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自然を染める マリーゴールド
マリーゴールド(キク科)
メキシコ原産で長い品種改良の歴史があり、フレンチ種、アフリカ種など多種がある。葉は羽状に裂けて縁に鋸歯(きょし)がある。花は、黄色、レモン色、オレンジ色などがあり、初夏から晩秋まで咲く。
説明
彩りにあふれる花の色を、そのまま染めてみたいと誰もが思うことでしょう。
ところが、花の色素のほとんどが、そのままの色に染まりません。染まるものでも、日光によって色が消えてしまったり、洗濯で色が変わったりすることがあります。
赤や青、紫などの花の色素は、果実や紅葉した葉の色と同じアントシアンという色素の仲間です。きわめて不安定な色素のため、一般的に草木染には向かないとされています。
しかし、黄色い花の中には、花と同じ色に染まり、色落ちしないものがあります。公園や学校の花壇などによく植えられているマリーゴールドです。色持ちが良いことから草木染で最も頻繁に使われ、きれいな黄色に染まります。
まれに、黄色以外の花でもよく染まり色落ちしないものがあります。この場合は、花の色とは異なる色に染まることが多く、例えば赤いバラはグレーに、紫のパンジーは緑に染まります。
身のまわりにある色とりどりの花から、どんな色が染まるのか想像してみるのも、染色の楽しみ方の一つです。
マリーゴールドで染めた布