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市長対談 小栗上野介忠順
大河ドラマの主人公に決定した小栗。今回は、市小栗上野介プロジェクト推進協議会の委員をお迎えし、本市にゆかりのある小栗の功績や地域の方々の思い、今後の観光客の受け入れなどについてお話しします。
対談者の紹介
対談のダイジェスト
本市ゆかりの偉人が大河ドラマ主人公に
2027年のNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」の主人公に、本市ゆかりの偉人である小栗上野介忠順が選ばれました。この快挙は、小栗の功績を世に広める活動を続けてきた小栗上野介顕彰会の市川会長や、小栗に関する研究や著書を通じて広くその価値を伝えてきた東善寺の村上住職をはじめ、小栗を大切に思ってきた地域の方々のおかげだと思っています。ドラマ化の知らせを聞いて、皆さんはどんなお気持ちでしたか。
村上住職から「小栗が大河ドラマの主人公に決まった」と電話をいただいたのですが、その時は本当に驚きましたね。無実の罪を着せられた小栗の再評価がこれから始まるぞと思いました。
小栗の生涯が大河ドラマになるとは考えてもいなかったので、やはり驚きました。最近世の中では歴史を見直そうとする風潮が強いと感じているので、ドラマでは幕末の歴史が見直されるのではないかと考えています。
主人公に小栗が選ばれたことに驚いたのはもちろんですが、地元で長年小栗を顕彰してきた方々の活動が実った形なので、地元の方々もドラマ化に期待していると思います。
その功績と歴史の悲劇を語り継ぎたい
小栗は幕臣でありながら明治以降の近代化のレールを敷いた先見の明のある人物であるにも関わらず、新政府軍に無実の罪で斬首されるという悲劇で人生の幕を閉じています。大河ドラマは、小栗という偉人を知ってもらうきっかけになるのは間違いありません。小栗は幕府により役職を罷免された後の隠せい先として倉渕の権田を選んだわけですが、小栗とのつながりはどんなものだったのでしょうか。
▲小栗にゆかりのある倉渕町権田の東善寺
小栗は権田の他にも知行地がありましたが、権田の名主を幕府の遣米使節の一行としてアメリカに連れて行ったり、仏式軍事訓練を受けに江戸に来ていた若者を座敷に呼び上げて教育したりしています。小栗は幕臣として江戸に住んでいたわけですが、権田の人々とのつながりはその頃から強かったと考えています。
その時の若者らが、後に小栗の妻が新政府軍から逃げる時に、危険を顧みずに会津まで送り届けたんです。先人のこの義の行いだけは、何とかドラマに入れてほしいと思っています。
ぜひ入れていただきたいですね。一方で、小栗家の側用人の幼い娘たちが、逃避行の足手まといにならないように川に沈められてしまったという悲劇もありました。痛ましく思った地元の方が、川のほとりに「姉妹観音」をまつったということです。私は、この機会にそういう歴史を広める努力をしなければならないと思っているんです。
▲姉妹観音
小栗の里・倉渕。その魅力を全国へ
最近は週末になるとたくさんの観光客が倉渕に来ていますので、大河ドラマの影響力は大きいと感じますね。東善寺や小栗に関する史跡、相間川温泉や道の駅などの施設が観光コースになっているようです。
最近は平日でも参拝客が来るようになりました。駐車場に県外の、特に関西方面のナンバーの車が随分並んでいたという話も聞いています。
小栗は烏川河川敷でその生涯を閉じたわけですが、その近くを通ると今でも胸が打たれます。
私も顕彰慰霊碑に行くと、江戸幕府の中枢や世界各地で色々なものを見てきた小栗の目に、最後に映ったのがこの景色なんだなと感慨深くなります。本当に大切にしたい所です。
▲小栗が最期を迎えた地に建つ顕彰慰霊碑
倉渕の風景は心に迫るものがありますよ。ちょうど良い機会ですから、多くのお客様をお迎えできるように、これからも知恵を出していきましょう。本日はありがとうございました。
▲倉渕町の風景
対談の様子は動画でご覧いただけます