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村上鬼城顕彰俳句大会と記念館イベント
幼少期から高崎で育ち、近代俳句に多大な功績を残した俳人・村上鬼城。その文業と人となりを長く後世に伝え顕彰するため、俳句大会の開催や記念館での作品や資料の展示を行っています。
高崎を愛した俳句の偉人・村上鬼城
村上 鬼城(本名:村上 荘太郎)は、慶応元(1865)年7月江戸に生まれ、8歳の時家族と一緒に高崎に移り住みました。
当初は軍人を志していましたが、耳が不自由になり断念。裁判所で働きながら正岡子規の弟子となり、俳句の道を歩むことになりました。
34歳の時、雑誌『ホトトギス』に初入選し、それ以降、明治・大正・昭和を通じて全国で最も優れた俳人の一人として活躍。昭和13(1938)年9月17日並榎町の自宅で73年の生涯を閉じました。
代表作
- ≪新年≫ 元旦や 赤城榛名の 峰明かり
- ≪春≫ ゆさゆさと 大枝ゆるる 桜かな
- ≪夏≫ 麦飯に 何も申さじ 夏の月
- ≪秋≫ 小鳥この頃 音もさせずに 来て居りぬ
- ≪冬≫ 冬蜂の 死にところなく 歩きけり
村上鬼城顕彰俳句大会
市内の小中学生を対象とした「第37回村上鬼城顕彰小中学生俳句大会」と「第38回村上鬼城顕彰全国俳句大会」の入選者が決まりました。今年は、小中学生俳句大会に1万1,007句、村上鬼城賞に189編、全国俳句大会に1,271句の応募がありました。主な入選者を紹介します。
小学生俳句大会の入選作品
大会最優秀賞
いがいがの まきびし置いた くり忍者 (金井 紡さん 新町第一小5年 )
みなつどい 曽祖母白寿に 桃の花 (平形 遥さん 高南中3年)
受賞者の言葉
高崎市長賞
あっ落ちた あと一口の ぼうアイス (髙橋 怜那さん 新高尾小4年)
泥に入る わたしも地球に なる田植え (関口 碧美さん 南八幡中3年)
受賞者の言葉
高崎市議会議長賞
ぴんとたち 朝礼している 青い麦 (瀬田川 礼さん 城東小4年)
雪合戦 想い人には 当てられぬ (梅山 芭菜さん 並榎中1年)
高崎市教育長賞
ぼくがひび あにのいちげき スイカわり (井上 侑久さん 上郊小1年)
ほんのりと タンスの匂い 更衣 (髙橋 カノンさん 塚沢中2年)
高崎市小学校長会長賞
たけのこを 見つける祖父の 足の裏 (小和瀬 快さん 久留馬小5年)
高崎市中学校長会長賞
母の日に 兄は花屋へ 僕はシェフ (五十嵐 遥斗さん 片岡中3年)
高崎観光協会理事長賞
風かおる トランペットの 足りぬ息 (松本 紗季さん 東小5年)
走りきれ 汗も思いも バトンパス (高橋 那奈さん 矢中中2年)
高崎市文化協会長賞
衣替え 去年のぼくと 背比べ (田中 遥人さん 佐野小6年)
バレンタイン 失敗作は 父食べる (成田 小桃さん 塚沢中1年)
高崎市PTA連合会長賞
夏休み 三日坊主の 日記帳 (鈴木 日奈子さん 中居小6年)
北風に 重いペダルの 月曜日 (吉田 進二さん 高南中2年)
高崎信用金庫理事長賞
父の背を 追いかけ登る 夏の富士 (佐藤 圭一さん 北部小5年)
重なって 溶け合う音色 ソーダ水 (神宮 理佐さん 第一中1年)
群馬銀行高崎支店長賞
新緑の 榛名のゴールへ ペダルふむ (宮路 悠杜さん 堤ヶ岡小6年)
映画館 炭酸ぬけた ソーダ水 (町田 明穂さん 高松中3年)
第37回村上鬼城賞
正賞
蜷の道 (武井 禎子さん 群馬県吾妻郡)
準賞
シャインマスカット (山口 由美さん 神奈川県)
やはらかな雨 (本杉 みさ子さん 神奈川県)
佳作
家康の生誕地 (三浦 葵水さん 愛知県)
新人賞
木綿の空 (重井 砂歩さん 高崎市片岡町)
第38回全国俳句大会特別賞
群馬県知事賞
さまざまな 痛みを知つてゐる 蒲団 (飯塚 柚花さん 群馬県藤岡市)
高崎市長賞
母の日や 八十路の開く 母子手帳 (並木 秋野さん 高崎市岩鼻町)
高崎市議会議長賞
竹皮を 脱ぎ風音に 加はれり (山下 しげ人さん 熊本県)
高崎市教育長賞
雪の日は 静かに時の 積もりけり (米倉 信山さん 東京都)
村上鬼城顕彰会賞
梅干して 黒潮日和 疑はず (小畑 晴子さん 大阪府)
花筵 風に煽られ 宵いを待つ (藤巻 淳子さん 高崎市菊池町)
村上鬼城記念館の特別企画展「上州の風土と俳句」
常設展では見られない山・川・雷など、上州の風土にまつわる鬼城の俳句を展示します。
詳しくは、村上鬼城記念館特別企画展のページで確認できます。
会期
11月1日〜4日・8日〜10日・15日〜17日・22日〜24日
開館時間
午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
問い合わせ
文化課 電話 027-321-1203