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インタビュー 戸塚里子さん (3)
添加物に不安を抱える親たちを安心させたい
−群馬は食肉加工の起業がしやすい?
群馬県、恵まれています。鶏も豚も牛も全部いますしね。すぐそこに肉牛がいるんですよ。子どもと散歩していて牛がいるのはすごくいいなぁって(笑)。鳴き声が聞こえるくらいの距離で、うちの2歳の長女が外に出ると「モーモー」っていうわけですよ。「うわ〜っ」て言って帰ってくるだけなんですけど(笑)。でも、そういうのいいなぁって。
家族をイタチに見立てた絵日記を手帳に記している。“モーモー”を見にいくストーリーが描かれたページ
全国食肉学校は玉村にある全寮制の職業訓練校で、精肉から経営までお肉の全般を勉強する場所です。食肉加工の研修施設は、昔は企業が持っていましたが、今はやめてしまったところが多くて全国的にも少なくなりました。私も群馬に来ることになって、知り合いの大学の先生づてに食肉学校の先生を紹介してもらって、ソーセージを手作りする機材を借りたり、工房を建てるに当たって業者さんを紹介してもらったり、助言もいただきました。困った時に相談できる食肉学校が近くにあるのはいいですね。あと、補助金が出るのは大きいです。食肉加工ってやっぱり機械の値段が高いんですよ。個人でやるとなると結構お金がかかりますからね。高崎商工会議所の創業塾でお世話になった担当者の方も、今でも時々電話くれて「どうですか?」と聞いてくれたり、お肉の仕入れ先を紹介してくれたり、ずっと見守ってくれていて心強いです。
−食肉加工品の魅力を伝える活動にも力を入れていますね。
ママさんたちの集まりで会話をするなかで、添加物の入った食肉加工品を子どもに与えていいのか、不安に思うお母さんが多いことに気づきました。よく知らないから敬遠してしまう人が多いと思うので、知識をつけてもらって、安心して食べてもらえればうれしい。例えば、発色剤は食中毒を防いだり、風味を良くするために入っていることを説明したり、商品の選び方をアドバイスすると、みんなほぅほぅって聞いてくれます(笑)。