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インタビュー 利波浩樹さん (2)
きちんとできるようになるのに5年かかりました
■甘くない農業生活
まず最初に、自分が勉強してきたレタスとキャベツの栽培をやり始めました。これまで勉強してきたとおり、レタスもキャベツもうまく出来上がって嬉しかったのですが、とにかく朝から晩までてんてこ舞い!
畑にレタスがうまく出来上がっているのに、手が足りなくて収穫できないなんてことがありました。出荷量については、1週間分の出荷量を予め決めて契約するシステムなのです。その日の出荷量は決まっているので「収穫が間に合わない」という泣き言は通用しません。そこは厳しいですよ。
就農当初は朝4時に収穫。日中は畑の管理と次の作物の準備、日が暮れてから荷造り(パック作業)。次の日の朝4時ごろに配送便が出発するので、それまでに決められた数量を作る。最初の頃は夫婦ふたりで文字通り寝ないで働きましたよ。それは甘くはない世界です。その後3年目からはやっと人を雇って収穫するようになりました。
それでも日々の充実感はあります。倉渕で就農してから5年ほど経ってようやく農業生活に慣れてきました。あたふたするようなことがなく、農業作業全般をうまく段取りができるようになりました。感慨深いものがありましたよ。今思えばそれまでは外出することもなく、ただただ生産に邁進していましたからね。
■就農で倉渕を選んでよかったのは
高崎市の中心から車で1時間30分ほどですが、のどかなところで、多少うるさくして騒いでも問題ないですから、小学校5年生の子どもがのびのびと毎日外へ出て遊んでます。
倉渕は就農で成功している人がたくさんいるので、いろんな情報やアドバイスをいただいて励みになりました。それから、自分が作りたいものを作ることができるのがうれしいです。出荷先とやりとりしてくれるのが「くらぶち草の会<外部リンク>」ですがからその点は助かります。
オーガニック野菜はサラダとの相性がいいので、ほうれん草、スナップエンドウ、中玉トマトなどサラダ用を意識して生産しています。今後は、サラダ春菊やサラダほうれん草など葉物野菜をどんどん増やしていこうと思っています。最近は徐々にですが飲食店との直接取引が増えてきました。