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五種混合(DPT-IPV-Hib:ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブ)
令和6年4月1日より、定期接種として導入されました。五種混合ワクチンは、これまでの四種混合ワクチン(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)にヒブが加わったものです。
令和6年4月1日以降に、1回目を接種する場合は、五種混合ワクチンを接種することが基本となっています。4月1日以前に接種を開始した場合は、原則これまでどおり四種混合ワクチンとヒブワクチンを接種することになります。
それぞれの感染症について
ジフテリア
ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。1981年に三種混合ワクチンが導入されてから、近年では国内の患者発生数は年間0人が続いていますが、海外からジフテリア菌が持ち込まれる危険性もあることから今後も一定レベルの免疫の維持が必要です。また、ジフテリアは感染しても10%程度の人に症状が出るだけで、残りの人は症状が出ない保菌者となるため、その人を通じて感染することもあります。感染は主にのどですが、鼻にも感染します。症状は高熱・のどの痛み・犬吠様のせき・嘔吐などで、偽膜と呼ばれる膜ができて窒息死することもあります。発病2から3週間後には菌の出す毒素によって心筋障害や神経麻痺を起こすことがあるため、注意が必要です。
百日せき
百日せき菌の飛沫感染で起こります。1950年から百日せきワクチンの接種がはじまって以来、患者数は減少してきていますが、近年、長引くせきを特徴とする学童期、思春期、成人の百日せきがみられ、乳幼児への感染源となることを懸念し、就学前の追加接種が推奨されることもあります。百日せきは、普通のかぜのような症状ではじまります。続いてせきがひどくなり、顔をまっ赤にして連続してせき込むようになります。せきのあと急に息を吸い込むので、笛を吹くような音が出ます。熱は通常出ないことがほとんどです。乳幼児はせきで呼吸ができず、唇が青くなったり(チアノーゼ)、けいれんが起きるあるいは突然呼吸が止まってしまうことがあります。また、肺炎や脳症などの重い合併症を起こしやすく、新生児や乳児では命を落とすこともあります。
破傷風
破傷風菌はヒトからヒトへ感染するのではなく、土の中にいる菌が傷口からヒトの体内に入ることによって感染します。菌が体の中で増えると、菌の出す毒素によって筋肉の強直性けいれんが起きます。最初は口が開かなくなるなどの症状が出て、やがて全身の強直性けいれんを起こすようになり、治療が遅れると死に至ることもある病気です。患者の半数は、本人や周りの人が気付かない程度の軽い刺し傷が原因です。土の中に菌がいるため感染する機会は常にあるので、ワクチンで予防することが大切です。
ポリオ(急性灰白髄炎)
ポリオは「小児まひ」とも呼ばれ、日本でも1960年代までは流行を繰り返していました。予防接種の効果により国内では1980年を最後に野生株ポリオウイルスによる麻痺患者の発生はなくなり、2000年にはWHOが日本を含む西太平洋地域のポリオ根絶を宣言しました。現在ではポリオ流行国はパキスタン、アフガニスタンの2か国までになりましたが、生ワクチン由来のポリオウイルスによる麻痺が報告されるなど、未だ世界中で警戒されています。口から入ったポリオウイルスは咽頭や小腸で増え、便中に排泄されます。再びヒトの口に入り免疫を持っていない人の腸内で増え、ヒトからヒトへ感染します。ポリオウイルスに感染しても、ほとんどの場合は症状が出ませんが、症状が出る場合かぜ様の症状があり、発熱や頭痛・吐き気などが現れます。また、ウイルスが血液を介して脳・脊髄へ感染が広まり約1,000から2,000人に1人の割合で手足の麻痺を起こします。麻痺症状が進行し、呼吸困難により死亡することもあります。
ヒブ
ヒブ(Hib)は、「インフルエンザ菌b型(Haemophilus influenzae type b)」感染症の頭文字をとったものです。ヒブは、乳幼児に対して耳炎、副鼻腔炎、気管支炎などのほか、髄膜炎、敗血症、肺炎などの重篤な全身感染症を引き起こします。2010年以前の全国の調査では、ヒブによる髄膜炎は5歳未満人口10万対7.1人〜8.3人とされ、年間で約400人が発症していました。また、4ヶ月~1歳までの乳児が過半数を占めていました。現在は、予防接種の普及によりこれらの感染症は激減しています。
ワクチンの副反応について
もしもワクチンによって健康被害がおこってしまった場合は
対象者
生後2か月から90か月(7歳6か月)に至るまで
標準的な接種期間
- 初回接種︓⽣後2か⽉から⽣後7か⽉に⾄るまで開始し、20日から56日までの間隔をおいて3回
- 初回接種終了後から6か⽉から18か月までの間隔をおいて1回
接種方法
- 初回接種︓20日以上の期間をおいて3回皮下又は筋肉内に接種
- 追加接種:初回接種終了後6か⽉以上の間隔をおいて1回⽪下⼜は筋⾁内に接種
接種に必要な物
- 予診票
- 母子健康手帳
- 健康保険証
- 福祉医療費受給資格者証
※母子健康手帳は必ずご持参ください。母子健康手帳がないと、予防接種は受けられません。
実施医療機関
乳幼児予防接種実施医療機関一覧
実施医療機関以外(市外・県外)での接種を希望される場合は、下記までお問い合わせください。
予防接種のご予約・ご相談は、直接実施医療機関にお問い合わせください。ご不明な点は、高崎市保健所保健予防課または各地域の保健センターにお尋ねください。
関連情報リンク
- 厚生労働省 予防接種情報<外部リンク>
- 国立感染症研究所 予防接種情報<外部リンク>