活を充足させている、もしくは先を見ているという意味では、高崎への移住は先端と言っていいんじゃないかと6年前から思っていました。