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文永年中在銘の地蔵菩薩像
高崎市にある指定文化財 市指定
地蔵菩薩像
下小塙(しもこばな)町の円性寺にある高さ31センチメートルの小さな鋳鉄(ちゅうてつ)の地蔵菩薩立像で、以前は右手に錫杖(しゃくじょう)を、左手には宝珠(ほうじゅ)を持っていたようです。
仏像の造られたいきさつは、背中に刻まれています。「信州(長野県)小方郡白鳥宿に住む柏大夫入道とその友法阿弥が、仏の力にすがって父母や自分たちが、安穏に生きられるように仏像を造った」とあり、「文永11年9月23日」の日付も見えます。
この地蔵菩薩は、小県(ちいさがた)郡を通る東山道(江戸時代は中山道)を背負われ、碓氷峠を越えてはるばる「小深郷(鎌倉時代の小塙)」まで運ばれてきたものでしょう。
文永11(1274)年は、偶然にも1度目の元寇(げんこう)の年です。フビライ率いる元(げん)・高麗(こうらい)の軍勢が博多周辺に上陸し、火薬を使った新兵器で、鎌倉の兵士たちを圧倒しました。
文化財情報
- 指定種別:高崎市指定重要文化財
- 名称:文永年中在銘の地蔵菩薩像(ぶんえいねんちゅうざいめいのじぞうぼさつぞう)
- 指定年月日:昭和43年3月15日
- 所在地:高崎市下小塙町(円性寺)地図(地図情報システム)<外部リンク>