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市長対談「伝統文化の館」
今年4月に伝統文化の新たな拠点として開設した「高崎伝統文化の館」。今回は同館や本市における伝統文化活動について、市内で伝統文化の継承や発展に尽力されている方や伝統文化体験会の参加者にお話しを伺いました。
対談者の紹介
対談内容
市長対談記事の全文については、下記から確認できます。
広報高崎9月号 市長対談「高崎伝統文化の館」 [PDFファイル/1.46MB]
ダイジェスト
伝統文化の拠点が誕生
この「高崎伝統文化の館」は、元は小島鉄工所という高崎の歴史ある企業の8代目社長である児玉恒二さんが住居として使用していた邸宅で、令和5年10月に遺贈を受けたものです。この貴重な邸宅をどう活用しようかと考えた時に、高崎には伝統文化の拠点がないから、華道や茶道、和楽器、日本舞踊などの練習や発表ができる場にしようと思い、今年4月に開館しました。
高崎伝統文化の館は、敷地の中が何とも言えず静かで清らかな場所で、市街地から近いけれどまるで別世界の、高崎の新しいオアシスという感じがします。
体験会を見学しましたが、参加者の皆さんがとても熱心で、真剣に取り組んでいました。若い人に伝統文化を体験してもらえるのはとてもうれしいです。
茶道と和楽器の体験会に参加しました。どちらも本当に感動して、今思い出しても胸が熱くなります。和楽器を演奏するのは初めてで、とても難しかったです。
もともと武道をやっていて、日本の伝統に興味があったので、華道・和楽器・日本舞踊に参加しました。どれも初めての体験だったので難しかったですが、短い時間の中で集中して教えていただいて、とても楽しむことができました。
高崎の伝統文化をつなぐ
私の所属する群馬三曲協会には高崎市外の方も多くいるのですが、高崎は市民と行政が一緒になって文化活動をやっていて、うらやましいと言われます。
私がすごいと思っているのが、高崎市民の文化に対する意識の高さです。例えば、今年5月に開催された高崎市民美術展覧会が今年で89回目になりますから、戦前や戦中もやっていたということですよね。その意識の高さが今も受け継がれていて、市民による写真や絵画などの展覧会が頻繁に開かれているんです。市文化協会にはいろんな団体が加入していると思いますけれど、こんなに幅広く団体が活動しているまちって、そう多くないんじゃないですか。
群馬県内にはさまざまな文化団体や文化協会がありますが、中でも高崎が一番まとまっていると思います。
高崎はこのように素晴らしい伝統のある地域なんですよ。若い世代の伝統文化に対する関心はいかがでしょうか。
私の大学の茶道部には30人くらい部員がいるので、興味を持っている人は多いと思います。でも、伝統文化ってやっぱり心理的なハードルが高いので、これだけ気軽に楽しく参加できる体験会っていうのは、伝統文化に触れるきっかけとしてとても良いと思います。
やってみないと分からないことというのがきっとありますから、若い方には体験会などをきっかけにして、未知の世界に一歩踏み込んでいただきたいと思います。
たくさんの人に体験してほしい
伝統を後世につないでいくには、若い人の力が大切ですからね。そのために伝統文化の館にできることがあると思うんですよね。最後に今後の伝統文化の館に期待することはありますか。
今、社会が大きく変わりつつある中で、伝統文化の館には、伝統文化を受け継いで、後世につなげていく人を育てるという役割もあると思っています。その意味で、若い人を対象にした体験会は非常に有意義な試みだと思います。俳句や短歌、落語などの教室をやってみるのも面白いと思います。
私は22歳の時に尺八を始め、尺八のおかげで定年後もまた違う人生を生きることができています。どんなことでもいいと思うのですが、毎週土曜日の体験会などをきっかけに、新しいことにチャレンジしてみれば、きっと人生が違ってくると思います。
部活動は若い人が伝統文化に触れる重要な機会ですので、部活動でもこの伝統文化の館を使わせていただきたいと考えています。