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第23回吉野秀雄短歌大会
本市出身の歌人・吉野秀雄の功績をたたえる同大会の入賞者が決まりました。
今回は、一般の部に187首、学生の部に8064首の作品が寄せられました。入賞作品の一部を紹介します。
吉野秀雄賞
石積めば亡き子に会えると謂れある賽の河原の日溜り選ぶ(奥村喜久江 栄町)
弓を引くその瞬間に張りつめる音なき世界響く矢の音(田中愛桜 高崎商科大附属高1年)
高崎市長賞
地下足袋を半分脱ぎて木の蔭に昼を憩える職人三人(白藤巳玲 埼玉県本庄市)
革の香が残り少ないランドセル卒業までの思い出つめて(二宮望緒 北小6年)
高崎市議会議長賞
亡き吾子を詠んで入選せし歌の講評ききて涙あふれる(高橋恵 榛東村)
曽祖母を施設に送り三カ月近くにいてもぼくは会えない(里見幸次郎 箕輪小6年)
制服に袖を通した春の朝雲ひとつない空を見上げる(柴山琴乃 箕郷中1年)
高崎市教育長賞
戦場の事など口にせぬ義父の認知症になりて日日を怯える(原田久美子 倉渕町川浦)
楽譜入れ今日はきっとうまくいく緊張やわらぐ朝の占い(野口璃奈 倉渕中1年)
高崎市文化協会長賞
死化粧の唇の紅濃すぎぬか応へぬ妹にそっと問ひたり(井田建 下滝町)
「その声は」山月記読んだ友の声大人になっても気づけられたら(平館陽咲 高崎女子高2年)
県歌人クラブ会長賞
望みしも呼ばれることなきお母さん隣の男の子はばあちゃんと呼ぶ(山口登美江 上佐野町)
ひまわりの咲く庭にたつ夕方に水まく母と犬とわたしと(佐藤清 高松中2年)
ラジオ高崎社長賞
救急車のベッドに老いの身を任せ生きて帰らむわが家見返る(湯浅茂子 浜尻町)
私にも書けるだろうか物語月見亭から琵琶湖眺めて(富樫颯仁 大類中2年)
吉野秀雄の歌碑は、高崎商業高校と高崎公園、問屋町中央公園に建立されている他、柏崎市や慶應義塾大学などにあります。
問い合わせ先
文化課 電話027-321-1203