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学芸員のつぶやき(2022年度)

ページID:0002324 更新日:2024年5月20日更新 印刷ページ表示

企画展「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」最終日 中村眞美子さんによるトーク&ワークショップ開催! 2023年3月26日

「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」も最終日。
本日は中村眞美子さんを迎え、午前中はアーティストトーク「"出会う"風景」、午後はアーティストワークショップ「風景って何だろう?」を開催しました。

中村眞美子アーティストトーク
アーティストトークは午前11時から30分間、3階第5展示室で20名様のご参加。
「雪の下に水の青が透けてリアル」と富岡惣一郎の《信濃川・卯ノ木A》の感想からスタート。「私の作品の雪はシンプルな紙の白だけど、描かない外側への広がりを意識するので、色の白ではなく光のイメージ」と、版画ならではの視点で自作を解説。
参加者の「描きたいことを言葉にすることと、言葉にできないこととの葛藤は?」との質問に「言葉にできないことを知るために、言葉にする努力をしているかもしれない」と思案する場面も。

ワークショップは午後1時から4時まで、高崎市南公民館で8名様のご参加。

中村眞美子ワークショップ1中村眞美子ワークショップ2
一枚の写真から構図を探し、自作(本物です)が生まれる様子をお手本でお話いただき…

中村眞美子ワークショップ3中村眞美子ワークショップ4
参加者の皆さんも、L字の枠二つで写真から描きたい構図を探し、力作が完成!中村さんを囲んで自作の意図や感想を披露。

白黒のみで描く当初の予定から、自由に色も選んでいただき、木炭、鉛筆、インク、墨、パステルと画材も技法も華やかに…。「一枚の写真から二枚描いたら、二枚目は自由に描けた」「先生の写真から描いたので、光の向きがつかめず苦戦」「中学校以来の絵。描くことより構図をつかむことに専念」など思い思いの体験となったようです。

完成品を持ち帰る目的ではなく、作家の絵作りのプロセスを体験するコアな内容のワークショップは今回が初めて。「写真、コピー使用をすすめているのではなく、写真の助けを借りて、上手に描くプレッシャーから離れて「描きたい」気持ちに出会ってほしかった。ご参加ありがとうございました」との講評で和やかな、そして熱っぽいワークショップが終了しました!

企画展「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」
学芸員によるギャラリートーク最終回 2023年3月18日

小雨降る3月18日(土曜日)、「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」学芸員によるギャラリートークが最終回となりました。

第1章「トミオカホワイト誕生と白の世界 第一部」では
抽象表現の本場、ニューヨークで活躍しながら違和感を覚えた富岡が、帰国して日本の雪を改めてみつめるまで。

富岡惣一郎「霧・大杉谷B」
《霧・大杉谷 B》は、遠目にリアルな原生林の姿ですが、近づくと全体に刻みが走る。
「遠くからも、近づいても絵を見てほしい」と語りかける心模様が察せられます。

第2章「白の世界 第二部」では
「雪の声が自然に休養を語りかけ」画風が変化、「トミオカが富岡を見るように」なり「雪国脱落」が起きます。
「抽象でも具象でもなく、淡い雪、濃い雪、明るい雪、暗い雪でもなく」なって、何をみつめるのかが生涯のテーマに。
アーティスト「トミオカ」は、雪国の四季に心寄せる詩人「富岡」となり、空から大地を、そして空をみつめ始めて…。

そして第3章「そして空へ」では

富岡惣一郎「雪国・早春・野」3月18日ギャラリートークの様子1
《雪国・早春・野》など雪国シリーズについて「表現は抽象表現が強くなってくる「白や色の画面に刻まれる縦の線は、詩の文字を表現しているのだ」と語ります。言葉で言葉にならないものを書き表す詩のように、線や色、形で目に見えない心模様を描くことが「抽象」そして「詩」への、富岡の回答でした。

3月18日ギャラリートークの様子2
「雪国の四季の詩を画面に刻み込んで、詩の世界を作りたい」という言葉通り、水、風、雲をテーマに四季の色が現れ、そして星空へ。開かれゆく世界へ思いを馳せるひととき。ご一緒いただきました参加者の皆さま、ありがとうございました。これにて学芸員によるギャラリートーク終了です。

企画展「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」
俳句inミュージアム「空と大地を呼吸する句会」開催! 2023年3月11日

3月11日(土曜日)、午後1時から午後5時まで、水野真由美先生(俳人)による俳句inミュージアム第4弾「空と大地を呼吸する句会」を開催しました。

「俳句のルールを教えてください」という参加者のご質問に、
水野先生
説明でなく「みつけたこと」を自由に書く。展覧会だけでなく、美術館の自販機でも授乳室でも庭園でも何でも」
俳句に絶対的なルールはない。「季語がある五・七・五」もきまりではない。俳句は定型感と切れを生かす詩型だと考えている。短歌では五・七・五に七・七が付き情景や情感を伝えるが、それを振り切って一人で立とうとするのが俳句。五・七・五の十七音を基本とする三つのパーツを、つなげたり切ったりして一つの世界を書く。俳句の切れは呈示したイメージを飛躍させ、新たな言葉の空間を作り出す。まずは自由に書いてみる」

句会1句会2
禁句「雪」の発表にも動じない皆さん。富岡 惣一郎の画材道具などにも足を止める。

句会の様子3
思い思いの場所で。

句会の様子4
お手元拝見、下書きがたくさん!

午後2時40分再集合し、句会開始!

句会5句会
一人二句無記名で投句。それを並べて一人三句ずつ選んで記名します。

句会7句会8
全29句を先生が朗読講評し、いよいよ入選句発表。

水野先生
「なぜ声に出して読むか。読んで不自然だとどこかに不具合がある。自然に読めるものがよい」

語順や季語を取り替える添削ですが、聴いていると、先生は一句ごとの情景=絵をイメージしていると気づきます。その中に立てるかどうか、というような。

水野先生
「一句を読むというのは一句の世界を生きることだと思っています」

展覧会の感想や、富岡作品、白のインパクトに寄りかからず、自分なりに一枚の情景を書き出せるか。展覧会抜きに、その一枚の情景をイメージできるか。
詰め込みすぎると輪郭がぼやけるので「みつけたこと」一枚を潔く選ぶこと。
「詩は絵のごとく」の真意が初めてわかったような、目から鱗のお話でした。

それでは入選句をご紹介します。水野先生が選んだ順です。

  • 流氷のあわい休符の暗さ満つ
    佐川 愛実さん
  • 揚げ雲雀見えざる海を描きつつ
    深代 響さん
  • ダンビラを振るう富岡昼の月
    黒崎 敏史さん
  • 千頭の馬の眼開く春の空
    青木 敏男さん
  • 三月やひとりで立てる白のなし
    佐川 愛実さん
  • 濡れている熊の子の鼻星の声
    中島 ユキ子さん
  • 三月のパレットナイフ塗る削る
    植原 ツギ子さん
  • カンバスは地肌を晒し風光る
    中川 伸一郎さん
  • 冬海へ青墨色の獣走る
    中島 襲子さん
  • 鳥の眼となりて見おろす死後の景
    青木 敏男さん
  • 特製の白を削れば風光る
    中川 伸一郎さん

掲載許可をいただいた参加者の句

  • 冬の日の彼の涙にもらい泣き
    酒井 恵さん
  • 黒の中赤くはねるよどこまでも
    出口 義子さん

水野先生の句

  • 茎を折る三月十一日の子ども
    水野 真由美先生

句会中は味わう余裕もありませんでしたが、振り返ると日々展示室で、ただ美しいとか興味深いで済まされない富岡作品を直視している展覧会担当者として、「暗さ満つ」「見えざる海を」「地肌を晒し」「獣走る」「死後の景」にひとしお共感します。午前中来館された方から「一室一室立ち止まってしまうね、すごい」とお声がけいただき、つい「私も一室ずつ、身動きできなくなる場所があります」とお答えしたばかり。前日も「永遠?無限?自分の心をみつめ整理できなくなる衝撃」との声をお聞きしました。それでもただ重く暗いのではない清々しさ、開かれていく明るさを、皆さんの笑顔から感じましたし、私もそう思う春の一日、久々の句会にとても心強く励まされました。ご参加の皆さま、水野先生、ありがとうございました。

企画展「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」に富岡惣一郎さんご子息、富岡秀(しゅう)さんが再来館!お連れの皆さんは… 2023年3月9日

3月9日(木曜日)、「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」に、富岡惣一郎さんご子息、富岡秀さんが再来館されました。お連れの皆さんは…

昨年「生誕100年富岡惣一郎展」を担当した上越市、小林古径記念美術館の小川陽子さん
「富岡先生没年生まれという理由で担当となり、予備知識、準備期間もなく走りました。秀さんから教わった参考図書を少しずつ読んでいます」

作品を拝借している南魚沼市トミオカホワイト美術館の角田由美子さん
「県外はおろか館外に出ることがほとんどない作品なので、見慣れたはずでも違って見えます。スポットライト照明が新鮮」

一番長く富岡惣一郎作品に携わってきた、長岡市、駒形十吉記念美術館の高石真理子さん
「少しずつリレーのように受け渡しできて本当に良かった。富岡作品を誰かが見つける、秀さんがそうおっしゃったとおりになっていますね」

富岡秀さん
「生誕100年の様々なイベントがあり、この2年間、今まで以上に考え抜いてきました。考えすぎて少し疲れたので、後は皆さんにお任せします」

一同
「いやいや、ますますご指導をお願いします!」
富岡秀さんのお心遣いで、富岡展担当者が一堂に会する貴重な機会をいただきました。
皆さんの調査研究の積み重ねから、この展覧会は成り立っています。直接お礼をお伝えできて本当に嬉しいひとときでした。

企画展「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」
学芸員によるギャラリートーク第2回 2023年3月4日

3月4日(土曜日)、「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」学芸員によるギャラリートーク第2回を開催しました。

今回はよくお見かけするお顔がちらほらと。安心しますね。
2月10日(金曜日)の雪の日に「この展覧会は雪の日に見ないと!」とお越し下さったKさん。
その週末、南魚沼市トミオカホワイト美術館にもお出かけくださったそうです。
実はトミオカホワイト美術館さんから「高崎から来てくださったお客様がいらっしゃいました。それも電車とバスで…なんとも有難い。」とメールをいただいたときに、もしや…と思いました。やはり!でした。

反対に、新潟県から当館にお越し下さるお客様もいらっしゃいます。これ以上の喜びはありません。

その他、常連のお客様に交じって…

3月4日ギャラリートークの様子
私の隣には、特集展示の版画家、中村眞美子さんが!中村さんのコーナーではご本人の前でギャラリートークすることに汗。

中村さん、ご参加の皆さま、ありがとうございました。
次回のギャラリートークは3月18日(土曜日)午後2時から。まだまだ予約受付中です!
お申込みは高崎市美術館(027-324-6125)まで!

企画展「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」
解説動画会場放映&YouTube配信始めました! 2023年2月28日

旧井上房一郎邸の馬酔木
旧井上房一郎邸庭園の馬酔木(あせび)の花がこぼれるように咲き始め、春の訪れを感じる季節です。
シジュウカラなどの野鳥もよく遊びに来ていますよ。(庭園歳時記風)

富岡展解説動画の会場放映の様子
さて2月25日(土曜日)から美術館エントランスで「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」解説動画の放映を、2月28日(火曜日)からは高崎市ホームページYouTubeで配信を始めました!

内容は…
「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる」6分(担当学芸員)
「特集展示 中村眞美子」11分(出品作家、中村眞美子さんインタビュー)

の2本!

皆さま会場で、YouTubeでぜひご覧ください!

YouTube配信のご案内

企画展「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」
学芸員によるギャラリートーク第1回 2023年2月18日

2月18日(土曜日)、「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」学芸員によるギャラリートーク第1回を開催しました。

思い起こせば前回担当のギャラリートークが2021年11月6日。30分限定の「みじかい解説会」でした。
久々の全館、計1時間のトーク。ちゃんと務まるでしょうか?

2月18日ギャラリートーク1階2月18日ギャラリートーク2階
エントランス…ご予約の方々だけでスタート!2階に上がる頃にはご参加も増え…

2月18日ギャラリートーク2階3室2月18日ギャラリートーク3階
二刀流の下地塗りを身振り手振りで説明!3階まで…ご質問もいただきました。

Q「なぜ、黒や青や白の色がさまざまなのですか?」

A「取材先ごとに受ける感動や印象が違うからでは?同じ絵の黒の中にも、違う黒が隣り合っていたりしますよ。」

Q「アトリエの様子や制作風景を見ることはできない?」

A「富岡さんのアトリエはそのまま残っていませんが、刀のようなパレットナイフを両手に持って、二刀流のようにトミオカホワイトを丹念に塗ったそうですよ、2時間かかったそうです。」

拙いトークでしたが、熱心なご参加に励まされ、どうにか最後までお話できました。
ご参加ありがとうございました!

次回以降は…

「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」
学芸員によるギャラリートーク

  • 日時:令和5年3月4日、3月18日いずれも(土曜日)午後2時~
  • 会場:高崎市美術館展示室内
  • 定員:15名
  • 参加費:無料(要観覧料)
  • 申込み:高崎市美術館(027-324-6125)にて電話受付中

まだまだ予約受付中!お待ちしております!

企画展「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」に富岡惣一郎さんご子息、富岡秀(しゅう)さんがご来館! 2023年2月14日

快晴ながら強風の2月14日(火曜日)、「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」に、富岡惣一郎さんご子息、富岡秀(しゅう)さんが来館され、会場でお話をうかがいました。

南魚沼市トミオカホワイト美術館ホームページの地元中学生による「ジュニア学芸員」をご覧になり、初期の代表作《永遠の流れ》に「戦争や人の歴史、時の流れを感じる」という中学生がいたそうです。
南魚沼市トミオカホワイト美術館ホームページへ<外部リンク>

富岡さん「タイトル「永遠の流れ」を思うと、何度も変化する画風や手法にかかわらず、それが画業の通奏低音になっているのではないかと気づいた。」そうです。なるほど《信濃川・卯の木A》も、セスナ機から郷里の川を見下ろすだけではなく、富岡さんの人生、さらには人類の歴史を重ねているかもしれません。

富岡惣一郎「信濃川・卯の木A」
《信濃川・卯の木A》

富岡さん「中国の桂林山水は従軍の地。奇岩をただ描くのでなく彼岸と此岸、死生、戦争と平和など複雑な感情を込めた鎮魂歌に思える」
水影と山影が一つの境をへだてて等しく描かれた霧深い静けさに、吸い込まれるように感じられます。

富岡惣一郎「桂林山水・水上よりD」
《桂林山水・水上よりD》

富岡さん「厳しい人、特に自分に厳しかったが、晩年、物腰も絵も和らいだ。八海山麓につながりが生まれ美術館ができ、”旅続きの人生”に還る場所を見出した。だから厳しい雪景色から、水や風や雲、色を描くことができたのでは?」

富岡惣一郎「雪雲・八海山」
《雪雲・八海山》

還る場所…地に降り立ってこそ空を、星空を仰ぐことができたのかもしれません。空に開かれたより深い、遠いまなざし。厳しいだけではない人生の風景に、救われたひとときでした。

富岡惣一郎「未完成作品 星・White」
《未完成作品 星・White》

富岡秀さん、貴重なお話をありがとうございました。

企画展「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」会場を少しだけご案内&中村眞美子さんご来館! 2023年2月7日

今日は「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」会場を少しだけご案内します。

富岡展エントランス
エントランス 富岡さん愛用ポロシャツ、ハンチング帽や「人生と絵画の旅」年表地図。
旅また旅の人生がしのばれます。

第3展示室1
第3展示室、正面に《信濃川・卯ノ木A》

第3展示室2
故郷の雪を描くため、独自に白い油絵具「トミオカホワイト」を開発し、刀鍛冶に大きなパレットナイフを特注した富岡さん。セスナ機取材のスタイルも独特。会場も白に染まります。

第5展示室1
第5展示室 特集展示 中村眞美子…

第5展示室の中村眞美子さん
そこへ中村眞美子さんがご来館!

中村眞美子さんのドライポイント(銅版画)。光と影が織りなす雪景色です。
「尊敬する富岡さんと同じ展示室に作品が並ぶのは光栄です。制作を振り返る良い機会となりました。」と中村さん。

ぜひ会場で富岡さんの白の世界、中村さんの光と影に染まってみませんか?

ミュージアムショップの様子(富岡展)
南魚沼市トミオカホワイト美術館オリジナルグッズも販売中

ショップでは、南魚沼市トミオカホワイト美術館作成の生誕100年記念作品集や、富岡さんオリジナルグッズを販売中です。当館オリジナルグッズも奥に…。
観覧のあとはぜひお立ち寄りください!

企画展「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」開催! 2023年2月4日

立春を迎える快晴の2月4日(土曜日)、「生誕100年 富岡惣一郎 白に染まる/同時開催 特集展示 中村眞美子」が無事、開催初日を迎えました!

美術館外観(富岡展)
富岡惣一郎の代表作《信濃川・卯ノ木A》がお出迎え。
「白い世界を観る。白と黒の大自然を無心に観る。」(富岡惣一郎)

八海山を望む南魚沼市トミオカホワイト美術館さんに富岡作品拝借にうかがった1月30日(月曜日)、31日(火曜日)。富岡さんも描いた八海山の様子は…

八海山の様子1
30日午前10時

八海山の様子2
30日午後3時 やや不安に…

八海山の様子3
31日午後5時 無事拝借、出発時は夕映え…ホッ。

3月26日(日曜日)までの42日間、南魚沼市トミオカホワイト美術館ご所蔵の富岡惣一郎代表作45点と、特集展示の中村眞美子作品9点が、ご来館をお待ちしています。

収蔵作品展「特集展示 Love Pop」ギャラリートーク開催のご報告 2023年1月14日

本日は開催中の収蔵作品展「特集展示 Love Pop」の2回目のギャラリートークに、出品作家の森洋史さんを再びお迎えして開催しました。

森洋史さんのギャラリートークの様子1森洋史さんのギャラリートークの様子2
展示作品《Marilyn Monroe×Andy Warhol×famicom》やNFTと連結させた最新作《MEGA》についてお話いただいたほか、森さんの作品の大きな特徴である技法・材質の秘密にも触れていただきました。今回出品されている作品には「ウレタン塗装」「LED-UV硬化用材料」といった美術ではあまり聞き慣れない材質が使われています。これらは工業製品に多く使われますが、かつてポップ・アーティストたちが漫画や大量生産された商品など「美術らしからぬもの」を作品に取り入れたように、森さんも最新の工業技術を使うことにによって絵画技術のアップデートを試みているそうです。

また、作品のプログラミングデータを実際にGAME BOYで体験できる《MEGA》では、あるコマンドを実行すると《Marilyn Monroe×Andy Warhol×famicom》が現れます。これも従来のNFTアートの一歩先を行く森さんの新しい試みです。ぜひ会場で体験してください!

森洋史さんの作品1森洋史さんの作品2

高崎市美術館・旧井上房一郎邸、年末年始休館のお知らせ 2022年12月25日

高崎市美術館・旧井上房一郎邸の年内の開館日は12月27日(火曜日)までとなります。
12月28日(水曜日)~令和5年1月4日(水曜日)は年末年始休館とさせていただきますので、お出かけやお問い合わせの際はご注意ください。

令和5年、最初の開館日は1月5日(木曜日)です。
1月5日(木曜日)・6日(金曜日)にご来館の方、各日先着10名様に福袋プレゼントをご用意していますので、是非ご来館くださいね。(※無くなり次第終了となります)

来年も引き続き「特集展示 Love Pop」をお楽しみださい!

収蔵作品展「特集展示 Love Pop」ギャラリートーク開催のご報告 2022年12月24日

本日は開催中の収蔵作品展「特集展示 Love Pop」のギャラリートークに、出品作家の森洋史さんをお迎えして開催しました。森さんは1977年東京都ご出身。2013年東京藝術大学大学院美術研究科油画技法・材料修士課程修了。1980年代に起こったシミュレーションアートやアプロプリエーションアートなどの延長線上でパロディを手法として展開させる作品を制作されています。本展では9点の出品作品の中から《Marilyn Monroe×Andy Warhol×famicom》、《MEGA》シリーズについて解説がありました。

第2展示室《Marilyn Monroe×Andy Warhol×famicom》は今回出品されているアンディ・ウォーホル《マリリン・モンロー(マリリン)》をテーマにした作品で、森さんが子どもの頃遊んだゲームのキャラクターやタイトルをベースに懐かしいドット絵のような雰囲気で描かれています。実際はシルクスクリーンの応用で、細かい配置をデータ上で作成し厚みが出るまで何回も刷って仕上げるそうです。

森洋史さんギャラリートークの様子1
芸能人やスープ缶、マンガなど大衆的で芸術的でないといわれたものをアートへと取り入れたポップ・アート。
森さんも自身が過ごした1980年代~2000年代のカルチャーを作品に取り入れていますが、《Marilyn Monroe・・・》はマリリンの姿を解体・再構築し現代のポップ・アート作品として制作しているそうです。

第5展示室の《MEGA》は森さんの作品をGAME BOY上に再現し、そのプログラミングをNFTと連結させた新しい試みの作品です。タイトルにある「MEGA」はアメリカ合衆国の政治において用いられる選挙スローガン「Make America Great Again」からヒントを得て、森さんが考えた「Make Everything Great Again」の略だそうです。
「NFTってなに?」「作品はどこにあるの?」などの疑問に森さんが丁寧に回答。NFTアートについて少し身近に感じられたかもしれません!

森洋史さんギャラリートークの様子2
次回は来年1月14日(土曜日)に開催いたします。森さんも参加してくださいますので、皆様ぜひお越しください

収蔵作品展「特集展示 Love Pop」関連事業

「学芸員によるギャラリートーク」

本展出品作家の森洋史氏と当館学芸員による作品解説会です。

  • 日時:令和5年1月14日(土曜日)午後2時~
  • 会場:高崎市美術館展示室内
  • 定員:15名
  • 参加費:無料(要観覧料)
  • 申込み:高崎市美術館(027-324-6125)にて電話受付中
    ※12月28日(水曜日)~令和5年1月4日(水曜日)は年末年始休館となります。

収蔵作品展「特集展示 Love Pop」ワークショップ開催のご報告 2022年12月17日

本日は開催中の収蔵作品展「特集展示 Love Pop」のワークショップ「LOVEバッジをつくろう!」を開催しました。

展覧会に出品しているロバート・インディアナの《ア・ガーデン・オブ・ラブ》をモチーフに、針と糸を使ってフェルトでバッジを制作。講師は中田久美子さん、美術館スタッフもお手伝いしました!

ワークショップ風景1ワークショップ風景2
《ア・ガーデン・オブ・ラブ》はインディアナの代名詞でもあるアルファベットの「LOVE」を、バラやライラックなど6種類の花からイメージした配色で組み合わせ、花が咲き誇る愛の庭を表現しています。今回のワークショップでは、緑と赤をベースにしたクリスマスバーションのLOVEバッジになりました。

収蔵作品展「特集展示 Love Pop」初日 2022年12月10日

本日12月10日(土曜日)から収蔵作品展「特集展示 Love Pop」が始まりました。

美術館外観のメインサインや高崎駅西口のペデストリアンデッキ看板が鮮やかな黄色と赤が目を惹くロイ・リクテンスタイン《泣く少女》に代わりました。

高崎市美術館外観ペデストリアンデッキ看板
本展では当館収蔵のロイ・リクテンスタイン、ロバート・ラウシェンバーグ、アンディ・ウォーホルら、1960年代~70年代のポップ・アート期前後のアメリカ美術を代表する作家たちの版画作品と、彼らに影響を受けた日本のアーティストの作品を中心に紹介。

「ポップ・アートの少し前」「ポップ・アートの隆盛」「かたちへの挑戦」「3つのイズム」「Love Pop」の5つのコーナーから、半世紀過ぎてなお愛されるポップ・アートの魅力に迫ります。
是非お越しください!

企画展「アルフォンス ミュシャ展」学芸員によるギャラリートーク開催のご報告 2022年10月30日

開催中の企画展「アルフォンス・ミュシャ展 美しき時代の女神たち」の関連事業としまして、本日は担当学芸員によるギャラリートークを開催しました。

本展覧会では約300点の作品を通してミュシャの生涯にわたる画業をご紹介していますが、その中から第2展示室・第3展示室の作品を中心にトークを行いました。

第2展示室でのギャラリートーク
ミュシャの画業を語る上でかかせない、大きな転機となった作品は、第2展示室で展示中の舞台ポスター《ジスモンダ》(1895)です。絵画を学ぶために1887年にパリに出たミュシャは、生活のために雑誌の表紙やページ装飾、挿絵などの仕事を手がけていました。1894年末、版画工房で仕事をしていたミュシャの元に、当時人気絶頂の女優サラ・ベルナールの舞台ポスターの制作依頼が舞い込み、1895年新年からポスター《ジスモンダ》がパリの街中に飾られると、センセーションを巻き起こし、一躍アール・ヌーヴォーの寵児となります。

ギャラリートークでは、その頃の美術界の動きとして、印象派を代表するモネや、ゴーガンなど、新たな表現を模索する作家たちや、パリを中心に盛んに取り入れられたアール・ヌーヴォーの様式などもご紹介しました。

また第3展示室では、その後黄金期を迎えるポスター芸術の先導者となったミュシャの、様々なポスター作品をご覧頂きました。特に、「ベル・エポック(美しき時代)」を迎えたパリで、人々が菓子や酒といった嗜好品、映画、鉄道旅行などの娯楽を楽しむようになると、ミュシャはさまざまな商品や娯楽のポスターでも時代の要望に応えるイメージを生み出しました。

トークの中では、鉄道旅行のイメージを象徴的に表現した《モナコ・モンテ・カルロ》(1897)や、印刷・出版業者シャンプノアの宣伝ポスター《夢想 シャンプノア》(1897)を中心に、当時のパリの人々の生活やそれに呼応するミュシャ作品をご紹介しました。

第3展示室でのギャラリートーク
パリでの成功後、アメリカでも人気を博し支援者を得たミュシャは、1910年祖国チェコへと帰還し、念願の連作《スラヴ叙事詩》に18年かけて取り組みます。第5展示室では、連作《スラヴ叙事詩》にまつわる作品や資料のご紹介のほか、1918年に独立を宣言したチェコスロヴァキア共和国の新政府からデザインを任された切手、紙幣などを展示しています。

展示室を巡り、ミュシャの多岐にわたる作品に触れながら、華々しいパリでの活躍、祖国チェコへの強い愛を、ぜひ感じてみてくださいね。

企画展「アルフォンス ミュシャ展」コレクターによる講演会開催のご報告 2022年10月23日

本日は、開催中の企画展「アルフォンス・ミュシャ展 美しき時代の女神たち」の関連事業としまして、ミュシャ作品の世界的コレクター尾形 寿行さんによる講演会を、手指消毒、換気、密を避けるなどの対策を実施して開催致しました。
ご予約いただいたたくさんのお客様にお集まりいただき、改めてミュシャ作品の人気を感じるとともに、尾形さんから直接お話をうかがえる貴重な機会として皆様が楽しみにしてくださっていた様子が伝わってきました。

尾形寿行さんの画像1講演会の様子
尾形さんは仕事でドイツ滞在中、古本屋や蚤の市でミュシャのポストカードなどの小物を探し回ったそうですが、ミュシャの親族と親しくなり、ミュシャ作品を探す際に助言をもらうこともあり、珍しい作品をたくさん収集することができたそうです。
アール・ヌーヴォーの寵児となったミュシャ作品の中で、本展覧会のメインヴィジュアル《夢想》は当時人気を博した作品の一つ。リトグラフは増刷され1万枚くらい刷られたそうです。

講演会では、展示室にて展示中の多彩なコレクションを抜粋してご紹介しながら、作品の見どころやミュシャにまつわる興味深いお話に加え、尾形さんならではの苦労話・思い出話も交え、楽しい講演会となりました。

「若いころからミュシャ一筋」と自負する尾形さんですが、最後に「無償で祖国や国民のために芸術を通して奉仕したミュシャを尊敬している。現在日本の多くの皆さんがミュシャを好きになって本当に良かった」と、熱い気持ちでお話しされるご様子が印象的でした。

尾形さんがコツコツ集めた貴重なコレクションを、この機会にぜひご覧くださいね。

企画展「アルフォンス ミュシャ展」コレクター尾形寿行氏によるギャラリートーク開催のご報告 2022年10月2日

本日は、開催中の企画展「アルフォンス・ミュシャ展 美しき時代の女神たち」の関連事業としまして、学芸員によるギャラリートークを予定していましたが、急遽、世界的コレクター尾形 寿行さんによるギャラリートークに変更して開催致しました。

尾形寿行さんの画像2第1展示室でのトークの様子
長年ドイツに滞在していた尾形さんは、ドイツでミュシャ作品の収集を始めました。ミュシャはポスター作品がよく知られていますが、尾形さんはポスター以外にも切手や紙幣、陶器、鏡など、欧州でないと収集が難しいような小物もたくさんコレクションしてきました。
ギャラリートークでは、ほとんどの展示作品に触れながら、ミュシャの経歴や仕事、当時のフランスやチェコの時代背景から、尾形さんご自身の作品収集にまつわる裏話など、幅広くお話しくださいました。

尾形さんが「どうしても手に入れたい!」と思い入手した作品の一つが、《黄昏》(1899年、カラーリトグラフ)という作品の習作《黄昏(習作)》(1899年、クレヨン)です。《黄昏》では体にベールをまとった横たわる女性が描かれていて、ベールによって、女性がどのような姿勢なのか曖昧でしたが、《黄昏(習作)》ではベールがないため、女性の姿勢の謎が明らかになりました。
本展覧会では、《黄昏》と《黄昏(習作)》を並べて展示していますので、ぜひ見比べてご覧下さいね。

第4展示室でのトークの様子第5展示室でのトークの様子
また、尾形さんは、ミュシャがパリでの活躍後、祖国チェコで国や国民に尽くしたことに大変感銘を受けたそうです。チェコ時代の作品に囲まれながら、ご自身のコレクションについて「多くの方に楽しんでいただけると嬉しい」と笑顔でお話し下さいました。

尾形さんのコレクションを中心とした、約300点の貴重なミュシャ作品をぜひご覧下さいね。

企画展「アルフォンス ミュシャ展 美しき時代の女神たち」始まりました!SNS投稿でコースタープレゼント!2022年9月23日

本日9月23日(金曜日・祝日)より、企画展「アルフォンス・ミュシャ展 美しき時代の女神たち」が始まりました。

ミュシャ展入口看板
美術館入口看板や高崎駅西口のペデストリアンデッキ看板など、ミュシャの作品《夢想 シャンプノア》が目を引く看板が美術館周辺でも見られます。

ミュシャ展高崎駅西口ペデストリアンデッキ看板
チェコ出身のアルフォンス・ミュシャ(1860-1939)は挿絵などの仕事をしながら絵画を学び、1887年にパリに移住後、1894年末に制作したフランスの国民的女優サラ・ベルナール(1844-1923)の演劇ポスターが翌年センセーションを巻き起こし、一躍アール・ヌーヴォーの寵児となりました。
本展覧会では、ミュシャ作品の世界的なコレクターとして知られる尾形寿行さんのコレクションを中心に、流麗な女性像を描いたポスターや装飾パネル、生活に寄り添う菓子の容器や香水瓶といったインダストリアル・デザインまで、約300点をご紹介します。

生活のために取り組んだ雑誌の表紙や挿絵、サラ・ベルナールを描いた《ジスモンダ》《椿姫》などの演劇ポスターのほか、安価で大量に制作できるリトグラフ(石版画)による装飾パネルや、菓子や紅茶の容器、香水瓶、シャンパンのパッケージなど、「私は芸術のための芸術を創るよりも、大衆のための絵の制作者でありたい。」と語ったミュシャの、人々の日常に寄り添う数々の作品をお楽しみいただけます。

本展覧会は全作品写真撮影OKです。また、撮影した写真に「#ミュシャ展群馬」のハッシュタグをつけてSNSに投稿し、その画面を受付にてご提示いただいた方に、オリジナルコースターをプレゼントしています。
※コースターがなくなり次第終了となります。
※フラッシュ・三脚・自撮り棒の使用、動画撮影はご遠慮ください。

ミュシャ展コースタープレゼント紹介パネル
お気に入りの作品を見つけたら、SNSに投稿して、ぜひご参加下さいね。

企画展「つくる展 TASKOファクトリーのひらめきをかたちに」ミュージアムショップ・グッズのご紹介 2022年8月14日

開催中の「つくる展 TASKOファクトリーのひらめきをかたちに」は、ユニークなアイデアとつくる力で、さまざまな分野で活躍する、ものづくりのプロ集団・TASKOの大規模展覧会です。

TASKOがこれまで携わってきた百貨店のウィンドウディスプレイや舞台装置などについて、展覧会にあわせて見応え充分なアート作品として展示しています。「つくる」にスポットをあて、TASKOの発想の源や作品になるまでを紹介しているので、とても身近なしくみによって動いていたり、光ったりと、発見がたくさん!
観覧後は、子どもも大人もきっと何かつくりたくなる展覧会です。夏休みの自由研究のヒントも見つかるかもしれませんね。

美術館1階のミュージアムショップでは、「つくる展」限定やTASKOオリジナルのグッズをはじめ、「つくりたくなる」気分にぴったりの工作キット、ものづくりには欠かせないグッズを販売しています。

今回は、その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

ミュージアムショップ内の様子ミュージアムショップTシャツコーナー
一つ目は、Tシャツ(税込各2750円)。柄は全部で4種類あり、キッズサイズ(100、120、140)、大人サイズ(S、M、L)をご用意しています。つくる展限定は、工具柄の中に「つくる」の文字が入ったデザイン。キッズ3色(白、グレー、サックス)、大人2色(白、グレー)の展開です。

TASKO各種Tシャツ
ほかに、TASKOの「A」ロゴやTASKOオリジナルアルファベット柄、本展覧会で初登場の電ドラくんTシャツを販売中です。(電ドラは電工ドラム、コードリールのこと。)

二つ目は、クリアファイル。二種類販売のうち、白地に黒色のTASKOオリジナルアルファベットがランダムに配置されたファイルが、つくる展限定デザインです(税込330円)。ちなみに、様々なグッズに用いているTASKOオリジナルアルファベットは、よくみると工具・道具がモチーフになっています!

クリアファイル
三つ目は、プリントキューブ(税込2640円)。キューブ型のパズルです。カラフルで優しい色合いの背景色に、白色でTASKOオリジナルアルファベットがプリントされています。

つくる展プリントキューブ
展覧会を見て何か作りたくなった人には、つくる展オリジナルの液体のり(税込330円)もオススメです。つくる展ロゴがデザインされた液体のりは、持ち歩きにも便利なミニサイズです。

つくる展液体のり
最後にご紹介するのは、つくる展プリントクッキー(13枚入、税込972円)。クッキーには、缶バッジが1個ついています。缶バッジは全部で26柄。観覧の記念にお土産用として、また自分用にもおすすめです。

つくる展プリントクッキー
今回ご紹介したグッズ以外にも、マグカップや木製コースター、木製キーホルダーなど、つくる展オリジナルグッズを販売しています。
また、「つくる」に着目した本展覧会ならではの、TASKOオリジナルの組み立てキットや各種工作キット、ものづくりに役立つ軍手、手ぬぐい、マスキングテープのほか、人気展示作品「パフューマリーオルガン」に関連したルームフレグランスなど、楽しいグッズを多数販売しています。

バランストイ見本TASKO軍手とテープ
ルームフレグランスミュージアムショップ
ミュージアムショップは、美術館開館日の閉館30分前までオープンしています。展覧会とあわせて、ぜひお気軽にご覧下さい。

企画展「つくる展 TASKOファクトリーのひらめきをかたちに」ワークショップ「テンセグリティをつくろう!」開催のご報告 2022年8月6日

本日は開催中の「つくる展」関連事業として、「TASKOワークショップ テンセグリティをつくろう!」を、午前と午後の2回開催しました。
TASKOの工場長、木村匡孝さんを講師に迎え、TASKOのスタッフにもアシスタントとして入っていただきました。

TASKO木村さん
「テンセグリティ(tensegrity)」とは、Tension(テンション/張力)とIntegrity(インテグリティ/統合)をくっつけた造語です。かたい素材が、糸などの引っ張る素材の引き合う力のバランスによって自立安定する形のシステムです。ワークショップでは、棒(かたい材料)とゴム(ひっぱる材料)を使って、不安定に見えてくずれない立体を作ります。
(下の画像はTASKOのスタッフによる見本です。)

テンセグリティ見本
はじめに、「トラス構造」「ラーメン構造」といった、建築などで見かける身近な構造について学んだあと、カラフルなストローと輪ゴムを使って、テンセグリティ作りに挑戦。まずはストローを6本使った立体を作ります。
見本を見たり、木村さんやTASKOのスタッフにアドバイスをいただきながら、黙々と作業を進めます。

テンセグリティ制作の様子1テンセグリティ制作の様子2
テンセグリティ制作の様子3テンセグリティ制作の様子4
6本で作れたら、今度はストロー3本の立体に挑戦。ストロー同士がくっつかずに安定し自立する立体で、見本だけ見て作り方を考えます。6本から3本と、本数が減っているのに、実はこれがとっても難しい!6本を作れた方も、試行錯誤しながら挑んでいました。

テンセグリティ制作の様子5テンセグリティ制作の様子6
一人で作りにくい場面では、親子でお互いににサポートしあったり、TASKOのスタッフも助けてくださるなど、あちこちで協力しあう姿が見られました。大人の方からお子様まで、悩みながらも終始楽しんで取り組んでいる様子でした。

「テンセグリティ、面白そう!」「でも道具を揃えるのが大変…」という方には、美術館のミュージアムショップ入口で「つくるガチャポン テンセグリティ」を販売中です。色違いで全3種、1個500円です。(※対象年齢7歳以上)

ガチャポンのテンセグリティの見本つくる展ミュージアムショップ
組み立てると、ガチャポンのケースより大きな立体が作れます。ぜひトライしてみてくださいね。

企画展「つくる展 TASKOファクトリーのひらめきをかたちに」TASKO工場長と回るミュージアムツアー開催のご報告 2022年7月9日

本日7月9日(土曜日)より、企画展「つくる展 TASKOファクトリーのひらめきをかたちに」が始まりました!
多様な視点で「つくる」の魅力を紹介する本展覧会では、各展示室で動くアートを展示しています。

初日の本日は、「TASKO工場長と回るミュージアムツアー」を開催し、TASKOの工場長、木村 匡孝さんに各作品を解説していただきました。

TASKO工場長木村さんミュージアムツアーの様子1
それぞれの作品が生まれた背景などのエピソードや、作品によって異なる「動く」仕掛けについて、使用している素材について等、たくさんの制作秘話をお話し下さいました。

企業とのコラボレーションから生まれた大がかりな作品だけでなく、シンプルな動きや身近な素材が工夫次第でユニークな作品になっていて、ご参加の皆様も一つ一つの作品を楽しみながら、解説に熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

ミュージアムツアーの様子2ミュージアムツアーの様子3
最後にご紹介したのは、第4展示室で展示している《パフューマリー・オルガン》。《パフューマリー・オルガン》は、演奏すると音と香りを同時に奏でる楽器です。音階に香料を割り当てた「香階」に基づき、音によって出る香りが異なるので、様々な音を奏でることによって香りも変化していきます。
会期中は毎時0分、30分に約4分の自動演奏があり、それ以外の時間は、ご来館の皆様にも自由に鍵盤に触れていただけます。
今回のミュージアムツアーは、自動演奏を一緒にお楽しみ頂いて、イベント終了となりました。

終了後、ツアーに参加されていたお客様が、厳かなオルガン演奏を披露して下さり、木村さんや職員もうっとり聞き惚れてしまいました。お声がけさせて頂くと、演奏家とのこと!素晴らしい演奏をありがとうございました。

パフューマリーオルガン体験の様子
「つくる展」では、《パフューマリー・オルガン》のような体験型の作品もあります。これからご来館の皆様も、ぜひ楽しんで下さいね。

企画展「つくる展 TASKOファクトリーのひらめきをかたちに」もうすぐ始まります! 2022年7月8日

企画展「つくる展 TASKOファクトリーのひらめきをかたちに」が7月9日(土曜日)から始まります。
美術館入り口上や高崎駅西口ペデストリアンデッキの看板が「つくる展」バージョンに変わっています!

つくる展入り口上看板つくる展西口ペデストリアンデッキ看板
TASKO(タスコ)は、2012年に結成されたものづくりのプロ集団です。美術・舞台制作、プロデュース、設計制作、デザイン&ウェブなど、それぞれの専門スタッフとスキルが集まり、ユニークな発想力と優れた技術力で、これまで様々な企業やアーティスト、デザイナーとのアイデアをカタチにし、幅広い分野で多くの作品を手がけてきました。

本展覧会では、現代アートとして見応え充分でありながら、ものづくりにおける「つくる」にスポットをあて、TASKOがこれまで制作してきた作品や、作品のしくみ・動きを資料とともに展示し、多様な視点で「つくる」の魅力を紹介します。

光、音、香りなど、五感で楽しむ動くアートが大集合!体験型の展示を通して、想像力、発想力、創造力が刺激され、きっとワクワクしてくるはずです。

子どもから大人まで楽しめる展覧会にぜひお越しくださいね。

企画展「つくる展」関連事業

TASKOワークショップ「テンセグリティをつくろう!」

たった2種類の材料でつくれるフシギ構造体!
棒(かたい材料)とゴム(ひっぱる材料)を使って、不安定にみえてくずれない立体を作ってみよう!

  • 日時:8月6日(土曜日)(1)午前10時30分~正午/(2)午後2時~3時30分
  • 会場:高崎市南公民館(美術館隣)
  • 定員:各回10名(予約先着順/小学生以上~大人まで)
    ※小学3年生以下は保護者同伴
  • 参加費:500円
  • 申込み:高崎市美術館(027-324-6125)にて電話受付中

収蔵作品展「あの風景を探しに美術館へ」学芸員によるギャラリートーク開催のご報告 2022年6月11日

本日は開催中の収蔵作品展「あの風景を探しに美術館へ」関連事業として、学芸員によるギャラリートーク第3回目を開催しました。今回は「第3章 懐かしい日本の風景」から、初出品作品や高崎市ゆかりの作家による作品を解説しました。

第3章は、第4展示室で日本の風景、第5展示室で群馬の風景を展示しており、トークは第4展示室からスタート。
まずは日本の風景の中から、今回初出品となる安井曾太郎《湯河原風景》(制作年不詳)をご紹介しました。
京都府出身の安井は、肖像作品を多数描いていることで知られますが、7年の滞欧から1914年に帰国後は、仕事や旅行、静養のため熱海、京都、奈良、奥入瀬、上高地など日本各地を訪れ風景を描いています。湯河原は晩年の安井の重要な場所です。1949年、湯河原温泉の老舗旅館天野屋の敷地内の竹内栖鳳画室を借りて制作拠点とし、1954年、天野屋旅館の向かいの山に自宅兼アトリエを新築、転居しますが、翌1955年12月、気管支性肺炎をおして庭で屋外制作し、体調を崩して12月14日に逝去しました。本展でご紹介の《湯河原風景》は、安井の創作意欲を掻き立てた湯河原の風景が水彩で爽やかに描かれています。

ギャラリートークの様子の画像1
第4展示室では、ほかに高崎ゆかりの作家として、鶴岡政男、伊藤富太郎をご紹介しました。

続いて第5展示室では、まず井田秋雄(ときお)の《かしぐねの風景》をご紹介しました。
「かしぐね」とは、樫の木で作られた防風林のこと。冬場の乾燥した強い北風「空(から)っ風」が風物詩である群馬県内各地では、建造物を守るかしぐねが今も見られます。

また、群馬県の山をモチーフにした風景画もご紹介。赤城山、榛名山、妙義山は「上毛三山」と呼ばれ、県民に親しまれています。高崎ゆかりの山口薫、松本忠義、豊田一男が描いた上毛三山は、懐かしい故郷の風景。穏やかな空気が漂います。

一方、現役作家の衣真一郎さんの《森の中》は、榛名山・榛名湖周辺の景観を元に、ほとんど混色しない鮮やかな色彩で、現代の榛名の風景を生き生きと捉えます。

群馬県民・高崎市民におなじみの風景は、県外からお越しのお客様にどのように映ったでしょうか。
展覧会をご覧になったあとは、ぜひ各地へ、実際の風景を見に出かけてみて下さいね。

収蔵作品展「あの風景を探しに美術館へ」出品作家によるギャラリートーク開催のご報告 2022年6月4日

開催中の収蔵作品展「あの風景を探しに美術館へ」では、現在高崎市を拠点に活動している衣真一郎(ころも・しんいちろう)さんの作品《森の中》(2021)、《横たわる風景》(2021-22)の2点を展示しています。
本日は、関連事業として、衣真一郎さんを講師にお迎えして「出品作家によるギャラリートーク」を開催しました。

《森の中》は、衣さんが現在拠点にしている榛名山・榛名湖周辺の景観から着想を得て描いた作品です。緑色の真っ直ぐ縦に長い木々や、水辺、人物が描かれています。「買い物に行くにも車で30分かかる」という山間の地域で、杉林や榛名湖・池のような水辺、そこを訪れる人々などによって展開される風景を、衣さんの日常的な体感・記憶に基づいて描いています。各モチーフは、「静物画的に配置するイメージ」で、並置して画面を構成しているそうです。

衣真一郎さんギャラリートークの様子
もう1点の《横たわる風景》は、より実景に近い形で描かれています。高崎市倉賀野町に現存する浅間山(せんげんやま)古墳に取材したこの作品は、畑と一体になっている浅間山古墳に惹かれて描き始めたそう。衣さんが実際に足を運び、ボールペン・鉛筆でスケッチを何枚も描いて構成・構図を練って描いた風景画です。トークでは、制作の過程がわかる貴重なデッサンなどの資料をご持参いただきました。
画面中央辺りに、タイトルのとおり「横たわる」ように描かれている大きな古墳。視線を下に移すと、私たちが日々目にする企業やお店のロゴマークが描き込まれています。「生活の中でなじみのある景色。しかし一歩入ったら古墳がある」という古墳大国群馬ならではの景観を面白いと感じて制作に取り組まれました。「登れない古墳も多いが、群馬は登れるところもある。実際に登り、そこから見た景色など、色々な体験から感覚を得て描くことができた」そうです。

衣さんのデッサンを拝見すると、デッサンの段階では景色を写実的に捉え、細い線を何本も引いて描き込まれていますが、作品が仕上がるにつれて、情報が最低限に削られ、シンプルに描かれていきます。「絵は技術を見せるために描いているわけではない。鑑賞者が作品に入り込めて、そこから何か感じてもらえれば」と語る衣さん。そのお人柄のように、衣さんの描く風景は、特定の場所を題材にした作品であっても誰もが親近感を持てるような温かさが漂います。

ご参加の方々からの質問コーナーでは、今後の展開について質問が。「絵画は可能性がいっぱいある。これから訪れた先で、そのモチーフを抽象的に工夫したりするかもしれないが、決めているわけではない。色々な表現があって良いのではないかと思っている」と力強く語る衣さんの、今後の作品にもぜひご注目下さいね。

収蔵作品展「あの風景を探しに美術館へ」学芸員によるギャラリートーク開催のご報告 2022年5月28日

本日は開催中の収蔵作品展「あの風景を探しに美術館へ」関連事業として、学芸員によるギャラリートーク第2回目を開催しました。今回は「高崎市ゆかりの作家が見た風景」をテーマに、各展示室の高崎市ゆかりの作家や作品について解説しました。

「海外の風景」をご紹介している第1展示室では、高崎市出身の山口薫の滞仏中の作品をご紹介。1930年から3年間滞仏した山口は、展示中の《巴里郊外「クイイ・サンヂェルマン風景」》(1931)のように、巴里周辺を中心とした風景画を多数描きました。山口が生涯に渡って愛用した緑色・茶色がこの頃からも多用されている点や、帰国後の作品で、滞仏の経験を彷彿とさせる《ノートルダァム》(1954)についてなど、滞仏経験からその後の山口の制作についてもご紹介しました。

第2展示室・第3展示室では、それぞれ前回のトークでご紹介した大谷禮子、中村節也をご紹介しました。

ギャラリートークの様子の画像2
「日本の風景」をご紹介している第4展示室では、高崎市出身の伊藤富太郎をピックアップしました。1924年、15歳の頃から写真をはじめて、地元高崎の日常を見つめ続けた伊藤ですが。本展覧会では日本各地を取材した作品をご紹介しています。

第5展示室では、現在高崎市榛名湖町を拠点に活動する衣真一郎(ころも・しんいちろう)さんをご紹介。榛名の風景から着想を得て描いた《森の中》(2021)、高崎市倉賀野町の浅間山(せんげんやま)古墳に取材した《横たわる風景》(2021-22)について、浅間山古墳の航空写真などもご覧頂きながらご紹介しました。衣さんは、古墳が県内各地に多数現存する群馬ならではの、古代と現代の風物が隣り合って造り出す独特の景観を、新しい視点で表現しています。

6月4日(土曜日)には、衣真一郎さんを講師にお迎えして「出品作家によるギャラリートーク」を開催します。衣さんの制作にまつわる深いお話を、次回の「学芸員のつぶやき」でもご紹介できるのではないかと思います。お楽しみに。

収蔵作品展「あの風景を探しに美術館へ」学芸員によるギャラリートーク開催のご報告 2022年5月14日

本日は「あの風景を探しに美術館へ」関連事業として、学芸員によるギャラリートークを開催しました。今回のテーマは「第1章 海外の風景」。参加者の皆様と第1展示室~第3展示室を巡りながら作品解説を行いました。

第1展示室では、ヨーロッパの風景の中からフランスの風景を展示しており、高崎市ゆかりの山口薫をはじめ、藤田嗣治や木村忠太、本展初出品となる香月泰男について、それぞれの渡仏についてお話しました。

ギャラリートークの様子の画像3
第2展示室では、アメリカの風景から、高崎市ゆかりの大谷禮子をご紹介。第2展示室内ではひときわ大きな大谷の作品の前で、ニューヨークの景色を感じながらお話ししました。

第3展示室は、特集展示の高崎市ゆかり作家、中村節也を紹介しました。中村は1961年、56歳の時に、招かれて渡米し、3ヶ月滞在しました。アメリカで自然の雄大さや先住民族の営みに感銘を受け、その後の中村の画家人生を再出発させる転機となりました。
壁一面の150号の大作《悠久》は、1988年、中村83歳の作品です。中国に取材した作品で、併せてご紹介している《承徳(中国)》(1990)とともに、より色彩も筆致も穏やかな、理想郷を思わせるような作品です。

ご参加の皆様は、終始熱心に耳を傾けてくださり、質問や会話をしながらとても和やかなギャラリートークとなりました。
これからご来館の皆様も、作品・作家たちを通して、ぜひ海外へ思いを馳せてみてくださいね。

今後もギャラリートークを予定しております。詳細は展覧会ページをご覧ください。

あの風景を探しに美術館へ~ヨーロッパ・アメリカ・アジア…絵画旅日和~

収蔵作品展「あの風景を探しに美術館へ」出品作家によるワークショップ「旧井上房一郎邸で写生に挑戦」開催のご報告 2022年5月9日

5月8日(日曜日)は「あの風景を探しに美術館へ」出品作家・衣真一郎さんを講師に迎え、ワークショップ「旧井上房一郎邸で写生に挑戦!」を開催しました。
こちらは、当館併設の旧井上房一郎邸の庭園や邸内で写生を行うワークショップです。(旧井上房一郎邸のページへ)
当日は天候に恵まれ、参加者の皆様には庭園で制作に取り組んでいました。

講師の衣さんによる説明の様子の画像
講師の衣さんによる説明の様子

衣さんによる作品講評の様子の画像
衣さんによる作品講評の様子

参加者の皆様の作品の画像
参加者の皆様の作品

作品とともに記念撮影の画像
作品とともに記念撮影

普段は使用をお断りしている水彩絵の具を使い、それぞれに選んだ場所で描いていただきました。
構図や描き方など、積極的に衣さんに質問していただき、和気あいあいとしたご様子かと思えば、静まり返り制作に集中する場面も。

最後にはお互いの作品を見せ合い、衣さんから講評をいただきました。
写実的な作品、旧井上邸の庭園をベースに心象風景を思わせる作品など、参加者の皆様の作品はどれも個性豊かに仕上がりました。楽しそうに制作している姿も印象的でした。
午後1時~4時と長丁場でしたが、あっという間だったのではないでしょうか。

今回講師を務めてくださった衣さんによる関連事業を以下の日程で開催予定です。
参加ご希望の方は高崎市美術館(027-324-6125)までお電話くださいね。

収蔵作品展「あの風景を探しに美術館へ」出品作家によるギャラリートーク

  • 講師:衣真一郎(ころも・しんいちろう/画家・出品作家)
  • 日時:6月4日(土曜日)午後2時~午後2時30分
  • 会場:高崎市美術館展示室
  • 参加費:無料(要観覧料)
  • 定員:10名(予約先着順)
  • 申込:高崎市美術館へお電話ください(027-324-6125)

収蔵作品展「あの風景を探しに美術館へ」開幕しました 2022年4月30日

収蔵作品展「あの風景を探しに美術館へ~ヨーロッパ・アメリカ・アジア…絵画旅日和~」が本日より始まりました。

高崎駅西口ペデストリアンデッキ看板
本展覧会では、高崎市美術館の収蔵作品から、国内外作家による外国・日本の風景画、人物画を中心にご紹介します。
4月30日(土曜日)~6月19日(日曜日)まで開催中です。ぜひお越しくださいね。

これまでのつぶやき